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脅威
新たなコンセプト
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「遺跡が消失しただと…………?」
聖女様を回収してから、こちらも数日が経ったある日の事。
要塞のシステムの復旧が漸く半分程まで、回復した頃、唐突にミハエルから通信で、面倒な報告を受けた。
「それは、何処の遺跡だ…………?」
俺はミハエルから借りた要塞の資料を閉じ、復旧作業の手を止め、目の前の通信モニターへと問い掛ける。
『衛星カメラの映像だと、残りの二つの内、北にあったカズラ遺跡みたいね』
通信モニターの映像に映るミハエルは、コンソールを操作して、モニターに詳細な地図と衛星カメラの画像を展開して、説明して来る。
《北》か-------------
確か、俺が行った遺跡は《南》と《東》だったから、残るは《西の遺跡》-------------
確か、魔族領付近にあるんだったか。
って、何だよ?
この画像は!?
遺跡丸ごと、地面と一緒に抉り取られてんぞ!?
『恐らく、彼が遺跡を丸ごと食べたのね』
「マジか…………」
俺の表情で考えを察して、ミハエルが答えるが、俺はモニターの画像を凝視して、思わず顔を青ざめる。
話には聞いていたが、ほんと、洒落にならない。
こんなのと戦うんか?
俺は-------------
『あなたには本当に申し訳ないと思っているけど、頑張って貰うしかないわね』
そう思うなら、その恍惚な笑みをやめろ!?
あの駄メイドも駄メイドだが、こいつは更に拍車を掛けて、気持ち悪い!!
まぁ、気落ちしていた頃よりは、大分、精神面も安定しているようだから、前よりは良いが…………。
「そんで…………?
奴は今、何処に向かってんだ?
お前の事だから、補足はきっちりしてんだろう?」
ミハエルが親指を立てると、再びコンソールを操作して、映像を出す。
今、彼が向かっているのは、ハート皇国にあったシエラ湖ね。
移動速度はかなり速いみたいだけど、それでも数日は掛かる距離よ。
このまま、順調に行けば、まず間違いなく、要塞の復旧の方が先になるわね』
「そうか…………」
まぁ、あの駄メイドを排除した後、シスターズの支配権を早々に取り戻した俺は、シスターズに命じて、この移動要塞のシステムの復旧を手伝わせている。
機能はまだ半分しか取り戻せてはいないが、後、一週間もあれば、問題はない。
問題があるとすれば、その後だ。
特に、今の俺のプラモ-------------
《エグゼス》と《デルタ・アーム》の二つは今後の戦いに於いて、早々に使えなくなる可能性が高い。
その武装に関してもだ。
何せ、彼の能力は極めて、危険かつ俺にとっても厄介な能力だからだ。
その為には、この二つの長所を合わせ待つ機体を作り上げなければならない。
近接戦特化した《エグゼス》-------------
水陸両用の可変機体である《デルタ・アーム》-------------
そして、それに合わせた新たな武装の構築。
唯一、問題ないのは、《ビームライフル》や《ビームソード》といった熱量兵器のみ。
それを軸に、案を練らねぇとな…………。
後で、カタログをまた見直してみるか。
『あっ!?
そうだ。
ついでだから、言おうと思ってだんだけど-------------』
何だ?
と思って、再びモニターの方へと視線を向けると、ある出来事をミハエルが口にした。
「……………………何…………?」
それは、俺としても、見過ごせない内容だったが、「まぁ、問題はないだろう」という事で、泳がすようにミハエルに言い聞かせて置いた。
それにしても、まさか、彼女がねぇ~。
そうぼやきながらも、復旧作業を再開し出した俺。
その頬は僅かだが、微笑んでいた。
聖女様を回収してから、こちらも数日が経ったある日の事。
要塞のシステムの復旧が漸く半分程まで、回復した頃、唐突にミハエルから通信で、面倒な報告を受けた。
「それは、何処の遺跡だ…………?」
俺はミハエルから借りた要塞の資料を閉じ、復旧作業の手を止め、目の前の通信モニターへと問い掛ける。
『衛星カメラの映像だと、残りの二つの内、北にあったカズラ遺跡みたいね』
通信モニターの映像に映るミハエルは、コンソールを操作して、モニターに詳細な地図と衛星カメラの画像を展開して、説明して来る。
《北》か-------------
確か、俺が行った遺跡は《南》と《東》だったから、残るは《西の遺跡》-------------
確か、魔族領付近にあるんだったか。
って、何だよ?
この画像は!?
遺跡丸ごと、地面と一緒に抉り取られてんぞ!?
『恐らく、彼が遺跡を丸ごと食べたのね』
「マジか…………」
俺の表情で考えを察して、ミハエルが答えるが、俺はモニターの画像を凝視して、思わず顔を青ざめる。
話には聞いていたが、ほんと、洒落にならない。
こんなのと戦うんか?
俺は-------------
『あなたには本当に申し訳ないと思っているけど、頑張って貰うしかないわね』
そう思うなら、その恍惚な笑みをやめろ!?
あの駄メイドも駄メイドだが、こいつは更に拍車を掛けて、気持ち悪い!!
まぁ、気落ちしていた頃よりは、大分、精神面も安定しているようだから、前よりは良いが…………。
「そんで…………?
奴は今、何処に向かってんだ?
お前の事だから、補足はきっちりしてんだろう?」
ミハエルが親指を立てると、再びコンソールを操作して、映像を出す。
今、彼が向かっているのは、ハート皇国にあったシエラ湖ね。
移動速度はかなり速いみたいだけど、それでも数日は掛かる距離よ。
このまま、順調に行けば、まず間違いなく、要塞の復旧の方が先になるわね』
「そうか…………」
まぁ、あの駄メイドを排除した後、シスターズの支配権を早々に取り戻した俺は、シスターズに命じて、この移動要塞のシステムの復旧を手伝わせている。
機能はまだ半分しか取り戻せてはいないが、後、一週間もあれば、問題はない。
問題があるとすれば、その後だ。
特に、今の俺のプラモ-------------
《エグゼス》と《デルタ・アーム》の二つは今後の戦いに於いて、早々に使えなくなる可能性が高い。
その武装に関してもだ。
何せ、彼の能力は極めて、危険かつ俺にとっても厄介な能力だからだ。
その為には、この二つの長所を合わせ待つ機体を作り上げなければならない。
近接戦特化した《エグゼス》-------------
水陸両用の可変機体である《デルタ・アーム》-------------
そして、それに合わせた新たな武装の構築。
唯一、問題ないのは、《ビームライフル》や《ビームソード》といった熱量兵器のみ。
それを軸に、案を練らねぇとな…………。
後で、カタログをまた見直してみるか。
『あっ!?
そうだ。
ついでだから、言おうと思ってだんだけど-------------』
何だ?
と思って、再びモニターの方へと視線を向けると、ある出来事をミハエルが口にした。
「……………………何…………?」
それは、俺としても、見過ごせない内容だったが、「まぁ、問題はないだろう」という事で、泳がすようにミハエルに言い聞かせて置いた。
それにしても、まさか、彼女がねぇ~。
そうぼやきながらも、復旧作業を再開し出した俺。
その頬は僅かだが、微笑んでいた。
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