婚約者の愛は重たい

聖 りんご

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恋する乙女同盟

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二年生になって半年が経ちました。
一年生の時とは違い平和な日々を過ごしていますが、ジョシュアとの関係も平行線です。
そこで、久しぶりに恋する乙女同盟の皆様に相談してみる事にしました。

久しぶりに会って感じたのは皆様のレベルアップが早くて私だけ置いていかれてしまったという事。
同い年のレティ様は婚約のお許しが出て筋肉の付きすぎた彼を戻し次第結婚してしまおうと目論んでいるとか。
 
私はいつも受け身なのがいけないとアドバイスをもらったので少し頑張ってみることにしました。

まずはスキンシップです。

「ジョシュア、少しソファに座ってくれる?」

「構いませんよ。」

私はジョシュアを座らせるとマッサージを始めました。

「いきなりどうしたのですか?」

「日頃ジョシュアには色々してもらっているからマッサージしてあげようかなって。気持ちいい?」

「ジゼルに触られては緊張して硬くなってしまいますよ。お気持ちだけいただきます。」

やんわり手を剥がされてしまいスキンシップは失敗しました。
しかし、こんな事ではいけません。
次はもう少し踏み込みます。

「ジョシュア、私クッキーを焼いたのだけれど食べてくれる?」

「ジゼルの作ったものを食べないなんていう選択肢はありませんよ。」

私は一つ手に取るとそれをジョシュアの口元に運んだ。
するとジョシュアは少し驚いた顔をしながらも私の手を掴みクッキーを食べると私の指を舐めてご馳走様と言った。

私の心臓は壊れそうなくらいドキドキいってクラクラした。
ジョシュアに見詰められただけなのに身体中があつくて恥ずかしくて視線をそらしてしまった。
恋人たちは皆こんな恥かしい思いをしているのでしょうか。
私は死んでしまう。

「おや、もう終わりですか?私としてはまだまだ足りないのですが。」

そう言ったジョシュアはすごく楽しそうな顔をしていた。
ジョシュアは私の指に優しく口付けて、掌、手首と少しずつ登ってきて肘の手前にくると唇に直接口付けてきた。

とても深くて息が出来なくて自分の心臓の音と唇の熱だけが私の世界を支配していた。
どれくらいの時間そうしていたか分からないけどチカラが入らなくなってやっと解放されたと思ったら私はジョシュアの膝に座らされた。

「誘ってきたのはジゼルからですから、きちんと責任をとって下さいね。」

その後もずっとキスをされはしたけどやっぱりそれ以上はされませんでした。
でも、私にはやっぱりまだ早いと思うので自分のペースでいこうと思います。

皆……置いていかないでね……
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