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序章/裏切られた勇者は…
9.勇者は『魔王』と『大魔王』を知りました。でも…
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『魔王』…それは魔の生物と領地を統べる者である。
この世界には『九つの大地』がある。
基本的に人間の国が統治しているが、様々な種族がいる『ミッドガルド』
エルフを含めた、様々な妖精族の国が統べる『アルフヘイム』。
ドワーフ族や様々な獣人族の国が統べる『スヴァルトヘイム』。
そして、神様が住んでいるとかいないとかいう空に浮かぶ謎の大地『アスガルド』と『ヴァナヘイム』。
基本的には世界にはこの四つの大地が存在している。
しかも複雑な事に『ミッドガルド』・『アルフヘイム』・『スヴァルトヘイム』は謎の空間の裂け目、『分ち繋げる障壁』がある為、『ミッドガルド』内で『アルフヘイム』や『スヴァルトヘイム』に繋がるという場所もある。
そして、残り四つの大地…魔が総べる大地。
この大陸は普段は異空間に存在し、『王』が存在する時のみ、世界に出現する『幻の大地』であり、『王』がいない時は『門』だけが存在し、大地がぽっかり空いているような感じだ。
広大な巨人の国『ヨトゥンヘイム』。
凍てつく大地『ニヴルヘイム』。
死者が辿り着く大地『ヘルヘイム』。
燃え盛る炎の大地『ムスペルヘイム』。
もちろん『魔王』が存在していない大地ではそれぞれ覇権争いが繰り広げられている。
ルクが支配していたのは『ムスペルヘイム』は世界に出現する時はエクセリアの近隣に出現する。
「まあ、ジーくんにも前に教えてあげたわね~。要はその大地の覇権を握ったモノが『魔王』なのよ~」
元の服を纏ったギネヴィアはのほほんと説明した。
「…で、ギネヴィアは何で、その、えっと…魔王に?」
ギネヴィアはにっこり笑って、
「んー、まあ、色々重なったのよ~。リューとんとセッちゃんがジーくんの暗殺計画を本当に実行しちゃうし、セッちゃんはそれから様子がおかしいし、リューとんはセッちゃんと結婚したくせにセクハラしてくるし、出奔したら国家反逆者にされちゃったし、『ヘルヘイム』は珍しい『魔鉱石』と『薬草』がそこら中にあるし、ジーくんが生きてる事わかっちゃったから…なりゆき?」
「なりゆきってそんな…」
「だって、ジーくんも今や『大魔王』だしー」
「僕だって別に大魔王になったつもりは…」
「それもこれも、色々教えてあげた魅惑のせくしー女教師である私を手籠めにしなかったジーくんのせいよ」
「僕のせいにされても…」
ギネヴィアに強く言えないジークは反論がなかなかできない。
「ギネヴィア!その暗殺計画にはお前も係わっていたんじゃないのか!?」
クローディアがギネヴィアを睨みつける。
「お前はエクセリア皇国の第一皇女!知らなかったとは言わせんぞ」
「うん、知ってたわよ~」
「なっ…!?」
ギネヴィアがあっさりと答える。
「出立の時、パパンに言われたわよ~。『勇者が魔王を殺したら、勇者を殺せ』ってね~。でもぉ…」
「むぐっ!?」
ギネヴィアはジークの顔を自分の胸に押しつける。
「むぐぐっ、むぎゅっ!?」
そして、ゆっくりとジークの頭をなで始める。
「こんな優しいバカな子が~、悪い事するわけないじゃない~」
そのギネヴィアを見てセレスティアは思い出す。
自分の姉と同じ、愛しい人を見つめる瞳…
「だから、暗殺するつもりなんてコレッぽちも無かったし、セッちゃんにも確認したのにな~…どうして、あんなことしたんだろ~」
ギネヴィアは悲しさと後悔を混じらせて…
「私が傍にいたら~、そんなことさせなかったのにな~」
「…ギネヴィア」
ジークが顔をあげると、ジークが見たこともないギネヴィアの顔が見える。
それを見て…
「僕は…生きててよかったのかな…」
その言葉を聞いて、ギネヴィアは恐ろしく、胸を締め付けられた。
「ジーくん…私はあなたを救うために、本当の意味で『大魔王』にする為に来たのよ~」
そして…自身の目的を告げる。
「だ、だいまおうに?」
「そう、大魔王。先輩ちゃんや女王様達は『この意味』がわかるわよね」
「ふん…」
「ええ…」
「…かつて、様々な称号を名乗る『魔王』が存在した」
ルクが重い口調で話し始める。
「私の『黒炎の皇女』、ギネヴィアちゃんの『魔導女帝』。『魔将』、『魔人皇帝』、『竜帝』、『覇王』、『界皇』…何人かの他の『魔王』を従えた覇者達…そいつらが恐れ多くも名乗れなかった、かつて世界を本当に支配した伝説の称号…それが『大魔王』…」
「そう、私はジーくんに…世界征服をしてもらう為にやってきたの」
勇者は『魔王』と『大魔王』を知りました。でも…世界征服を持ちかけられました。
この世界には『九つの大地』がある。
基本的に人間の国が統治しているが、様々な種族がいる『ミッドガルド』
エルフを含めた、様々な妖精族の国が統べる『アルフヘイム』。
ドワーフ族や様々な獣人族の国が統べる『スヴァルトヘイム』。
そして、神様が住んでいるとかいないとかいう空に浮かぶ謎の大地『アスガルド』と『ヴァナヘイム』。
基本的には世界にはこの四つの大地が存在している。
しかも複雑な事に『ミッドガルド』・『アルフヘイム』・『スヴァルトヘイム』は謎の空間の裂け目、『分ち繋げる障壁』がある為、『ミッドガルド』内で『アルフヘイム』や『スヴァルトヘイム』に繋がるという場所もある。
そして、残り四つの大地…魔が総べる大地。
この大陸は普段は異空間に存在し、『王』が存在する時のみ、世界に出現する『幻の大地』であり、『王』がいない時は『門』だけが存在し、大地がぽっかり空いているような感じだ。
広大な巨人の国『ヨトゥンヘイム』。
凍てつく大地『ニヴルヘイム』。
死者が辿り着く大地『ヘルヘイム』。
燃え盛る炎の大地『ムスペルヘイム』。
もちろん『魔王』が存在していない大地ではそれぞれ覇権争いが繰り広げられている。
ルクが支配していたのは『ムスペルヘイム』は世界に出現する時はエクセリアの近隣に出現する。
「まあ、ジーくんにも前に教えてあげたわね~。要はその大地の覇権を握ったモノが『魔王』なのよ~」
元の服を纏ったギネヴィアはのほほんと説明した。
「…で、ギネヴィアは何で、その、えっと…魔王に?」
ギネヴィアはにっこり笑って、
「んー、まあ、色々重なったのよ~。リューとんとセッちゃんがジーくんの暗殺計画を本当に実行しちゃうし、セッちゃんはそれから様子がおかしいし、リューとんはセッちゃんと結婚したくせにセクハラしてくるし、出奔したら国家反逆者にされちゃったし、『ヘルヘイム』は珍しい『魔鉱石』と『薬草』がそこら中にあるし、ジーくんが生きてる事わかっちゃったから…なりゆき?」
「なりゆきってそんな…」
「だって、ジーくんも今や『大魔王』だしー」
「僕だって別に大魔王になったつもりは…」
「それもこれも、色々教えてあげた魅惑のせくしー女教師である私を手籠めにしなかったジーくんのせいよ」
「僕のせいにされても…」
ギネヴィアに強く言えないジークは反論がなかなかできない。
「ギネヴィア!その暗殺計画にはお前も係わっていたんじゃないのか!?」
クローディアがギネヴィアを睨みつける。
「お前はエクセリア皇国の第一皇女!知らなかったとは言わせんぞ」
「うん、知ってたわよ~」
「なっ…!?」
ギネヴィアがあっさりと答える。
「出立の時、パパンに言われたわよ~。『勇者が魔王を殺したら、勇者を殺せ』ってね~。でもぉ…」
「むぐっ!?」
ギネヴィアはジークの顔を自分の胸に押しつける。
「むぐぐっ、むぎゅっ!?」
そして、ゆっくりとジークの頭をなで始める。
「こんな優しいバカな子が~、悪い事するわけないじゃない~」
そのギネヴィアを見てセレスティアは思い出す。
自分の姉と同じ、愛しい人を見つめる瞳…
「だから、暗殺するつもりなんてコレッぽちも無かったし、セッちゃんにも確認したのにな~…どうして、あんなことしたんだろ~」
ギネヴィアは悲しさと後悔を混じらせて…
「私が傍にいたら~、そんなことさせなかったのにな~」
「…ギネヴィア」
ジークが顔をあげると、ジークが見たこともないギネヴィアの顔が見える。
それを見て…
「僕は…生きててよかったのかな…」
その言葉を聞いて、ギネヴィアは恐ろしく、胸を締め付けられた。
「ジーくん…私はあなたを救うために、本当の意味で『大魔王』にする為に来たのよ~」
そして…自身の目的を告げる。
「だ、だいまおうに?」
「そう、大魔王。先輩ちゃんや女王様達は『この意味』がわかるわよね」
「ふん…」
「ええ…」
「…かつて、様々な称号を名乗る『魔王』が存在した」
ルクが重い口調で話し始める。
「私の『黒炎の皇女』、ギネヴィアちゃんの『魔導女帝』。『魔将』、『魔人皇帝』、『竜帝』、『覇王』、『界皇』…何人かの他の『魔王』を従えた覇者達…そいつらが恐れ多くも名乗れなかった、かつて世界を本当に支配した伝説の称号…それが『大魔王』…」
「そう、私はジーくんに…世界征服をしてもらう為にやってきたの」
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