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序章/裏切られた勇者は…
4.勇者は裏切られました。でも…
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「えっ?復讐なんて別にしないよ」
『へっ?』
「まったく、この絵本なんだけど、ちょっと僕の人間体の絵がガチ召使風ってどういうことだよ、確かに料理洗濯のオサンドンはしてたけど、それは僕とリッカ以外生活力がゼロだったからだってのに…って基本森の民の伝統服を着てたリッカが聖騎士風じゃないか。リュートの奴どれだけ僕のこと嫌いなんだか…」
絵本にブツブツと文句付け始めたジークは、
「ちょ、ちょっと勇者ちゃん…いや、大魔王様」
「ん?」
「あの~、復讐は…?」
それを聞くとジークは『やれやれ』といった感じで首を振り、魔王の小さな肩に手を置き、優しい笑顔を浮かべる。
「復讐は何も生まないんだよ」
「本来周りの人間が止める為の台詞を当事者のアンタがいってんじゃないわよ!」
ギャイギャイと言い合う元勇者と元魔王。
「あのー、ジーク様?」
恐る恐ると、セレスティアがジークに声をかける。
「本当に、あの、よろしいのですの?」
「何がですか?」
「決まってる!『復讐』の事だ!」
クローディアが声を荒げる。
「お前は信じていた恋人や友に利用され、用済みになったら殺されかけたのだぞ!それを何をのほほんと…」
「だって、復讐は…」
「だからそれは!お前の…お前の言っていい台詞じゃない!」
クローディアが腹の底から叫ぶ。
「お前が何をやったというんだ!お前はただ…!ただ救って…助けてきただけじゃないか!」
「お姉さま…」
セレスティアだけが知っている双子の姉の秘密…
それはジークが自分達の国から出発た後、クローディアは『遠見の鏡』でジークを見ていた。
彼が活躍する所、楽しく笑っている所…そして、自分の命を賭して、沢山の人を救ってきた所を…
それを見てハラハラし、安堵したり、それをセレスティアに目撃されて、バツの悪そうに、
『ま、まったく!あのぽややんは!あれでは、いつかコロッと死んでしまうぞ!一応、恩人だし、勝手に死なないよう、たま~に監視しとかねばな、うん!』
あの時ほど、自分の姉が可愛らしいと思った事はないと、セレスティアは記憶している。
そして…
魔王討伐の時…
ジークが魔王に勝った瞬間、セレスティアとクローディアは心の底から喜んだ。
これで彼の旅は終わり…安息の日が始まるかもしれない。
彼とあの女が抱き合った瞬間に姉が表した顔も、セレスティアは忘れられない。
自分の想いを諦め、一筋の涙を流しながら、愛しい人の幸せを願う彼女の顔は、本当に美しかった。
でも、その後の姉は見ていられなかった。
あの女が彼を刺していた事に気付いた時…
苦しみながら倒れ、裏切りを宣告され、絶望の中で、彼が動かなくなる間、ずっと叫んでいた。
全てが終わった後、彼女は子供のように泣きじゃくりながら、
『どうして!?なんで!?あんなに!あんなに…あんなに!あいしてもらってたのに…どうしてよぉぉぉぉっ!』
泣きながら放つ彼女の言葉こそが、哀しみの憤怒を顕していた。
「何故だ!お前には復讐する権利がある!あの女の一族を鏖殺し!」
ジークは怨嗟の言葉を吐き続けるクローディアの前に近づき、
「あの女を獣共に陵辱させて!生きた事を後悔させろ!」
小さなクローディアの目線までゆっくりしゃがむと、
「あの女は…!あの女はそれだけの事をお前に…ぶみっ!?」
とても優しい顔で、そっと両手をクローディアの頬に優しく添えて…ぷみっ、と潰した。
「ひゃ、ひゃにほ…?」
「クローディア様。とっても優しい…優しいあなたが、そんな事言っちゃダメです」
小さな身体のクローディアをゆっくりと持ち上げて、涙が滲む彼女の瞳を真っ直ぐに見つめる。
「あー…クローディア様。確かに裏切られて、殺されかけたのはショックですよ。もう思い出すだけで…」
ジークは泣き出しそうな暗い顔をして、
「でも…少し考えれば、あいつ等にとって、仕方なかったんだなって、わかっちゃうんですよね」
ジークは『仲間』を思い出す。
「僕だって、あんな山奥から出てきた時は何も知らなかったけれど、ギネヴィアやグランが積極的に教えてくれた。そして、少し考えれば、彼らの心内がわかる筈なのに…気付かなかった僕は酷い奴だったんだ」
暗い顔のまま、苦笑いをする。
「前にギネヴィアから聞いたんだけど、過去に『建国の聖剣』を所有していた王国で、僕のように王族以外の者が『勇者』に選ばれ、魔王を倒した後、その勇者が王国を簒奪し、王や王子を含めた男は殺され、王妃や姫は勇者とその仲間達の慰み者になった…だから、その子孫である今の王様達は恐ろしかったんでしょうね。セルフィとギネヴィアは国の皇女…たぶん旅に出る前から、僕を殺す命令は出てたんでしょう」
(セルフィには、僕の事を忘れて、普通に生きていてほしいなぁ…)
「リュートは、私欲が多かったろうけど、大勢の前で『建国の聖剣』に選ばれなかった。家柄の重圧に負けず、才能もあるけど、絶えず努力を続けた奴だ…だから、辛かったんだろうな」
(一言…一言、恨み事を言ってほしかった…黙ってたら、どうしようもできないじゃないか…)
「リッカは、元々自分の民族に王国の庇護を与える条件で旅に同行してたんだし、二人には逆らえない。それに、リュートの事大好きだったしね」
(リッカは、大丈夫だろうか?心配だな)
「もし、僕の唯一の家族…『母さん』に何かしたら、まあ、その時は本当に、『母さん』に国ごと滅ぼされるからそれはない。うん大丈夫」
そのまま、クローディアを優しく抱きしめる。
「裏切られたのも、殺されたのも、僕一人。それに…」
起きる前にジークが見た夢…例え偽物であったとしても、あれは自分の『黄金の記憶』。
(僕は…僕からは絶対に穢したくない。だから…)
「だから、僕は、復讐しません。全く必要ないですから」
「でも…!?でもぉ…!」
また泣き出したクローディアににっこり笑って、
「もし、復讐なんかしたら、貴女が認めてくれた『僕』じゃなくなります。それはいやだ」
「…!」
―― ふんっ!このぽややんが勇者とは人間もどん底よの ――
それを聞くとクローディアは再び涙を浮かべ、右手をゆっくり上げて、
ぱちぃぃぃぃんっ!
「いったぁっ!?」
ジークに強烈な平手打ちを喰らわせる。
耐えきれずに、クローディアを手放した事により、クローディアは解放され、そのまま華麗に着地。
溢れる涙を時間をかけて拭うと、泣き顔は消え、子供みたいな顔をクールっぽく笑みを浮かべ、
「まったく…この、ダメダメなぽややんがっ!まあ、私が認めたからしょうがないか!まったく、お前みたいなぽややんな奴は私が管理しなきゃなぁっ!ありがたく思えよ!」
「そ、そうです!流石クローディア様。ありがたき幸せ!」
「ふふっ、苦しゅうないぞ」
笑うクローディアをよいしょするジーク。
「まったく…ツンデレ姉ばかりかまって。私だっているのですよ」
セレスティアは可愛らしく顔を膨らませている。
「でも…」
姉の顔を見て…勇者の優しさを改めて感じて、
「惚れなおしちゃいました、うん」
勇者は裏切られました。でも、復讐しないことにしました。
『へっ?』
「まったく、この絵本なんだけど、ちょっと僕の人間体の絵がガチ召使風ってどういうことだよ、確かに料理洗濯のオサンドンはしてたけど、それは僕とリッカ以外生活力がゼロだったからだってのに…って基本森の民の伝統服を着てたリッカが聖騎士風じゃないか。リュートの奴どれだけ僕のこと嫌いなんだか…」
絵本にブツブツと文句付け始めたジークは、
「ちょ、ちょっと勇者ちゃん…いや、大魔王様」
「ん?」
「あの~、復讐は…?」
それを聞くとジークは『やれやれ』といった感じで首を振り、魔王の小さな肩に手を置き、優しい笑顔を浮かべる。
「復讐は何も生まないんだよ」
「本来周りの人間が止める為の台詞を当事者のアンタがいってんじゃないわよ!」
ギャイギャイと言い合う元勇者と元魔王。
「あのー、ジーク様?」
恐る恐ると、セレスティアがジークに声をかける。
「本当に、あの、よろしいのですの?」
「何がですか?」
「決まってる!『復讐』の事だ!」
クローディアが声を荒げる。
「お前は信じていた恋人や友に利用され、用済みになったら殺されかけたのだぞ!それを何をのほほんと…」
「だって、復讐は…」
「だからそれは!お前の…お前の言っていい台詞じゃない!」
クローディアが腹の底から叫ぶ。
「お前が何をやったというんだ!お前はただ…!ただ救って…助けてきただけじゃないか!」
「お姉さま…」
セレスティアだけが知っている双子の姉の秘密…
それはジークが自分達の国から出発た後、クローディアは『遠見の鏡』でジークを見ていた。
彼が活躍する所、楽しく笑っている所…そして、自分の命を賭して、沢山の人を救ってきた所を…
それを見てハラハラし、安堵したり、それをセレスティアに目撃されて、バツの悪そうに、
『ま、まったく!あのぽややんは!あれでは、いつかコロッと死んでしまうぞ!一応、恩人だし、勝手に死なないよう、たま~に監視しとかねばな、うん!』
あの時ほど、自分の姉が可愛らしいと思った事はないと、セレスティアは記憶している。
そして…
魔王討伐の時…
ジークが魔王に勝った瞬間、セレスティアとクローディアは心の底から喜んだ。
これで彼の旅は終わり…安息の日が始まるかもしれない。
彼とあの女が抱き合った瞬間に姉が表した顔も、セレスティアは忘れられない。
自分の想いを諦め、一筋の涙を流しながら、愛しい人の幸せを願う彼女の顔は、本当に美しかった。
でも、その後の姉は見ていられなかった。
あの女が彼を刺していた事に気付いた時…
苦しみながら倒れ、裏切りを宣告され、絶望の中で、彼が動かなくなる間、ずっと叫んでいた。
全てが終わった後、彼女は子供のように泣きじゃくりながら、
『どうして!?なんで!?あんなに!あんなに…あんなに!あいしてもらってたのに…どうしてよぉぉぉぉっ!』
泣きながら放つ彼女の言葉こそが、哀しみの憤怒を顕していた。
「何故だ!お前には復讐する権利がある!あの女の一族を鏖殺し!」
ジークは怨嗟の言葉を吐き続けるクローディアの前に近づき、
「あの女を獣共に陵辱させて!生きた事を後悔させろ!」
小さなクローディアの目線までゆっくりしゃがむと、
「あの女は…!あの女はそれだけの事をお前に…ぶみっ!?」
とても優しい顔で、そっと両手をクローディアの頬に優しく添えて…ぷみっ、と潰した。
「ひゃ、ひゃにほ…?」
「クローディア様。とっても優しい…優しいあなたが、そんな事言っちゃダメです」
小さな身体のクローディアをゆっくりと持ち上げて、涙が滲む彼女の瞳を真っ直ぐに見つめる。
「あー…クローディア様。確かに裏切られて、殺されかけたのはショックですよ。もう思い出すだけで…」
ジークは泣き出しそうな暗い顔をして、
「でも…少し考えれば、あいつ等にとって、仕方なかったんだなって、わかっちゃうんですよね」
ジークは『仲間』を思い出す。
「僕だって、あんな山奥から出てきた時は何も知らなかったけれど、ギネヴィアやグランが積極的に教えてくれた。そして、少し考えれば、彼らの心内がわかる筈なのに…気付かなかった僕は酷い奴だったんだ」
暗い顔のまま、苦笑いをする。
「前にギネヴィアから聞いたんだけど、過去に『建国の聖剣』を所有していた王国で、僕のように王族以外の者が『勇者』に選ばれ、魔王を倒した後、その勇者が王国を簒奪し、王や王子を含めた男は殺され、王妃や姫は勇者とその仲間達の慰み者になった…だから、その子孫である今の王様達は恐ろしかったんでしょうね。セルフィとギネヴィアは国の皇女…たぶん旅に出る前から、僕を殺す命令は出てたんでしょう」
(セルフィには、僕の事を忘れて、普通に生きていてほしいなぁ…)
「リュートは、私欲が多かったろうけど、大勢の前で『建国の聖剣』に選ばれなかった。家柄の重圧に負けず、才能もあるけど、絶えず努力を続けた奴だ…だから、辛かったんだろうな」
(一言…一言、恨み事を言ってほしかった…黙ってたら、どうしようもできないじゃないか…)
「リッカは、元々自分の民族に王国の庇護を与える条件で旅に同行してたんだし、二人には逆らえない。それに、リュートの事大好きだったしね」
(リッカは、大丈夫だろうか?心配だな)
「もし、僕の唯一の家族…『母さん』に何かしたら、まあ、その時は本当に、『母さん』に国ごと滅ぼされるからそれはない。うん大丈夫」
そのまま、クローディアを優しく抱きしめる。
「裏切られたのも、殺されたのも、僕一人。それに…」
起きる前にジークが見た夢…例え偽物であったとしても、あれは自分の『黄金の記憶』。
(僕は…僕からは絶対に穢したくない。だから…)
「だから、僕は、復讐しません。全く必要ないですから」
「でも…!?でもぉ…!」
また泣き出したクローディアににっこり笑って、
「もし、復讐なんかしたら、貴女が認めてくれた『僕』じゃなくなります。それはいやだ」
「…!」
―― ふんっ!このぽややんが勇者とは人間もどん底よの ――
それを聞くとクローディアは再び涙を浮かべ、右手をゆっくり上げて、
ぱちぃぃぃぃんっ!
「いったぁっ!?」
ジークに強烈な平手打ちを喰らわせる。
耐えきれずに、クローディアを手放した事により、クローディアは解放され、そのまま華麗に着地。
溢れる涙を時間をかけて拭うと、泣き顔は消え、子供みたいな顔をクールっぽく笑みを浮かべ、
「まったく…この、ダメダメなぽややんがっ!まあ、私が認めたからしょうがないか!まったく、お前みたいなぽややんな奴は私が管理しなきゃなぁっ!ありがたく思えよ!」
「そ、そうです!流石クローディア様。ありがたき幸せ!」
「ふふっ、苦しゅうないぞ」
笑うクローディアをよいしょするジーク。
「まったく…ツンデレ姉ばかりかまって。私だっているのですよ」
セレスティアは可愛らしく顔を膨らませている。
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