天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第十三章 ミニライブ開催編

第36話‐3 僕を見て

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ナルキッソスは他のメンバー3人に、こう言った。

「お前たちのおかげで、最高のステージになった。感謝してる」
そう言って頭を下げたのだった。


すると彼らは互いに顔を見合わせると笑顔でこう言ったのだった。

「何言ってんのさ!僕らは友達じゃないか」
そう言って彼らは肩を組んできたのだった。

「ナーールーー、お前、可愛いとこあるじゃねぇか」



アドニスは馴れ馴れしくナルキッソスに肩に腕を回して、茶化すように言ってきたので鬱陶しかったのかすぐに振り払った。

「なっ……!?気持ち悪いことをするな!!あと気安く触るなよ!!」

そう言ってナルキッソスは顔を赤らめながら、いつものようにアドニスを睨んだのだった。

そんな彼らとは裏腹に、ガニュメデスだけは輪に入らず眺めていた。

(ふーん…思ったよりもやるね。だが、僕が中心なのは変わらないよ…!)


「おい、ガニュ!お前もこっちに来いよ」
アドニスは強引にガニュメデスの手を引っ張った。

「な…!何だよ、この前から君はずいぶんお節介だな。それにその変な呼び方、やめてくれないか。そんな呼び方で僕を呼ぶのは君だけだ」
ガニュメデスは少し迷惑そうな様子だった。

「え?だってお前はガニュメデスだろ?長いから縮めてるだけだぜ?」
悪びれる様子もなく、あっけらかんとして言った。

(はぁ?何だこいつ?馬鹿なのか?というか何なんだよ、この馴れ馴れしい態度……僕と君達では立場が違うっていうのに…)


だが、そんな気持ちなど露知らず、彼はさらに言ったのだった。

「そんなことより、お前のダンスすげぇよな~!俺、あんな動きできねぇもん。さすがエースだよな~!今度俺にも教えてくれよ!」

その言葉にガニュメデスは一瞬固まった。そして彼をじっと見つめた。



「まあいいよ。君は女性に人気はあるのは認めるけど、ダンスは一番下手だからね」
「え~!?」


そんな彼らのやり取りを陰で見ている者がいることに、美少年達は気付いていなかった。

(うん……これなら大丈夫そうだな。これからも彼らを見守っていこうかな…それにしてもあの子達は本当によくやってくれたよ…ありがとう、皆)

その夜ーーー

事務所から、マスターからの伝言が美少年達の元に届いた。

『私もライブを鑑賞させてもらった。想像以上に良かったよ。そしてナルキッソス君。君も合格だ。今後も4人で活動を励んでくれたまえ』

「やったーーーーー!!!」
美少年達は喜び合った。この4人で活動を続けることができるのだからーー


「よーし、今日のミニライブ成功のお祝いも兼ねて、みんなで打ち上げしようぜ!」
アドニスが提案した。

「いいね、賛成!」
ヒュアキントスも大はしゃぎだった。

こうして皆でグループの危機を乗り越え、彼らの絆は深まったのだった。


寮で美少年達がささやかな打ち上げをして盛り上がっている頃、ヒュアキントスの携帯端末にある者からメッセージが来ていた。

それはアポロンからだったーーー


第37話に続く・・・

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