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第十四章 恋愛禁止編
第40話‐2 許されない恋
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「・・・はい、もしもし」
電話口から聞こえてきた声に、胸が高鳴った。久しぶりに聞くその声はどこか懐かしく感じられた。
「あ、あの、僕です、ヒュアキントスです」
「ヒュアキントス。君と話したかったんだ。嬉しいよ。せっかくだから、顔を見て話さないか?」
「……。ごめんなさい。会うことはできないんです」
「だったら映像を出して話そう」
天界の携帯端末は、ビデオ通話機能もあるが、立体映像装置を備えている。
まるで本人がそこにいるかのような立体映像を出して通話することもできるのだ。
ちなみに、マスターがいつも美少年達に姿を現す時も、この立体映像装置を使っている。
アポロンの提案により、2人はお互いの姿を映しながら会話をすることになった。
アポロンの姿が映し出され、ヒュアキントスは胸が高鳴った。
まるで本人が前にいるかのようだが、映像なのでもちろん触れることはできない。それでも十分だった。
「ところで急にどうしたんだい?何か話したいことがあるのかな?」
「ええ、実はそのことでお話ししたいことがあって・・・」
そう言うと、ヒュアキントスは少し緊張しながらも、勇気を振り絞って口を開いた。
「アポロンさま。実は・・・・・」
ヒュアキントスは今日の出来事をアポロンに打ち明けた。
自分達は恋愛禁止であり、もう2人で会うことは叶わないということもーー
だが、アポロンは驚くことはなかった。
「……そうか。実は、私も君達の事務所に赴き、エロスが君達に関与していることを知ったんだ。エロスは天界において最高位の神の1人でもあり、この天界の法典…『銀河法典』の編纂者の1人でもある。そして彼は愛の神としてトップでもあり、愛に関する法や掟を作る権限も持っている。それゆえに法律を司る神としても崇められているんだよ」
「そうなんですか……」
「そのエロスが恋愛禁止を制定したとなると、解除は難しいだろう。だが私は君を諦めたくはない」
「え・・・!」
まさかの言葉に、ヒュアキントスは目を見開いた。
「私の想いは今も変わらないよ。君のことが好きだ。君の笑顔を見ていると幸せな気持ちになるし、君が他の誰かと楽しそうにしていると嫉妬してしまうくらい好きなんだ」
それはヒュアキントスも同じだった。自分の想いを改めて伝えると、彼もこう答えた。
「僕も同じ気持ちです。本当はあなたとずっと一緒に居たいし、あなたの恋人になりたいんです。だけど……」
「2人で一緒に乗り越えよう。恋愛を禁止するなど、本来はおかしな話だ。愛し合う権利は誰にもあるんだ」
「・・・・・・・・・」
アポロンに打ち明けなくてはならない。
これまでずっと隠してきた、誰にも言えなかった自分の秘密をーーー
打ち明けてしまえば、嫌われるかもしれない。
拒絶されるかもしれない。
それでも、打ち明けなくてはならないのだ。彼を愛しているからこそ・・・
ヒュアキントスは意を決して告白したのだった。
1万3千年前まで地球にいたことも。
1万3千年の時を経て、シリウスで目を覚ましたことも。
そして今は神格を失っていることも。
決して許されない罪を犯したこともーーー
41話へ続く・・・
電話口から聞こえてきた声に、胸が高鳴った。久しぶりに聞くその声はどこか懐かしく感じられた。
「あ、あの、僕です、ヒュアキントスです」
「ヒュアキントス。君と話したかったんだ。嬉しいよ。せっかくだから、顔を見て話さないか?」
「……。ごめんなさい。会うことはできないんです」
「だったら映像を出して話そう」
天界の携帯端末は、ビデオ通話機能もあるが、立体映像装置を備えている。
まるで本人がそこにいるかのような立体映像を出して通話することもできるのだ。
ちなみに、マスターがいつも美少年達に姿を現す時も、この立体映像装置を使っている。
アポロンの提案により、2人はお互いの姿を映しながら会話をすることになった。
アポロンの姿が映し出され、ヒュアキントスは胸が高鳴った。
まるで本人が前にいるかのようだが、映像なのでもちろん触れることはできない。それでも十分だった。
「ところで急にどうしたんだい?何か話したいことがあるのかな?」
「ええ、実はそのことでお話ししたいことがあって・・・」
そう言うと、ヒュアキントスは少し緊張しながらも、勇気を振り絞って口を開いた。
「アポロンさま。実は・・・・・」
ヒュアキントスは今日の出来事をアポロンに打ち明けた。
自分達は恋愛禁止であり、もう2人で会うことは叶わないということもーー
だが、アポロンは驚くことはなかった。
「……そうか。実は、私も君達の事務所に赴き、エロスが君達に関与していることを知ったんだ。エロスは天界において最高位の神の1人でもあり、この天界の法典…『銀河法典』の編纂者の1人でもある。そして彼は愛の神としてトップでもあり、愛に関する法や掟を作る権限も持っている。それゆえに法律を司る神としても崇められているんだよ」
「そうなんですか……」
「そのエロスが恋愛禁止を制定したとなると、解除は難しいだろう。だが私は君を諦めたくはない」
「え・・・!」
まさかの言葉に、ヒュアキントスは目を見開いた。
「私の想いは今も変わらないよ。君のことが好きだ。君の笑顔を見ていると幸せな気持ちになるし、君が他の誰かと楽しそうにしていると嫉妬してしまうくらい好きなんだ」
それはヒュアキントスも同じだった。自分の想いを改めて伝えると、彼もこう答えた。
「僕も同じ気持ちです。本当はあなたとずっと一緒に居たいし、あなたの恋人になりたいんです。だけど……」
「2人で一緒に乗り越えよう。恋愛を禁止するなど、本来はおかしな話だ。愛し合う権利は誰にもあるんだ」
「・・・・・・・・・」
アポロンに打ち明けなくてはならない。
これまでずっと隠してきた、誰にも言えなかった自分の秘密をーーー
打ち明けてしまえば、嫌われるかもしれない。
拒絶されるかもしれない。
それでも、打ち明けなくてはならないのだ。彼を愛しているからこそ・・・
ヒュアキントスは意を決して告白したのだった。
1万3千年前まで地球にいたことも。
1万3千年の時を経て、シリウスで目を覚ましたことも。
そして今は神格を失っていることも。
決して許されない罪を犯したこともーーー
41話へ続く・・・
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