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第十六章 アトランティスの真相編
第45話‐3 最高神ゼウス
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「ほう、珍しいのう。お主が頼み事とは」
「はい、実はーーーー」
ガニュメデスは、顛末をゼウスに話したのだった。
ヒュアキントスとアドニスが犯した罪のことも、彼らが処分を保留されていることも包み隠さず全て打ち明けたのだ。
そして、自分達に残された時間が少ないということもーーーー
全てを話し終えた時、ゼウスは何も言わずただ黙って話を聞いていただけだったのだが、やがて口を開いたかと思うとこう言ったのだった。
「なるほどなあ・・・事情はよくわかったぞい」
「僕はエロス様に命令され、彼らを監視していました。表向きは同じメンバーとして、ですが本当は運営側としてずっと彼らを見ていたんです。そして…彼らと活動を共にしていく内に、彼らは未熟ですが、神の資格は持っていると思うようになりました。彼らならきっとやり遂げてくれると信じていますし、そのために力を貸すことは惜しまないつもりです」
「・・・・・・・・・」
「だからお願いします!どうか彼らを助けてください!!」
ガニュメデスは勢いよく頭を下げた。そして懇願するように叫んだのだった。
すると、頭上から呆れたようなため息が聞こえたと思ったら、次の瞬間頭に衝撃が走った。
どうやら頭を叩かれたらしい。
(えっ?何で??)
驚いて顔を上げると、そこにはやれやれといった表情を浮かべたゼウスがいたのだった。
「馬鹿者が!何故もっと早く相談せんのじゃ!水臭いではないか!!」
「・・・え??」
突然のことに呆気に取られていると、彼は真剣な表情でこう告げたのだった。
「彼らの事情ならすでに知っておる。お前が突然音楽活動をするというから、済まないが調べさせてもらったんじゃよ」
「そうだったんですか……」
「それにあの2人のことは、1万3千年前から知っておる。あの2人はデメテルの大切な部下だったからな…。だが、2人が罪を犯したのは事実なのであろう?ならばそれ相応の罰を与えねばならん。そうしなければ示しがつかないからのぅ」
(やはりそうなるか・・・)
ガニュメデスは落胆の色を見せた。
(わかってはいたが、やっぱり駄目だったか・・・)
だが、次の言葉で彼は驚いたのだった。
「じゃがな・・・お前の話を聞いて考えが変わったわい」
「えっ!?」
「お前は変わったようじゃな。初めて会った時はあんなに暗い奴だったのにな・・・ふふ、いい顔をするようになったじゃないか」
そう言うと彼はニカッと笑った。それを見たガニュメデスは思わずドキッとしたが、すぐに冷静さを取り戻し平静を装って答えたのだった。
「……エロス様にも言われました。彼らが僕の中から愛を引き出したと・・・」
「そうか。お前は聡明で優秀だが、孤独なのは否めなかったからな・・・。お前は性愛を感じない者だが、『愛』を感じないわけではないだろう?」
「……わかりません。今まで考えたこともなかったので」
ガニュメデスは正直に自分の気持ちを伝えた。
愛なんてわからないと。自分には無縁だと思っていたのだから・・・。
それを聞いたゼウスはしばらく考え込む素振りを見せた後、おもむろに話し始めたのだった。
「ふむ・・・。ではこれから私が言うことをよく聞くがよい」
「はい?」
首を傾げるガニュメデスにゼウスは言った。
「お前に試練を与える!」とーーー
第46話に続く・・・
「はい、実はーーーー」
ガニュメデスは、顛末をゼウスに話したのだった。
ヒュアキントスとアドニスが犯した罪のことも、彼らが処分を保留されていることも包み隠さず全て打ち明けたのだ。
そして、自分達に残された時間が少ないということもーーーー
全てを話し終えた時、ゼウスは何も言わずただ黙って話を聞いていただけだったのだが、やがて口を開いたかと思うとこう言ったのだった。
「なるほどなあ・・・事情はよくわかったぞい」
「僕はエロス様に命令され、彼らを監視していました。表向きは同じメンバーとして、ですが本当は運営側としてずっと彼らを見ていたんです。そして…彼らと活動を共にしていく内に、彼らは未熟ですが、神の資格は持っていると思うようになりました。彼らならきっとやり遂げてくれると信じていますし、そのために力を貸すことは惜しまないつもりです」
「・・・・・・・・・」
「だからお願いします!どうか彼らを助けてください!!」
ガニュメデスは勢いよく頭を下げた。そして懇願するように叫んだのだった。
すると、頭上から呆れたようなため息が聞こえたと思ったら、次の瞬間頭に衝撃が走った。
どうやら頭を叩かれたらしい。
(えっ?何で??)
驚いて顔を上げると、そこにはやれやれといった表情を浮かべたゼウスがいたのだった。
「馬鹿者が!何故もっと早く相談せんのじゃ!水臭いではないか!!」
「・・・え??」
突然のことに呆気に取られていると、彼は真剣な表情でこう告げたのだった。
「彼らの事情ならすでに知っておる。お前が突然音楽活動をするというから、済まないが調べさせてもらったんじゃよ」
「そうだったんですか……」
「それにあの2人のことは、1万3千年前から知っておる。あの2人はデメテルの大切な部下だったからな…。だが、2人が罪を犯したのは事実なのであろう?ならばそれ相応の罰を与えねばならん。そうしなければ示しがつかないからのぅ」
(やはりそうなるか・・・)
ガニュメデスは落胆の色を見せた。
(わかってはいたが、やっぱり駄目だったか・・・)
だが、次の言葉で彼は驚いたのだった。
「じゃがな・・・お前の話を聞いて考えが変わったわい」
「えっ!?」
「お前は変わったようじゃな。初めて会った時はあんなに暗い奴だったのにな・・・ふふ、いい顔をするようになったじゃないか」
そう言うと彼はニカッと笑った。それを見たガニュメデスは思わずドキッとしたが、すぐに冷静さを取り戻し平静を装って答えたのだった。
「……エロス様にも言われました。彼らが僕の中から愛を引き出したと・・・」
「そうか。お前は聡明で優秀だが、孤独なのは否めなかったからな・・・。お前は性愛を感じない者だが、『愛』を感じないわけではないだろう?」
「……わかりません。今まで考えたこともなかったので」
ガニュメデスは正直に自分の気持ちを伝えた。
愛なんてわからないと。自分には無縁だと思っていたのだから・・・。
それを聞いたゼウスはしばらく考え込む素振りを見せた後、おもむろに話し始めたのだった。
「ふむ・・・。ではこれから私が言うことをよく聞くがよい」
「はい?」
首を傾げるガニュメデスにゼウスは言った。
「お前に試練を与える!」とーーー
第46話に続く・・・
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