天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第二十章 ユニット組分け編

第60話‐3 知恵の神エンキ

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「なるほどね……。つまり、ヘルメス君の思惑通りに事が進んでしまったわけだ」

その言葉に頷くロキ。


「うん、そうなんだよー!ヘルメス君に負けたくないんだよ~!それに負けたら言うことを聞かないといけない条件だし。だから知恵を貸してほしいんだ!」


懇願するように言うロキに、少し考え込むように顎に手を当てた後、エンキは口を開いた。

「うーん、そうだね……。だが、実際に勝負するのは美少年達なんだろ?そして仲間同士でライバルになる。彼らの競争心をうまく利用して焚き付けることで、良い刺激になるかもしれないぞ?」


エンキは説明を始めた。

「例えば、勝った者にはご褒美を与えるとかどうだろうか?そして…」


エンキは企むような笑みを見せた。
ロキは嫌な予感がした。



(これは何か企んでいる時の顔だ……!!)


だがエンキはすぐに表情を変え、真面目に案を出し始めた。

「勝敗結果はCDの初週の売上だけだと盛り上がりに欠けるな。何かイベントを挟んで盛り上げた方が面白いかもしれない」

それを聞いたロキは食いつくように言った。


「なるほど……!さすがエンキ!それで具体的にはどうするの??」

興味津々といった様子で尋ねるロキに、エンキは楽しそうに答える。


「そうだなあ……。例えば、ライブバトルなんてどうだ?歌やダンスなどのパフォーマンスで競い合うのだ。勝敗結果は投票制を採用するといいかもな」
「おお、いいね!僕の側は一番人気のエースがいるから有利かも!」

嬉しそうに言うロキに、エンキも笑顔で頷いた。


他にも大衆心理を狙ったものなど、いくつかアドバイスを提案してくれたのだった。

「わかった、参考にしてみるよ!ありがとう、エンキ!」
お礼を言うと、早速行動に移すことにしたのだった。


その場に残されたエンキは、妖しげな笑みを見せていた。



(地球由来のアイドル文化か…。そして、地球にいたことがある植物神2人。これは興味深い)


この時彼が思いついたある企みが、とんでもない騒動を巻き起こすことになるとは、この時ロキは知る由もなかったのだったーーー


第61話に続く・・・
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