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第二十五章 再スポンサー編
第80話‐3 ヘパイストスの思い
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それは予想がつかない驚きの対決だった。
第一段は歌やダンスでの対決というオーソドックスなものだったが、第二弾は美少年達の創造力や企画力が問われ、より高度な技術や発想力が求められる内容となった。
各ユニット毎に自身の個性やアイデアを活かし、楽曲や衣装、ステージ演出などを自ら制作・プロデュースするという内容だった。
観客に魅力的な世界観や感動を届けるために、クリエイティブな力を競い合う「クリエイティブ対決」となったのだ!
これにはファンも度肝を抜かれ、大いに盛り上がった。
「まさか『クリエイティブ対決』だなんて!」
「全然予想できなかった」
「楽しみだなあ~!」
発表されるや否や、SNSやネット掲示板でも話題になり大盛り上がりだった。
当事者である美少年達も驚きを隠せなかったが、それぞれ闘志を燃やすことになった。
ユニット対決は三回予定だったので、ヒュアキントスとナルキッソス組はここで勝たないと負けが確定してしまうことになるからだ。
ヒュアキントスとナルキッソス組の二人は互いに目を合わせ、決意を新たにした。
(今度こそ絶対に負けない……)
(僕が勝ってみせる……)
二人の心は一つになっていた。
負けられない戦いが今火蓋を切って落とされたのだーー
(クリエイティブ対決…これは支援者(スポンサー)や協力者によって変わってくるはずだ。素人の少年ではたかが知れているからな。より強力な支援を得た方が勝ちになるだろう)
噂を聞きつけていた西風の神ゼピュロスはそう分析していた。
***
新たな局面を迎えた美少年達であったが、ヒュアキントスとナルキッソス組は限定イベントを間近に控えていた。
ファンクラブ会員の抽選に当選した人だけが参加できるライブイベントだ。
準備やレッスンに追われており、忙しない日々を送っていた。
そんな中、ヒュアキントスはあることを考えていた。
『お前の働きぶりは工房の者達にも評判が良い。褒美をやろう。何が良いか考えておけ』
先日、ヘパイストスにそう言われていた。
相変わらず支援者になるつもりはないようだが、彼なりに労いの言葉をくれたのだと感じていた。
「ヘパイストス様。先日の件ですが。お願いがあります」
「何だ?言ってみろ」
「実は……」
ヒュアキントスは意を決して口を開いた。
「今度行われる僕達のミニライブを観に来ていただきたいです」
「はぁ?」
突然の申し出にヘパイストスは困惑した表情を見せた。
「お前、何言ってるんだ?」
「お願いします!どうしても来て欲しいんです!」
ヒュアキントスはそう言って頭を下げた。
「……。仕方ないな。そこまで言うなら行ってやるよ」
しばらく考え込んだ後、ヘパイストスは承諾してくれた。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
ヒュアキントスの表情がぱっと明るくなった。
(何を考えてるんだ?このガキ。おそらく俺を支援者にするためだろうが…。悪いが俺は男が踊って歌う姿なんか興味ない)
ヘパイストスは興味なさそうな顔をしていたが、内心はまんざらでもなかったようだ。
ヘパイストスは何も知らなかった。
ヒュアキントスの隠された思いをーーー
第81話に続く・・・
第一段は歌やダンスでの対決というオーソドックスなものだったが、第二弾は美少年達の創造力や企画力が問われ、より高度な技術や発想力が求められる内容となった。
各ユニット毎に自身の個性やアイデアを活かし、楽曲や衣装、ステージ演出などを自ら制作・プロデュースするという内容だった。
観客に魅力的な世界観や感動を届けるために、クリエイティブな力を競い合う「クリエイティブ対決」となったのだ!
これにはファンも度肝を抜かれ、大いに盛り上がった。
「まさか『クリエイティブ対決』だなんて!」
「全然予想できなかった」
「楽しみだなあ~!」
発表されるや否や、SNSやネット掲示板でも話題になり大盛り上がりだった。
当事者である美少年達も驚きを隠せなかったが、それぞれ闘志を燃やすことになった。
ユニット対決は三回予定だったので、ヒュアキントスとナルキッソス組はここで勝たないと負けが確定してしまうことになるからだ。
ヒュアキントスとナルキッソス組の二人は互いに目を合わせ、決意を新たにした。
(今度こそ絶対に負けない……)
(僕が勝ってみせる……)
二人の心は一つになっていた。
負けられない戦いが今火蓋を切って落とされたのだーー
(クリエイティブ対決…これは支援者(スポンサー)や協力者によって変わってくるはずだ。素人の少年ではたかが知れているからな。より強力な支援を得た方が勝ちになるだろう)
噂を聞きつけていた西風の神ゼピュロスはそう分析していた。
***
新たな局面を迎えた美少年達であったが、ヒュアキントスとナルキッソス組は限定イベントを間近に控えていた。
ファンクラブ会員の抽選に当選した人だけが参加できるライブイベントだ。
準備やレッスンに追われており、忙しない日々を送っていた。
そんな中、ヒュアキントスはあることを考えていた。
『お前の働きぶりは工房の者達にも評判が良い。褒美をやろう。何が良いか考えておけ』
先日、ヘパイストスにそう言われていた。
相変わらず支援者になるつもりはないようだが、彼なりに労いの言葉をくれたのだと感じていた。
「ヘパイストス様。先日の件ですが。お願いがあります」
「何だ?言ってみろ」
「実は……」
ヒュアキントスは意を決して口を開いた。
「今度行われる僕達のミニライブを観に来ていただきたいです」
「はぁ?」
突然の申し出にヘパイストスは困惑した表情を見せた。
「お前、何言ってるんだ?」
「お願いします!どうしても来て欲しいんです!」
ヒュアキントスはそう言って頭を下げた。
「……。仕方ないな。そこまで言うなら行ってやるよ」
しばらく考え込んだ後、ヘパイストスは承諾してくれた。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
ヒュアキントスの表情がぱっと明るくなった。
(何を考えてるんだ?このガキ。おそらく俺を支援者にするためだろうが…。悪いが俺は男が踊って歌う姿なんか興味ない)
ヘパイストスは興味なさそうな顔をしていたが、内心はまんざらでもなかったようだ。
ヘパイストスは何も知らなかった。
ヒュアキントスの隠された思いをーーー
第81話に続く・・・
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