天界アイドル～ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら～

第二十五章 再スポンサー編

第81話‐2 真心

なぜなら、ヒュアキントスの首元に、ヘパイストスがあげた青い石のネックレスが輝いていたからだ。


（あいつ、なんであんなもの着けてるんだ？）
予想外の出来事に思わず動揺しまう。

(あんな子供のおもちゃみたいな、偽物のペンダントなんか、なんでわざわざ…)

そう思いながら見つめていると、ふと視線に気付いたヒュアキントスと目が合った気がした。

彼は一瞬にこりと微笑み、すぐに視線を逸らしてしまった。


（気のせいか？いや、でも確かに目が合ったような……）
困惑しながらもパフォーマンスに集中することにした。



ヘパイストスはヒュアキントスから目を離すことができなかった。
ステージの上の彼は楽しそうに歌い、踊っているように見えた。

だがそれだけではない。
まるで観客の恋人かのように、ダンスにも歌にも心が込められてるように感じたのだ。

（なんだこれ？あいつの一挙手一投足が気になって仕方がない……！それになんだかドキドキしてきたぞ！？）

今まで経験したことのない感覚に戸惑いながらも、目が離せなかった。


だがーーー
それで終わりではなかったのだ。

「♪例えそれがどんなに小さな光だとしても～、照らせるような強い『サファイア』になろう」

(え……………？)

「あれ？歌詞変わってない？」
「サファイアって言ったよね？」
「何で歌詞変えたんだろう？」

聴いていたファン達の間で疑問の声がちらほらと上がった。
歌詞の一部が変えられていたからだ。

ヘパイストスは時間が止まったかのような錯覚を覚えた。


（俺が贈った石……。まさか……）

その時、再びヒュアキントスと目が合った。
すると彼は妖艶な笑みを浮かべ、ウインクをした。

その時、ヘパイストスとヒュアキントスの心は繋がったーーー