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第二十五章 再スポンサー編
第81話‐3 真心
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(ヘパイストス様…。あなたにもらったこのペンダント、サファイアを模したこの青い石。僕は好きなんです。だって、地球を思い出すから……)
アポロンから話を聞き、サファイアはヘパイストスにとって大事な石なのだと知った。
そして彼は自分の作品を誰よりも愛していて、自分の手を離れた後も幸せであるようにと願い、サファイアを装飾のどこかに取り入れていることも知った。
そのことを知った時、ヒュアキントスは思ったのだ。
それはまるで、自分が地球人の幸せを願っているのと似てるのだと。
だから、この石を気に入った。
ヘパイストスの気持ちが理解できると思えたのだーー。
そして尊敬している気持ちを、伝えたかった。
ヒュアキントスが歌に乗せて届けた思いは、ヘパイストスの頑なで捻くれてしまった心を溶かしていった。
会話がなくても、わかってしまったのだ。
同時に、胸が熱くなるのを感じた。
涙が溢れそうになるのを必死でこらえる。
なぜこんなにも感動しているのか自分でもわからない。
ただ、嬉しかった。
ヒュアキントスの純粋な思いが心に届いたことが嬉しくてたまらなかったのだ。
(こいつは、俺に伝えようとしてくれたんだな。俺と向き合ってくれたのか……)
歌が終わると、会場は拍手に包まれた。
ファン達も感動して涙を流している者も中にはいた。
ヒュアキントスがヘパイストスに伝えようとした思いは、他の観客にも伝わったようだった。
***
「おい」
ミニライブ終了後、楽屋にいたヒュアキントスの元にヘパイストスが訪れていた。
「ヘパイストス様…!今日は観に来てくださってありがとうございます!」
「ああ……」
「あの……何かご用ですか?」
「……。そのペンダントだが、預けてもらえるか?」
「えっ!?」
突然の申し出に驚くヒュアキントス。
「お前は気に入ってると言ったが、俺にとっては試作品に過ぎない。そのままつけられては俺のプライドが許せん。作り直させろ」
「そんな……!せっかく頂いたのに、申し訳ないです……!」
「いいから、よこせ」
「わ、わかりました」
迫力に負けて、ヒュアキントスは慌ててペンダントを外し、ヘパイストスに渡した。
「ところでお前、また対決をするそうだな?」
「はい。ご存知だったんですね」
「ふん。仕方ない。俺が援軍になってやろう」
「・・・・え!?」
ヘパイストスが協力してくれることに驚き、目を丸くするヒュアキントス。
だが、すぐに嬉しそうに微笑んだ。
「嬉しいです……!よろしくお願いしますね、ヘパイストス様!!」
こうして、ヒュアキントスとナルキッソス組はヘパイストスを味方につけ、再び対決に挑むことになったのだった。
そしてーーー
彼が味方になったということは、エロスとオリンポス12神の内、11人以上が美少年達を認めさせれば処罰を回避できるという勝負。
反対派から1人、賛成派に転じさせることも成功していたのだったーーー
一方、アドニスとガニュメデス組の方はというと。
(………!?)
アドニスの元にある男神が訪れていた。
その男神は、オリンポス12神の1人である軍神アレスだった。
第82話に続く・・・
★現時点の賛成派・反対派・中立派
賛成派:ゼウス アポロン アルテミス ヘルメス デメテル アフロディーテ アテナ ヘスティア ヘパイストス
中立派:ヘラ
反対派:ポセイドン アレス
不明:エロス
アポロンから話を聞き、サファイアはヘパイストスにとって大事な石なのだと知った。
そして彼は自分の作品を誰よりも愛していて、自分の手を離れた後も幸せであるようにと願い、サファイアを装飾のどこかに取り入れていることも知った。
そのことを知った時、ヒュアキントスは思ったのだ。
それはまるで、自分が地球人の幸せを願っているのと似てるのだと。
だから、この石を気に入った。
ヘパイストスの気持ちが理解できると思えたのだーー。
そして尊敬している気持ちを、伝えたかった。
ヒュアキントスが歌に乗せて届けた思いは、ヘパイストスの頑なで捻くれてしまった心を溶かしていった。
会話がなくても、わかってしまったのだ。
同時に、胸が熱くなるのを感じた。
涙が溢れそうになるのを必死でこらえる。
なぜこんなにも感動しているのか自分でもわからない。
ただ、嬉しかった。
ヒュアキントスの純粋な思いが心に届いたことが嬉しくてたまらなかったのだ。
(こいつは、俺に伝えようとしてくれたんだな。俺と向き合ってくれたのか……)
歌が終わると、会場は拍手に包まれた。
ファン達も感動して涙を流している者も中にはいた。
ヒュアキントスがヘパイストスに伝えようとした思いは、他の観客にも伝わったようだった。
***
「おい」
ミニライブ終了後、楽屋にいたヒュアキントスの元にヘパイストスが訪れていた。
「ヘパイストス様…!今日は観に来てくださってありがとうございます!」
「ああ……」
「あの……何かご用ですか?」
「……。そのペンダントだが、預けてもらえるか?」
「えっ!?」
突然の申し出に驚くヒュアキントス。
「お前は気に入ってると言ったが、俺にとっては試作品に過ぎない。そのままつけられては俺のプライドが許せん。作り直させろ」
「そんな……!せっかく頂いたのに、申し訳ないです……!」
「いいから、よこせ」
「わ、わかりました」
迫力に負けて、ヒュアキントスは慌ててペンダントを外し、ヘパイストスに渡した。
「ところでお前、また対決をするそうだな?」
「はい。ご存知だったんですね」
「ふん。仕方ない。俺が援軍になってやろう」
「・・・・え!?」
ヘパイストスが協力してくれることに驚き、目を丸くするヒュアキントス。
だが、すぐに嬉しそうに微笑んだ。
「嬉しいです……!よろしくお願いしますね、ヘパイストス様!!」
こうして、ヒュアキントスとナルキッソス組はヘパイストスを味方につけ、再び対決に挑むことになったのだった。
そしてーーー
彼が味方になったということは、エロスとオリンポス12神の内、11人以上が美少年達を認めさせれば処罰を回避できるという勝負。
反対派から1人、賛成派に転じさせることも成功していたのだったーーー
一方、アドニスとガニュメデス組の方はというと。
(………!?)
アドニスの元にある男神が訪れていた。
その男神は、オリンポス12神の1人である軍神アレスだった。
第82話に続く・・・
★現時点の賛成派・反対派・中立派
賛成派:ゼウス アポロン アルテミス ヘルメス デメテル アフロディーテ アテナ ヘスティア ヘパイストス
中立派:ヘラ
反対派:ポセイドン アレス
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