天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

B-pro@神話創作してます

文字の大きさ
252 / 295
第二十八章 ユニット対決最終結果編

第90話‐1 明かされる秘密

しおりを挟む
第90話

『俺とヒュアは、オリンポス12神とエロス様から審判されているそうですね』

彼らにショックを与えないため、内密にしていたはずのことをアドニスは質問した。


アポロンとガニュメデスは動揺を隠しきれない様子だった。

しかしここで冷静さを失うわけにはいかないと思い直し、すぐに落ち着きを取り戻したのだった。

「……どこでそれを知ったんだい?」
「アレス様から聞きました」

(アレスか。勝手なことを……)


「え…?どういうこと……?」

ヒュアキントスとナルキッソスは何のことかわからず困惑していた。


「アポロン様。俺達なら大丈夫です。ヒュアとナルにも知らせるべきだと思います」
「……そうだね。わかった、そうしよう」
そう言うと、アポロンは二人に向き直った。

「君達には過酷な話になると思うが、聞いてくれるかい?実はね。ヒュアキントスとアドニスはかつて罪を犯し、その罪は今も消えてはいない。更生を認め無罪放免にするか、それとも……処刑を与えるか審判中だったんだ」
「え………?」

ヒュアキントスとナルキッソスはそれを聞き、顔が青ざめていくのを感じた。


「その審判はエロスが行っていたが、事情があって、我々オリンポス12神も加わることとなった。もちろん私は賛成派だ。だが、審判をクリアするには13人中11人が更生を認める賛成派になることが条件だ。そして現状は9人が賛成派となっている……」
そこまで言うと、一旦言葉を切った。

「は……何なんだ?お前たちが罪を犯した?処刑されるかもしれない?何だよそれ……」

これまで何も知らなかったナルキッソスは混乱しているようだった。



「ナル。お前は何も知らないんだよな。俺から説明する」

アドニスは自分達の秘密を、ナルキッソスに明かした。

アトランティス大陸水没に関わっていたこと、アトランティス人を助けようとして禁忌を犯そうとし、罪を負ったこと。
そして罪により、今は神格を失っていること。

「そんな……」
話を聞いたナルキッソスは信じられないといった表情を見せた。

「お前たちは、処罰されるかもしれないのか?」

大事な仲間であるアドニス、そしてヒュアキントスが罪人として裁かれる可能性があるという事実を知り、不安を覚えたのだろう。

「……処罰される可能性があることは、僕も今知ったよ」
ヒュアキントスもショックを受けているようだった。
無理もないだろう。彼は当事者なのだから。

「済まない。辛いことを知らせてしまって。だが、私は君達にそんな運命を辿らせる気はない。何としてもあと2人を賛成派に転じさせる。そのために力を合わせよう」

アポロンは力強く言った。
その目に迷いは感じられない。本気で彼らを守ろうという決意を感じた。

「はい……!」
ヒュアキントスとナルキッソスもそれに応えるように頷いた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...