天界アイドル～ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら～

第三十二章 最終章④ 新たな出発編

第102話‐2 ライトワーカー

美少年達「B－PROJECT」はシリウス中に広がる人気アイドルグループとなった。
そして彼らの活躍はシリウス以外の星にも噂が徐々に広まっていき、地球由来の「アイドル文化」が宇宙中に広まることになった。

今後はロキやヘルメスによって彼ら以外のアイドルも誕生していき、新たな時代を迎えることになるだろう。

そして、地球文化に関心が高まることで、地球自体の注目度が上がり興味を持つ者も増えていったのだ。

そう、これこそがエロスとエンキの真の狙いでもあったのだったーーー


【地球をサポートするライトワーカー希望者を急募】

天界にある星々に、一斉にこんな募集が始まった。
内容はこうだ。

『地球の次元上昇を成功させるために、地球のサポートをしてくださる勇士を緊急募集します。報酬は神格の上昇とする』


ライトワーカーの概要とはこうだった。

地球は今重要な過渡期にあり、地球が次元上昇して銀河連合の仲間入りをするかは地球人がどれだけ意識上昇しているかにかかっている。

銀河法典において、勝手に干渉することは禁じられている。

地球側から求めてくれればいいのだが、闇の宇宙種族の妨害もあり、多くの地球人達は宇宙人の存在に否定的であり、未だに理解していない者も多いため、こちらから積極的にアプローチするしかない状況である。

メッセージを送っても受信できる意識レベルの者はまだまだ少なく、闇の宇宙種族に惑わされてしまうことも多かった。

なので頓着状態なのだが、一つ方法があった。

外部から干渉はできないが、ボランティアの低位の神達が地球人に一時的に輪廻転生し、地球人として人間達の意識覚醒をサポートするという方法だった。


この方法であれば地球人自ら行うことになり、外部の干渉にはならない。
そしてこの、地球人に一時的に転生してサポートするボランティアの低位の神は「ライトワーカー(光の働き手)」と呼ばれることとなった。

だが、この使命は大きなリスクが伴う。


地球とは他の星に比べ野蛮で意識が低い人間も多く、また重い星なのでライトワーカーは生きづらさを感じやすい。
そして地球人に転生すると、神としての記憶を全て失い生きていかなくてはならない。

現実的な苦労と苦難が予想され、生半可な覚悟では務まらない。
だが試練が大きい分、神として大きくレベルアップでき神格を上げることができるので、勇士である希望者も集まり始めていた。

そして何より、地球をサポートしたいという勇敢な魂を持つ者が、この使命に共感し出していたのだった。


最も大きなリスクも承知の上でーーー