天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第三十二章 最終章④ 新たな出発編

エピローグ②

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「ヒュアキントス…アドニス…貴方たちがボランティアに志願するなんて。寂しくなるけど、頑張ってらっしゃい」

アルテミスは2人の手を握って激励の言葉を送った。

「はい……!ありがとうございます……!」
2人は嬉しそうに返事をする。

これから地球での任務を遂行するため、ヒュアキントスとアドニスは宇宙船に乗り込むところだ。

地球人に転生するためには訓練を行う必要があり、ガニュメデス所有の星となった木星の衛星「ガニメデ」にある基地に向かうためだ。

そこで訓練を終えた後、ライトワーカーに志願した低位の神達はウォークイン方式で地球人に転生する。
その間、彼らの元の肉体は、ヒュアキントスとアドニスが1万3千年眠っていた時のように保管されることになる。

オリンポス12神の神々が、2人を見送りに来てくれていた。

「アドニス、ヒュアキントス…。ごめんなさいね、貴方達が目覚めたことを知っていたのに知らんふりをしてしまって…。だけど、貴方達を愛していることは今も変わらないわ。貴方達の選んだ道を、私達は祝福します。だから、どうか無事に帰ってきてね」
デメテルは2人を抱きしめながら、涙ぐみながら囁いた。

「デメテル様……!はい、今度こそ使命を果たしてきます」

親代わりのデメテルに激励され、涙ぐみそうになる2人だった。

「……ふん。私はお前達を認めるつもりはなかったが、神として覚悟を持っているようだな。けじめをつける姿勢は認めてやる」

最後まで反対派だったポセイドンだったが、さすがに2人の覚悟を認めざるを得なくなってきたようだ。



「……俺も同じだ。今度はヘマをするなよ」

同じく反対派でありアンチ感情を持っていたアレスも憎まれ口を叩きながらも、2人を認めたようだった。

「元気でやれよ」
口数少なく激励を送ったのはヘパイストスだった。

ヒュアキントスの首元には、彼が贈ったサファイアのネックレスが光っていた。

「頑張ってきなさい。ガニュメデスと待っているから」
ゼウスとヘラ夫婦も2人揃って彼らを激励した。

「………アドニス。愛してるわ。早く戻ってこないと承知しないわよ」



アフロディーテは涙ぐみながら、アドニスに愛を囁く。
泣いている彼女を、アテナとヘスティアが慰めるように支えていた。


「いやー、驚いたよ。人気絶頂の中、ボランティアに志願するなんて。君達が戻ってくるまでの間、君達の後継が育つよう私も頑張ってみるよ。君達ほどの天界アイドルはもう出てこない気はするけどね」

ヘルメスも2人を応援してくれた。
そしてアポロンを前に押し出し、アポロンはヒュアキントスの前に出る。
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