安心して下さい。私の幸せは貴方じゃありません!

minmi

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 「お父様、こちらですわ」

 「ソフィーがそんなにはしゃぐのは珍しいね。一体何が待っているのかな?」

 ふふふ、見てからのお楽しみ♫
 あの話し合いから数日、以前の約束通り今日はお父様とデートに来ていた。
 街でいくつかドレスを買ってもらい、更には髪飾りや靴までついでとばかりにたくさん買ってくれた。
 始終笑顔の2人に、付き添いのメアリーは勿論涙を流し喜んでいる。
 そしてボソリと「私に絵の才能さえあればっ!」と漏らしたのが聴こえ、ふと思い付いたのだ。
 心当たりがある人物がいると。
 そうと決まれば是非お父様に会って欲しいと現在私が通っている学園まで連れてきた。
 あ、勿論学園の許可はとってますわ。

 「懐かしいな」

 この学園の卒業生であるお父様が昔と変わらないなと懐かしそうな表情で周りを見て回っている。

 「学生時代のお父様もきっと素敵だったのでしょうね。お会いしたかったですわ」

 今もこれほど素敵なのだ、学生時代はさぞモテたことだろうと言えば、なぜか苦笑いを返された。
 あら?意外にやんちゃだったのかしら?
 それもそれで素敵だけど。

 「あっ、ここですわ。今日はいるかしら?」

 いつもならここにいたはずだと学園の端の端にある小さな温室に向かえば、予想した通り目当ての人物の後ろ姿を見つけた。
 カリカリと無心でキャンパスに向け手を動かし続ける彼に微笑むと、静かにとお父様に告げ静かに近付いていく。

 「…………………ふぅ」

 「お疲れ様です」

 「え?」

 数分後、肩を揉みながら筆を置いたのを確認するとそっと声をかけた。

 「ソ、ソフィア嬢っ!来ておられたのですか」

 ワタワタと立ち上がると、あまりの慌てように椅子に足をぶつけ、周りに置いていた画材をバキバキと踏んでしまっていた。
 これは驚かせ過ぎたかと謝り、片付けるのを手伝う。

 「今日はお父様もお連れしましたの。以前約束した絵、描いていただけますでしょうか?」

 「え?」

 キョトンという言葉が似合いそうな彼に、ちょんちょんと隣りを指させば………

 「っ!?」

 限界まで開かれた瞳に、予想通りの反応だと彼には申し訳ないが楽しくて仕方がなかった。

 「約束?どういうことだいソフィ?いや、そもそもこのお方はーー」

 驚くお父様の側を離れると、これまた驚き目を見開いている美少年の隣りに並ぶ。

 「ええ。この国の第三王子殿下シリウス様ですわ。実は殿下とはお友達なのです」

 ね?と小首を傾げ頬笑めば、まるで少女のように頬を染め小さく頷く姿に可愛いなぁと笑みが深くなった。
 トーマスもこれぐらい可愛げがあれば……いや、無理だわ。
 あのバカに可愛げがあったとしてもイラつく気しかしない。
 


 
 

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