進め!健太郎

クライングフリーマン

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48.冗談オジサン

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 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
 愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署刑事。
 南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。
 片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。

 鈴木栄太・・・小学校校長。
 藤堂所縁・・・小学校教師。自称ミラクル9の顧問。

 ==============================
 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==

 午後3時半。喫茶店アテロゴ。
「生きてるじゃない!」と、健太郎は物部を見て、振り返って悦司に言った。
「だって、冗談オジサンが死んだって・・・。」
「おれが、冗談オジサン?酷いネーミングだなあ・・・。健太郎、外は雨なのか?」
「ううん、雪。マスター、今夜は積もるらしいよ。」
「どこで聞いたの、その話?悦司君。」と辰巳が尋ねた。
 モールの本屋さん。ゲーセンの隣の。」
「それなら、これのことじゃない?」と女性客の一人が、読んでいた本の表紙を見せた。
「『冗談オジサンが死んだ』?まんまじゃない。本のタイトルだよ、悦司君。」
「そっかあ。」と、悦司は頭を掻いた。
「おねえさん、それ、面白いの?」「うーん、SFだけどねえ。読んでみる?『おねえさん』は、もう読んだから。
 継男は、顔を真っ赤にしながら、本を受け取った。
「読み終わったら、僕にも読ませてよ、継男。」
「いいよ。でも、おねえさん。いくら?」
「ただ。そうねえ。乱雑に扱わないって約束出来る?」「出来る。」「じゃ、君のものだ。」
「後で、感想文、書いて貰おうか。」
 藤堂が入って来て、言った。
「担任の先生?」「顧問の先生です。」
 おさむが、ミラクル9の由来を説明した。
「へえ、変わってる。部活で無い部活かあ。おねえさん、帰宅部だったんだ。つまり、家で部活禁止されてたから。私の兄貴がねえ、野球部入ってたんだけど、問題起こして廃部。で、私は運動部でなくても部活は禁止。」
「可哀想だね。」と、健太郎はつい、言った。
「たまにいるよね。自分が何かしでかしたら皆に迷惑かかるって思わない子が。自分だけの問題じゃないのに。」
「さすが、顧問の先生ね。私、こういう者です。」と、おの女性は名刺を出した。
 名刺には、『巷談社』と書いてあった。慌てて藤堂も名刺を出した。
「この本、ウチの本。宣伝しちゃった、マスター。」
「読者掴んだね、荒木さん。」と、マスターは笑った。
「死んだ、は引っかかるけど、面白い本なら、当校にも置かせて貰いますよ。」と、言いながら鈴木校長はコートを脱ぎながら言った。
 荒木は、すかさず名刺を鈴木校長に渡した。
 店が混んで来たので、鈴木と藤堂、ミラクル9は精算後、店を出た。
 たまにはいいだろう、ということで、校長の奢りで、シネコンの短編映画を皆で観た。
 ミラクル9の女子は、しきりに泣いていた。
 男子は、後が恐いので黙っていた。
 午後8時。愛宕家。
 悦司がしきりに本を読んでいるのを見て、みちるは愛宕に言った。
「宿題?」「いや、違う。」
 愛宕は、物部から聞いた話をした。
「へえ。情操教育にいいって、言うものね、読書は。おねえさまも、文武両道だから奇抜な作戦で迎えうつのよね。」
「以前、被選挙権のこと知らなくて、立候補出来ないからって、人を殺めようとした奴がいたよね。そんな奴が、一体どんな政治が出来るんだって思った。と同時に、学校で授業中寝ていたのかって、思った。」
「学校教育が全てではないわ。ミラクル9は全員、一人っ子。兄弟がいない分、お互いが刺激しあって成長している。『少子化少子化』って騒ぐ政治家がいたけど、結局、『他人事』だから、何も見ていなかった。現場百回!!」
「それは警察だよ。確かに、切磋琢磨することは、いいことだ。」
「悦司。一気に読まなくていいからね。」みちるは、『しおり』を渡した。
「うん。」悦司は、読みかけのページに『しおり』を挟んで、本を勉強部屋に持っていった。
「何て作者?」「クライスラーマン。」「変な名前。」
 ―完―


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