進め!健太郎

クライングフリーマン

文字の大きさ
49 / 75

49.大人の喧嘩子供の喧嘩

しおりを挟む
 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。

 南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。
 片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。

 鈴木栄太・・・小学校校長。
 藤堂所縁・・・小学校教師。自称ミラクル9の顧問。
 久保田あつこ・・・健太郎の母。警視庁警視正。
 高峰圭二・・・元刑事。今は、警備会社に勤めている。

 ==============================
 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==

 午後3時半。スーパー。
 ミラクル9が、買物にやって来ると、店長が近づいて来た。
「助けてくれ、ミラクル9。」
「どうしたんですか?店長。」代表して健太郎が尋ねた。
「喧嘩しているんだよな。今日は祝日だから、いつもと違って暇な時間帯じゃない。」
「どこの売り場?」
「雑貨コーナー。3番通路。」
 ミラクル9は、走って行った。
 喧嘩している片方は継男だった。
「どうしたんだ、継男。」と、悦司が尋ねた。
「マスクは、人からうつされない為にある、って聞かないんだ。ウチのお母さんは、事務員だけど、病院に勤めているから、聞いている。うつされない為じゃなくて、うつさない為だって、言ってるんだけど。」
「へえ。博物館行きの考え方だね。昔、コロニーの頃、『マスク警察』って流行ったらしいけど、そんな考え方する人がまだ、いるんだ。」おさむが感心して言った。
 見れば、その少年は大きなマスクを口に着けている。
「そう信じるのは勝手だけど、他人に押しつけるのは、行きすぎだろう?さっき、おばあさんに言って、マスク買うべきだって、言ったんだ。おばあさん、泣いて、どっかに行ったよ。」と、継男は説明した。
「年齢に限らず、女性の敵ね。泣かせるなんて。」と、悦子は腕を組んで言った。
「誰だって、風邪は引く。いや、引く可能性はある。引き初めは、自覚症状がないことが多い。病院や医療関係者がマスクを推奨するのは、自覚症状がないまま、実は風邪を引いて、くしゃみや咳をした時に『飛沫感染』をする可能性があるからなんだ。コロニー以降は、従来通り、インフルエンザ流行時なんだけどね。確かに、今年もインフルエンザが流行っているから、『今は』必要なのかも知れない。父さんの話だと、コロニーの時は年中マスクを外せない、異常な事態が長く続いたらしい。ヴァクチンや治療薬が出来てから、状況が変わった筈なのに、薬品メーカーに忖度したマスコミが煽り続けたって話だ。『複数のビールスに同時感染』するとか、流言蜚語も飛び交った。蜚語の『蜚』って『悲しい虫』って書くんだ。詰まりは、『デマ』。」
 おさむが得意気に話すと、「何だよ、お前。お前の親は医者か?」と尋ねた。
「医者じゃない。」
 おさむの言葉に「あんたが、おばあさんにマスク買えって言ったのは犯罪よ。」と満百合が割って入った。
「何だよ、お前の親は警察か?」と、少年は凄んだ。
「僕の親は警察だ。強要罪だな。」と、悦司が言い、健太郎も「俺の親も警察だ。」と言った。
「何だよ、お前は、お前らは警察じゃないだろうが。」
「親が警察だったら納得するみたいなこと言って、親が警察だって言ったら、お前は警察じゃないから信用出来ない、って、おかしな理屈だね。」と、やって来た藤堂が言った。
 やって来た、少年の父親らしき男が言った。マスクをしている。
「お前は誰だ?」「教育者ですけど、何か?」「塾の講師なんか用はない。」
「小学校の教師ですけど、何か?」「ヒラの教師なんか用はない。」
「呼んだ?」と、鈴木校長が言った。
「呼んでないよ、ジジイ。」
「あんたも、その内にジジイになるよ。40歳超えたら、早いよー。あ、校長ですが、私の生徒達や、『ヒラ』の教師が何かご迷惑でも?」
 開き直った父親は、「だから、みんなマスクする義務があるんだ。」と、力んだ。
「ちょっと違いますね。医療機関の中の場合と違い、インフルエンザ流行時の、市井の場所では、『努力義務』です。『出来ればお願いね』、です。政府から『非常事態宣言』は発出しましたか?」
「発出?発令だろう?」「いえ、発出です。出発と同じ意味です。あの時も、政府は他国のような『命令』はしなかった。『お願い』です。今は、その『非常事態宣言』すらない。マスクをしていない人を犯罪者扱いする『決めつけ刑事』は良く無いですね。」
「呼ばれました?」と、警備員の制服の高峰が顔を出した。
「元『決めつけ刑事』の、高峰です。何の騒ぎです?」
 おさむが、要領よく経緯を説明した。
「成程ね。マスクを購入する予定でしたら、レジで精算して下さいね。それから、あなたのお子さんが犯した『強要罪』は、犯罪として立件しにくい行為ですが、『迷惑行為』ですから、以後は止めて下さいね。しつこいようだと・・・。」
「ストーカー禁止法を適用、ね。」と、言って健太郎の母、あつこが登場した。
 親子は、周囲に集まった人々を威嚇しながら、レジに並んだ。マスクを買物カゴに入れて。
「かあちゃん、今日、非番だったね。」と健太郎が言うと、「うん。今日は執事もお休みだから、代わりに、かあちゃんがパンケーキ、作ってあげる。皆もおいで。藤堂先生も校長先生も、どうぞ。」
 午後5時。久保田家。
 遅い「おやつ」に皆、歓喜した。
 両先生は、その後、『トレーニング場』を見学した。
 ―完―






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

トウシューズにはキャラメルひとつぶ

白妙スイ@1/9新刊発売
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。 小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。 あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。 隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。 莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。 バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。

黒地蔵

紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。 ※表紙イラスト=ミカスケ様

クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。 相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。 さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!? 「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」 星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。 「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」 「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」 ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や 帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……? 「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」 「お前のこと、誰にも渡したくない」 クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。

ゼロになるレイナ

崎田毅駿
児童書・童話
お向かいの空き家に母娘二人が越してきた。僕・ジョエルはその女の子に一目惚れした。彼女の名はレイナといって、同じ小学校に転校してきて、同じクラスになった。近所のよしみもあって男子と女子の割には親しい友達になれた。けれども約一年後、レイナは消えてしまう。僕はそのとき、彼女の家にいたというのに。

【完結】キスの練習相手は幼馴染で好きな人【連載版】

猫都299
児童書・童話
沼田海里(17)は幼馴染でクラスメイトの一井柚佳に恋心を抱いていた。しかしある時、彼女は同じクラスの桜場篤の事が好きなのだと知る。桜場篤は学年一モテる文武両道で性格もいいイケメンだ。告白する予定だと言う柚佳に焦り、失言を重ねる海里。納得できないながらも彼女を応援しようと決めた。しかし自信のなさそうな柚佳に色々と間違ったアドバイスをしてしまう。己の経験のなさも棚に上げて。 「キス、練習すりゃいいだろ? 篤をイチコロにするやつ」 秘密や嘘で隠されたそれぞれの思惑。ずっと好きだった幼馴染に翻弄されながらも、その本心に近付いていく。 ※現在完結しています。ほかの小説が落ち着いた時等に何か書き足す事もあるかもしれません。(2024.12.2追記) ※「キスの練習相手は〜」「幼馴染に裏切られたので〜」「ダブルラヴァーズ〜」「やり直しの人生では〜」等は同じ地方都市が舞台です。(2024.12.2追記) ※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、ノベルアップ+、Nolaノベル、ツギクルに投稿しています。 ※【応募版】を2025年11月4日からNolaノベルに投稿しています。現在修正中です。元の小説は各話の文字数がバラバラだったので、【応募版】は各話3500~4500文字程になるよう調節しました。67話(番外編を含む)→23話(番外編を含まない)になりました。

エリちゃんの翼

恋下うらら
児童書・童話
高校生女子、杉田エリ。周りの女子はたくさん背中に翼がはえた人がいるのに!! なぜ?私だけ翼がない❢ どうして…❢

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

処理中です...