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27.新住人2
しおりを挟む==== この物語はあくまでもフィクションです =========
私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。
夕方。「ただいまー。オッチャン、大変、大変。」
彼女は、まるで『銭形平次』に出てくる『ハチ』のようにご注進した。
大姪と玄関に戻ると、向かいの家の外装工事をしていた業者が挨拶に来ていた。
名刺と、配りものを貰うと、彼は帰って行った。
大姪は、早速包み紙を破った。
「台所用洗剤だ。」「だろうな。昔は、洗濯用洗剤だったが、結構余るんだよ。丁度良かったな。当面、買わなくていい。」
「工事終ったの?住む人は?」
「これから内装工事だろうな。住人の挨拶は、全部終ってから。それより、綺麗になったなあ。」
「え?」「ああ。来夢も綺麗だけどね。木や草、全部無くしたみたい。」
「ホントだ。なんで?」「手入れ、大変だから。特に電線に届きそうだった木はね。庭が寂しいと思ったら、鉢植えや盆栽にすればいい。植えた時は背が低くても、木は育つ。雑草もね。」
「どんな人かな?」「来てみれば分かるさ。木が無いとね、ウチの玄関側も切ったけど。セキュリティーには、却っていいんだ。死角が無くなるから、泥棒が入り難い。その代わりデメリットもある。来夢が恐る恐る掃除した、ウニウニ。あれ、風呂の窓に大きな木があれば、ああはならなかった。オッチャンが以前格子にペンキ塗ったんだけど、アルミサビも出てきたんだ。『白サビ』って言って、白い斑点が出来る。それようの錆落とし使ったが上手くいかなくてね。玄関の引き戸の格子もペンキ塗った。」
「オッチャン、可哀想。全部自分で解決してきたんだね。」「うん。」
大姪は、今の話をメモしていた。
「学校で発表するのかい?」「いけない?」「いけないことはない。」
「オッチャン、誘惑してもいい?」「いい・・え?」
「また、反応した?」「した。」「スケベ。AVみたいにならないよ。」
AV?・・・また、嵌められた。
まあ、いい。『隔世遺伝』しなくて良かった。
さ、夕食まで執筆しよう。
―完―
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