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影の中で眠る。
繰り返されるは2つの光景。片方の記憶。
鉱山を住処にする魔物の討伐。
無限に湧いて出る魔物に、死に物狂いで聖剣を振るった。
味方はいない。鉱山で魔物と戦っているのは自分だけ。
聖女も同行者もいない。自分を崖から蹴り落としてどこかに行った。
死にたくない。殺されたくない。そんな馬鹿な願いに必死に縋るように剣を振るった。
死にたくない。殺されたくない。それは魔物も一緒だ。
自分だけの願いではない。
むしろ、魔物にとっては自分こそ命を奪いにきた侵入者だ。
日に日に、魔物の攻撃が激しくなる。
あまり覚えていないが、あの時は背中に酷く深い傷を負った。
痛みで悲鳴を上げた。
その瞬間、魔物達の様子が一変する。
魔物達は歓喜の声を上げる。この享楽を楽しむかのように動きがさらに激しくなる。
体が重石のように重たくなっていく。寒さしか感じずに体が震えてくる。
視界がぼやけていく。頭に強烈な衝撃を受けて体が飛ばされた。
必死に体を起こそうとする中で、1体の魔物が近寄ってくる。
怖くて、力を振り絞って聖剣で心臓を刺した。
その魔物は、聖剣を抜かず、自分に攻撃せず、優しく包容した。
「・・・・・・キョウモ、ゲンキ、デスカ・・・・・・?」
呟かれたぎこちない言葉。
ここにいるはずのない人が、こうなる前の自分に毎日贈ってくれる言葉だった。
必死に目を凝らして周りを見れば、あんなにいた魔物は全て息絶えていた。
自分を包容する魔物の手は、真っ赤な血で染まっていた。
励ますように、祈るように、無理矢理作った優しい微笑みを固めたまま、事切れていた。
自分が帰りたい場所を、自分の手で終わらせたのだと予感した。
聖剣を振るい続け、どんな理不尽にも耐えてきた理由を、自分で壊した瞬間だった。
起きれば、ほとんど憶えていない過去。
それでも、これが自分の犯した始まりの罪であり、復讐の動機の1つでもあった。
影の中で眠る。
繰り返されるは2つの光景。片方の記憶。
鉱山を住処にする魔物の討伐。
無限に湧いて出る魔物に、死に物狂いで聖剣を振るった。
味方はいない。鉱山で魔物と戦っているのは自分だけ。
聖女も同行者もいない。自分を崖から蹴り落としてどこかに行った。
死にたくない。殺されたくない。そんな馬鹿な願いに必死に縋るように剣を振るった。
死にたくない。殺されたくない。それは魔物も一緒だ。
自分だけの願いではない。
むしろ、魔物にとっては自分こそ命を奪いにきた侵入者だ。
日に日に、魔物の攻撃が激しくなる。
あまり覚えていないが、あの時は背中に酷く深い傷を負った。
痛みで悲鳴を上げた。
その瞬間、魔物達の様子が一変する。
魔物達は歓喜の声を上げる。この享楽を楽しむかのように動きがさらに激しくなる。
体が重石のように重たくなっていく。寒さしか感じずに体が震えてくる。
視界がぼやけていく。頭に強烈な衝撃を受けて体が飛ばされた。
必死に体を起こそうとする中で、1体の魔物が近寄ってくる。
怖くて、力を振り絞って聖剣で心臓を刺した。
その魔物は、聖剣を抜かず、自分に攻撃せず、優しく包容した。
「・・・・・・キョウモ、ゲンキ、デスカ・・・・・・?」
呟かれたぎこちない言葉。
ここにいるはずのない人が、こうなる前の自分に毎日贈ってくれる言葉だった。
必死に目を凝らして周りを見れば、あんなにいた魔物は全て息絶えていた。
自分を包容する魔物の手は、真っ赤な血で染まっていた。
励ますように、祈るように、無理矢理作った優しい微笑みを固めたまま、事切れていた。
自分が帰りたい場所を、自分の手で終わらせたのだと予感した。
聖剣を振るい続け、どんな理不尽にも耐えてきた理由を、自分で壊した瞬間だった。
起きれば、ほとんど憶えていない過去。
それでも、これが自分の犯した始まりの罪であり、復讐の動機の1つでもあった。
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