漆黒の令嬢は光の皇子に囚われて

月乃ひかり

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初恋編

37話 叶わぬ想いに

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 リゼルがその夜、家族用の晩餐室に入ると、数ヶ月ぶりに父と兄、母の家族が揃って晩餐のテーブルについていた。

 社交シーズンは終わったとはいえ、父と兄は相変わらず忙しそうで、毎晩、母と二人きりで簡単に夕食を済ませていた。

 今夜も、てっきり二人とも不在だろうと思っていたリゼルは、従僕があけた扉を一歩入ったところで驚いて立ち止まった。

「リゼ、元気にしてたか?」

 ランスロットがリゼルに気づいてエスコートするために近づいてくると、頭をぽんぽんと軽く撫でられた。

「…おまえ、ちょっと痩せたんじゃないか?」

 腰に手を添えながらいつものリゼルの席まで連れてくると、眉根を寄せてリゼルの顔を覗き込んだ。

 実は、このところ神殿に関する本を遅くまで読んだり、どうやって家族に神殿に仕えることを切り出そうかと考えていたから、よく眠れなかったり、あまり食が進まないでいた。

「い、今の時期はいつもちょっと食欲が減るの…だから、気にしないで」

 あわてて何事でもないかのように答えると少し不審がられたが、そそくさと席に着くと給仕たちがそれを合図に、スープを注ぎ始めた。

「ランスロット、ここ数ヶ月はほとんど家に帰れなかったわね。もう、お仕事の方はひと段落したの?」

「ああ、まあね」

 母の公爵夫人が聞くと、ランスロットは注がれたシェリー酒に手を伸ばしながら、そっけない返事を返した。

「全く、あなたもお父様と一緒で、お仕事のことは家でほとんど話さないわよねぇ」

「べつに、とりたてて面白くもない話ばかりだから」

「もう、いいわ。それより再来週、少人数の晩餐会を催そうと思って。その日は、あなたもランスロットも予定を空けておいてくださる?」

 公爵夫人が夫の宰相をちらりと見て、何かを企んでいるかのように、ふふ、と微笑んだ。

「誰を招くのだ」
 
 夫の宰相が不審がるように妻を見やる。

「ラクレア伯爵家のエリック様、マートン侯爵家のレオナルド様、最近爵位を継いだウィリアム子爵と、ラミレス辺境伯のリチャード様よ」

「…みな独身の若造ではないか」

「あら、だってリゼルのために催すのですもの。既婚者じゃ困るでしょう」

 ほほ、と公爵夫人が優雅に微笑んだ。

「え…!?」

 スープをちびちび啜っていたリゼルが、突然自分が話題に上がってびっくりして母を見た。

「ああ、リゼルにもまだ話してなかったけれど、実はもう、その4人にはお声がけをしているの。あなたももう17歳だし、公爵家の令嬢としてこれから多くの殿方とも社交のお付き合いをしなくてはね」

「その4人のどこがいいのか全く分からないな」

 ランスロットがシェリー酒を飲みながら、ふんと鼻を鳴らす。

「あらっ、リゼルとも年齢も近いし、きっと話が合うと思うの。みんな社交界の評判は良い方々よ」

「俺から見たら、流行りの服にしか興味のない軟弱な若者だな」

「もう、あなたは黙ってて。リゼルには、同世代の優しい殿方との出会いが必要なのよ」

 公爵夫人は、きっとランスロットを睨みつけた。

「…好きにしなさい。私が同席するとみな怯えるであろう。ホストが必要であればランスロットに頼むがいい」宰相が頭を左右に振って、ワインに口をつけた。

「…悪いけど俺も今、仕事が忙しいから協力はできない」

「あら、ついさっき、ひと段落したって言ったじゃない。逃げようとしたってダメよ。4人の殿方も、それは楽しみにしているんだから。皆さん他のパーティでリゼルともっと話したいと思ってたんですって」

「リゼルと話したがらない男などいるわけがない。見た目もそうだが、持参金もたっぷりだ。みんな下心ありに決まっているさ」

「まぁ、そういった殿方をうまくあしらえるようにもならなくては。それに…」

 母は、ランスロットを見てニヤリと妖艶に微笑んだ。

「ご令嬢方も何人かお呼びしましょうか。あなたに釣り合うような」

「やめてくれ…」

 ランスロットは、これ以上言うと自分に火の粉が降りかかりそうになり、口をつぐんだ。

「まぁ、あなたのことは、年明けすぐのカイル様の結婚式が済んだあとね…」

 公爵夫人は、ついカイル皇子の名を出したことにしまったと思って、リゼルの方を伺うように見た。

 リゼルは、母の思いつきに気持ちが沈むのを感じた。
 
 ああ、どうしよう…。お母様は、私のために殿方を招いて晩餐会をするつもりだ。
 なんとかして断らなくちゃ…。

「あの、お母様。ごめんなさい。せっかくの晩餐会だけど私は出たくないの」

「……」

 全員が食事の手を止めてリゼルを見た。

「そういう気になれなくて…」

「まぁ、まぁ、そんなことを言わないで。他にあなたのお友達のご令嬢もお呼びしましょう。大丈夫、気軽で楽しい晩餐にするから。みなさんお優しい殿方ばかりよ。令嬢の皆さんで軽い音楽の夕べにしてもいいわねぇ。リゼルもピアノかハープを披露したら?」

 公爵夫人は、さらにリゼルに追い打ちをかけるように言った。

「やめて、お母様…! もう、私のために晩餐会など開かないで…」

 リゼルは母の考えに泣きそうになりながら声を震わせていった。

「リゼル? 一体、どうしたの?」

 父や母、兄も、突然、涙ぐみはじめたリゼルを見る。

 テーブルのキャンドルが、リゼルの心の内を表すようにゆらゆらと大きく揺らめいた。

「…お父様と、お母様にお願いがあるの…。私、家を出て神殿にお仕えしたいの」

 濃い緑の瞳にいっぱいの涙をたたえて、唇を震わせながらか細い声で告げた。

 その言葉に、そのリゼルの様子に家族がみんな息を飲んだ。

 父の宰相は一瞬目を見開いたものの、じっと射るような目でリゼルを見た。

「ま、まぁ、なにを言うのかと思えば。冗談はやめて。いいわ、リゼルにその気がないなら、無理強いはしないわ。晩餐会は延期しましょう。年が明けて春になってからでもいいしね。リゼル?」

 母が戸惑いを隠せずにリゼルに言ったが、リゼルは唇を噛んで自分の決心を告げた。

「わたし…私、年明けまでには家を出て、見習いとして神殿にお仕えしようと思います。お願い。お許しをください…」

 あまりのショックで、母が凍りついたように蒼白な顔になった。

「おい、リゼ。お前の気持ちはわかった。だが年明けまで、あと三月みつきと少ししかない。なんでそんなに急ぐんだ。お前の人生だ。もっとじっくり考えてからでもいいじゃないか」

 兄が口を挟んだが、リゼルはふるふると首を横に振った。

「お兄様。わたしの希望は……カイル様の結婚式は神殿で静かに祈りたいの」

 膝の上でぎゅっと握りしめたリゼルの手の甲に、涙が一粒ぽたりとこぼれ落ちた。

 社交界にデビューしたばかりの時は、カイル様を見かけるたび、有頂天になっていた。
 それだけで幸せになり、恋というのは、ただ甘くふわふわしたものだと思っていた。

 でも今となっては…。
 カイル様をお見かけするたびに切なくなる。
 もう叶わないとわかっていながら、毎晩、毎晩、カイル様に会いたくて、切なくて行き場のない気持ちを抱えている。

 あの狩りの日、馬上でカイル様に抱きすくめられ、熱く触れた唇の感触が今も忘れられない…
 私は別れを告げられたというのに、お茶会で再会した時も、あの低くなめらかな声を聞いただけで、心が震えた。

 その時、隣にいるフィオナ様を見て、私の心の中に嫉妬が切っても切っても生え登るつたのように蔓延はびこるのを感じた。

 こんなに醜い私の心は、結婚式でお二人の幸せそうなお姿を平静を装ってお祝いすることなどできないのだから…

「ああ、なんてこと。可哀想に。リゼル、初恋はほとんど実らないものよ。すぐに新しい恋に出会えるわ。一時いっときの感情で自分の人生を諦めてはダメよ」

 母がリゼルの手をさすって慰めようとしたのを、強引にその手を引き抜いた。

「お母様、一時の感情などではないの。私は、真剣に、もう、ずっと…ずっと考えていたの。ルーファス様だってとても素敵だし、一緒にいて楽しかったけれど、でも、やっと分かったの。私は、私の想う人は…たった一人で…」

 そこまで言うと、ぼろぼろ涙が溢れ、あとの言葉が続かなくなった。

 すでに食事は止まり、給仕たちも硬直したように動かない。

 晩餐室からは音が消えたように、リゼルのすすり泣き以外、何も聞こえてはこなかった。

「リゼル。お前のその気持ちは、まことか。神殿の見習いは、きつい仕事だ。今までのようにメイドが何でもしてくれる生活ではない。自分で何もかもしなければならないのだ。一日中神殿の仕事と、祈りを捧げること以外なにもない」

 父の宰相が、沈黙を破ってリゼルに訊く。

 リゼルは涙の溢れる目で父を見つめた。

「お、お父様。それが、私の願いなの。なんでもやります。静かに日々の作業を行い、祈りを捧げたいの…」

「覚悟はあるのか。一度神殿に入れば、そう簡単に還俗げんぞくできぬぞ」

 リゼルはハンカチで涙を拭くと、父を見てしっかりと頷いた。

「…では、私から大神官殿に話をしよう」

「あなた!?」

「なにを言うんだ、親父!」

 母とランスロットの二人が、ほぼ同時に叫び声をあげた。

「口出しは無用だ。無理に好いてもおらぬ男のもとに嫁ぐより、自分の生きたいように生きれば良い」

 そう言い残して宰相は晩餐室を後にすると、書斎に向かった。

「ああ、リゼル。私は嫌よ。あなたがそんな不幸な事になるなんて…」

 公爵夫人も半分泣きながらリゼルを引きとめようとする。

 だが、リゼルは意外にも一番反対されると思っていた父に許しをもらえたことで、少し心が軽くなった。

「お母様、神殿に入ることは不幸ではないの。私にとっては、このままカイル様とフィオナ様をお側で見ながら過ごす方が辛いの。ごめんなさい。私のわがままを許して…」

 公爵夫人はリゼルを抱きしめながら、ただむせび泣いていた。
 その二人の様子を見ると、ランスロットは即座に父の書斎に向かった。

 書斎の扉を乱暴に開けると、父に食いついた。

「なぜ、許しを出したんだ! カイルの結婚は、いずれ破談に…」

「ランスロット!黙れ!」

 宰相がランスロットを睨みつける。

「未来は不確定だ。どうなるかは誰にもわからぬ。特に、今回の事では」

「だが、ほとんどこの婚姻は無効じゃないか。俺がそうしたんだ。王女フィオナは間違いなく妊娠する」

「それは、三月みつき立たねば確定しないことだ。王女の妊娠がわかった時、王妃がどのような手を打ってくるかもわからぬ。ただ手をこまねいて引き下がるとも思えない」

「だからリゼルに許しを与えるのは、三月みつきたったその後でも…」

「わしだって、行かせたくはない。だがリゼルはこれまでにも王妃に命を狙われている。神殿の中は強力な結界もあるし、宮殿より出入りが厳格にチェックされる。王妃の息のかかった者など入りようがない。逆に神殿にやった方が、リゼルの身が安全なのだ」

「ああ、くそ、なんだってリゼルを神殿なんかに…」

「それにリゼルは純粋すぎる。一度言い出したら聞かぬところもある。あれには神殿が合っているやもしれぬ…」
 
 あんなに皇子を慕って思い悩んでいたとは。
 あれほど皇子は他国の王女と結婚すると警告していたのに。

 所詮、初恋など、一時の幻影にしか過ぎぬものを・・・

 宰相の口からは深いため息が漏れた。


* * *


 翌日、宰相は早速、大神官を宮殿の執務室に呼び寄せた。

「なんと、リゼル様がそのようなご決心を…」

 宰相とも懇意にしている大神官は、ただ驚いていた。

「しかし、リゼル様のようなお若くて美しい公爵家の姫が神殿見習いなどと、本当によろしいのですか?これから咲く花を人目に触れさせずにしおれさせるようなものですぞ」

「ああ、娘の希望なのだ。できるだけ早めに入れるといいのだが」

「…しかし、早くても三月はかかります」

「カイル殿下の結婚式の前に、なんとか入殿できないものか…」

 神官はその言葉を聞いて宰相をみると、事情を理解したかのようにしばし考え込んだ。

「それでは、見習いではなく『歌うたい』ではどうでしょう?」

「歌うたい?」

「はい、神殿では賛美を務めとする『歌うたい』という者たちがおります。音楽以外の奉仕はすべて免除され、一日中、賛美を務めとするのです。リゼル様はハープもお弾きになるとか。ちょうど、今、ハープを弾ける歌うたいを探しているのです。それであれば、もう少し早く入殿できると思います」

「そうか。ならばそれで進めてくれ…」

「しかし、言っておきまずが、歌うたいも辛い務めです。練習は朝から晩まで厳しく、指から流れた血でハープの弦が赤く染まるほどのきつい仕事ですぞ」

「よい、あれにやらせてみよ。大神官殿にお任せする。リゼルを、あの娘をよろしく頼む」

「御意。お引き受けしました」

 大神官が出て行くと、宰相は愛娘を思わずにはいられなかった。

 本当に不器用な娘だ。
 わが公爵家の娘であれば、望めばどんな男からでも意のままに求婚を受けることができるであろうに…

 カイル皇子以外は。
 なぜ皇子でなければだめなのだ?

 たとえフィオナ王女との婚姻が破棄されてても、違う国の王女がカイル皇子の妃の座に取って代わるだけだ。

 王族の婚姻は国や民を守るための国と国との取引に過ぎぬ。
 王族の結婚というものはそういうものだ。

 愛などと、ぬるま湯のような感情では、帝国の平和はあり得ないのだからー。

 帝国の宰相でもある父は、あくまでも王族の婚姻は、政治的なものの上に成り立たねばならないと考えていた。




※古代エルサレムでは、「歌うたい」という神殿における賛美を務める人々が実際にいたそうです。
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