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続・娼館での普段のお仕事風景

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「あ、いらっしゃいませー!えーっとあなたは特殊性癖無いので普通の体でしたい方でしたよねー」

「じゃあ3時間コースですね。どこからでもどうぞー」


「はーい、お疲れ様でした~!またいつでも来てくださいねー」

「次の方どうぞ、いらっしゃいませー。おー、あなたはスケルトン族の方ですか」

「え、店長に承諾は取ったけど本当に悪いんだけどもし大丈夫なら私も強酸に漬けて白骨化させてアレしても良いでしょうか、嫌なら絶対しませんが?」

「あー、私ド変態なんで全然OKですよーどうぞどうぞ、たまにアレ奴隷中やレジスタンスでも似たような事やってたし。もちろんお腹に赤ちゃんいないの確認してからですが。あー平気だとは思うけど今赤ちゃん大丈夫かな」

「あ、それも専属ドクターにデータ取ってもらって今いないの確認済みですか。ならもうどっからでもどうぞー。あ、あんまり意味無いかもだけど強い痛み止め打ってくれるんですね。ありがとうございまーす」

(ジュウウウウウ)

(おー見事に白骨化しましたねー。いやー相当痛いけどこういうのも良いですよね~。私ド変態だから痛み止め無しでもそれはそれで超興奮するし)

(…こ、こんな事頼んでおいて何だけどそれは流石に引く?あーまあ全世界からドン引かれるのは百も承知なんで大丈夫ですよー。じゃあどっからでもどーぞ、でもお客さんスケルトンだからアレ無くて可哀想ですよね。まあ人それぞれだしどうにでもなるか)


(ほいほい、お疲れ様でした~!赤ちゃんいない時ならこういうプレイもいくらでもOKなんでまたお気軽にどうぞー!)

(あー骨同士ってのもたまには良いよね。じゃあ戻るか。ほいっと)

「あ、ボーイさんお疲れ様ー。しばらくお客さん来なさそうだから休憩してていいよ、お昼出前取るけど何か食べたい物あったら言って?」

「じゃあ近所の元レジスタンスのコックさんがやってるお店で、何かスタミナ付きそうなランチ適当にお願いしまーす。あそこの人なら分かってくれると思うけど量ちょい多めにしてもらえると嬉しいなー」

《20分くらい後》

「あ、ボーイさんありがとうございまーす。もう来たんだ、ランチタイムなのに迅速で助かるなー。あそこのコックさん大所帯でも毎日たくさん作ってくれてたし流石だね」


「あー美味しかったしお腹一杯。やっぱりあの人腕が良いなー。量とクオリティの割に良心価格だしね」

「ん、お客さんもうすぐ来るのか。じゃあ歯磨きとシャワーしとかないと。まあ歯は普段アレだから無いけど」

「はい、いらっしゃいませー!お客さん初めての方ですね。何か希望のプレイとかあります?今赤ちゃんいないしもう何でも行けますよー」

「あ、じゃあ申し訳無いけどかなりえげつない器具入れてもいいか、なるべく優しくするけど?いいですよ、いくらでもどうぞどうぞー」


「…あれ、この器具って」

「…あのー、もしかしてあなた。ずっと前にアレ奴隷してる時に色々親切に教えてくれた学者さんですか?」

「ん、残念ながら本人じゃなくてその孫だって?あー、そうだったんですか。へー、あの時は手とアレ以外どういう人か何も分からなかったけど山羊みたいな外見の種族だったんですねー。あの学者さん処刑されなかったか心配だったんですが、お元気にされてますか?」

「…ああ、処刑は免れたけど戦争が終わる何十年か前に寿命で亡くなられたんですか。処刑はされなくて良かったけど残念です。またお会いしたかったな」

「ふんふん、私と別れた後二百年くらいは普通に学者やってたけどやっぱり魔王相当嫌ってたのがバレちゃって、一族郎党処刑されそうになったからさっさと夜逃げしてそういう魔王嫌いな人達が隠れて暮らしてる山奥の集落に移り住んで余生を過ごしたんですか。逃げられて良かったけど大変でしたねー」

「へー、最初は本当に小さな集落だったけど年を経るごとにクソ魔王反発派も増えて、集落の人口もどんどん増加して最終的にはちょっとした町くらいになったんですか。戦うの好きじゃないけど結構高名な魔術師とかもいたからそういう人達に目くらましの結界張ってもらって、表向きは普通の森に見せかけてたんですかー」

「で、かなり色々な職業の人が移り住んで優秀な技術者や医師とかもいたからインフラや医療体制は意外にしっかりしてたし、孫の自分も生まれたし学者さんも十分長生きできたんですか。それは何よりでした」

「ふんふん、山奥の隠れ里だから伝聞だけどレジスタンスに私が救出されて、アレ要員兼戦闘員として元気にやってると知った時は嬉しそうだったしずっと応援してたと。ありがとうございます」


「え、学者さん達が移住した数十年後に私の元職場で雑用してた人も上司や魔王のクソっぷりに嫌気が差して集落にやって来たんですか?へー、あんな店でもまだ良心のある人がいたんですね。確かに店長とかは相当アレだったけど一部の従業員さんは同情してたまにこっそり差し入れしてくれたりしてたっけ。そういう感じの人かな」

「…ああ。辛い事を思い出させて申し訳ないけど低ランクの子でもう完全に心が壊れちゃったような子達を処分してて、流石にもうついて行けないと思ってお店辞めて集落探して来たんですか。確かにそれは魔族とはいえ、まともな感覚してたらしんどいでしょうね」

「…レジスタンスの人達も私に配慮して、救出直後はそういう子達の事黙ってたんですがね。二十年近く経って流石にもう大丈夫かなって教えてくれたんですが。…やっぱり私みたいに何十年何百年も耐えられる子はそうそういなくて、死なないけど心が壊れて反応無くなっちゃって、そのまま不死の呪いも解除されずに本当にゴミみたいに処理場に打ち棄てられた子達も相当いたみたいですね」

「…そういう子達は戦争が終わったらすぐに全員呪いを解除されて天国に送られたそうですが。天国で普通になれた子はまだしも、それでも戻れないくらいに魂が深く傷付いちゃった子は即転生されて、小動物とかになって数回転生した後なるべく早く人間になれるよう取り計らうと神様が仰ってて少し安心しましたが。…やっぱりそういう子達の事聞いた時はクソ魔王の事許せませんでした。ちょうどあの子に会った少し後でしたし」

「…自分も元従業員さんからその話聞いた時魔王や部下達の事許せなかったけど、戦闘タイプじゃないし家族を心配させたくもなかったから何も支援できなくてすみませんでした?いえいえ、気持ちだけでも嬉しいですよー」

「あー、それでお祖父さんやその人から私の事聞いて戦争が終わったらいつか絶対会いたいと思ってて、今ここで働いてる事知って来てくれたんですか。それはありがとうございます。私も学者さんが無事に天寿を全う出来たって知れて良かったです。その従業員さんの事も教えてくれてありがとうございました」

「へー、その元従業員さんは今も元気で、集落で私がクソ魔王にとどめ刺したと知った時は大笑いしてたと。あはは、そりゃ元底辺娼婦のド変態が魔王ぶっ倒したら笑えますよね」

「その人が辞めた数年後にレジスタンスに私救出されて、元職場のアレな娼館壊滅させられたんですかー。優しい人が死ななくて良かったです。ずっとひっそり応援してたけどもう孫もいてアレな店に行くような歳でも無いから、俺の分もよろしく言っておいてくれと頼まれた?ありがとうございます。顔も名前も知らないけど私からもよろしくと言っておいて下さい」


「あ、すっかり話が長くなっちゃったけど自分も祖父譲りで良識はあるけど結構変態だから続行してもいいですか?どうぞどうぞー。すごく嬉しいんで時間いっぱいいくらでもやっちゃって下さいな!」
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