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二章
14、俺だけの【2】
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そう、俺はもう二度と会うことの叶わないお嬢さんの乱れる姿が見たかった。
俺の愛を一身に受けて、俺だけを見つめて、俺が与える感覚だけを感じて。
冨貴子さん……そんな風に呼ぶことは一生叶わへんけど。
あとほんの少し与えられた時間だけは、全部俺にくれるやろ?
執拗に寝間着の上から胸の尖りを撫で続けたから、お嬢さんの息は徐々に上がっていった。
瞳は潤み、唇は誘うように半ば開いている。
「綺麗ですよ」
「いや、見ないで。恥ずかしいの」
「見せてくれるて言わはったのに?」
「言ってな……あぁ」
俺の寝間着の袖を掴んで、お嬢さんが身をよじらせる。
ああ、なんて色香を滲ませてるんやろ。
俺は彼女の帯紐をほどいて、衿を開いた。
てのひらにちょうど収まりそうな、愛らしい胸。左右の蕾は、すでに硬くなっている。
指先でかすめるように触れる。そう、本当に微かに。
「あ、あぁ……あっ」
軽く撫でただけやのに。ただそれだけでお嬢さんは背を逸らして、小さく痙攣した。
「もう達(い)ってしもたんですか? さすがに早すぎですよ」
「だって……静生が」
「俺がどうしたんです? どこを触りましたっけ?」
その答えは口にできないのか、お嬢さんは息を切らせながら、恨めしそうな顔で睨みつけてくる。
全然怖ないし、むしろ可愛いくらいやけど。俺は思わず苦笑してしもた。
「意地悪を言わないで……」
「可愛いとつい、意地悪してしまいますね」
駄目だと思っていても、あなたの反応が愛らしいから。
俺はお嬢さんの頬とひたいにくちづけを落とした。
「本当にこのまま奪ってしまいたいですよ」
「……奪ってくれないの?」
素直なその問いかけに、俺は口ごもった。
「お嬢さんは、上手におねだりできるんですね」
「静生だから……他の人には触れてほしくもないの」
「可愛いことを言わはりますね」
ほんまに困ったお嬢さんや。このまますべてを奪ってしまいたい気持ちになるやないですか。
「じゃあ、俺はお嬢さんに触れてもええんですね」
「ええ」
「どこでも?」
「え?」
彼女の寝間着をはだけさせ、白く伸びた脚に手をかける。一瞬、お嬢さんは足に力を入れたが。観念したのか或いは、そう望んだのか。足の力を抜いた。
この小屋の屋根は苔むしとうから、雨の音は吸い込まれていく。外の木々の葉や、地面を叩く雨音は聞こえるが。
屋内で小さく聞こえるこの水音は雨やない。
「……んっ……ぅ」
「声を出してもいいですよ。誰も来ませんし、どうせ雨音に紛れますから」
苦し気に眉を寄せるお嬢さんの眉間に接吻し、緊張を解かせる。
本当はあなたをちゃんと抱きたい。あなたの中に入りたい、一つになりたい。
それでも、俺の手で官能を覚えていくお嬢さんを見つめ続けるのは、それだけでも心が震えるほどに嬉しくて。
朝までは……儀式が始まるその時までは、俺だけのお嬢さんでいてくれるのだから。
俺の愛を一身に受けて、俺だけを見つめて、俺が与える感覚だけを感じて。
冨貴子さん……そんな風に呼ぶことは一生叶わへんけど。
あとほんの少し与えられた時間だけは、全部俺にくれるやろ?
執拗に寝間着の上から胸の尖りを撫で続けたから、お嬢さんの息は徐々に上がっていった。
瞳は潤み、唇は誘うように半ば開いている。
「綺麗ですよ」
「いや、見ないで。恥ずかしいの」
「見せてくれるて言わはったのに?」
「言ってな……あぁ」
俺の寝間着の袖を掴んで、お嬢さんが身をよじらせる。
ああ、なんて色香を滲ませてるんやろ。
俺は彼女の帯紐をほどいて、衿を開いた。
てのひらにちょうど収まりそうな、愛らしい胸。左右の蕾は、すでに硬くなっている。
指先でかすめるように触れる。そう、本当に微かに。
「あ、あぁ……あっ」
軽く撫でただけやのに。ただそれだけでお嬢さんは背を逸らして、小さく痙攣した。
「もう達(い)ってしもたんですか? さすがに早すぎですよ」
「だって……静生が」
「俺がどうしたんです? どこを触りましたっけ?」
その答えは口にできないのか、お嬢さんは息を切らせながら、恨めしそうな顔で睨みつけてくる。
全然怖ないし、むしろ可愛いくらいやけど。俺は思わず苦笑してしもた。
「意地悪を言わないで……」
「可愛いとつい、意地悪してしまいますね」
駄目だと思っていても、あなたの反応が愛らしいから。
俺はお嬢さんの頬とひたいにくちづけを落とした。
「本当にこのまま奪ってしまいたいですよ」
「……奪ってくれないの?」
素直なその問いかけに、俺は口ごもった。
「お嬢さんは、上手におねだりできるんですね」
「静生だから……他の人には触れてほしくもないの」
「可愛いことを言わはりますね」
ほんまに困ったお嬢さんや。このまますべてを奪ってしまいたい気持ちになるやないですか。
「じゃあ、俺はお嬢さんに触れてもええんですね」
「ええ」
「どこでも?」
「え?」
彼女の寝間着をはだけさせ、白く伸びた脚に手をかける。一瞬、お嬢さんは足に力を入れたが。観念したのか或いは、そう望んだのか。足の力を抜いた。
この小屋の屋根は苔むしとうから、雨の音は吸い込まれていく。外の木々の葉や、地面を叩く雨音は聞こえるが。
屋内で小さく聞こえるこの水音は雨やない。
「……んっ……ぅ」
「声を出してもいいですよ。誰も来ませんし、どうせ雨音に紛れますから」
苦し気に眉を寄せるお嬢さんの眉間に接吻し、緊張を解かせる。
本当はあなたをちゃんと抱きたい。あなたの中に入りたい、一つになりたい。
それでも、俺の手で官能を覚えていくお嬢さんを見つめ続けるのは、それだけでも心が震えるほどに嬉しくて。
朝までは……儀式が始まるその時までは、俺だけのお嬢さんでいてくれるのだから。
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