【第ニ部】没落令嬢は今宵も甘く調教される

真風月花

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三章

13、乱されて【3】※文子視点

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 ブラウスはほとんど脱がされていたけれど、今度はスカートを留めるボタンまで外されて。
 わたしはベッドの上で裸身をさらしていた。琥太郎さんはまだ服を着ているから、恥ずかしくて。横を向いてしまった。

 室内にはオイルランプが灯されて、すでに窓の外の森は暗がりに沈んでいる。
 静かな水の音。多分これは、近くにある湖の波の音だと思う。

「こっち向いてもろてもええか? 文子さん」
「は……い」

 自分から使ってほしいと頼んだのだもの。恥ずかしがっていちゃいけないんだけど、分かってるんだけど。

「あの、真っ暗にしてほしいんです」
「うーん。これでも薄暗い方やけど。もっと暗くしたところで、すぐに目が慣れて見えるようになるけどな」

 ベッドの端に座って蓋を開きながら、琥太郎さんは答えた。口調は申し訳なさそうだけど、完全に却下。
 うう、優しいのにこういう所は譲歩なさらないのね。

「文子さん。上を向いてごらん」

 命じられるままに、仰向けになる。高い天井に、仄明るいオイルランプに照らされた琥太郎さんの影が映っている。
 ああ、初めてじゃないのに。どうしてこんなにも緊張するの?

「大丈夫やで。これは緊張を解く薬やから」

 どうしてわたしの心を簡単に読んじゃうの?
 ほんと、そういうの困るの。困るんです。

「ほら、足開いてみ。自分で」
「わたし、が?」
「そう。せやないと塗る場所を間違えてしまうから」
 
 言う通りに足を開こうとしても、わたしの左右の膝はまるで磁石でくっついたみたいに動かない。

「文子さん。開いてごらん。私は無理に開きたないんや」
「は、はい」

 分かっているのに。昨日みたいに訳が分からない内に進んでいくわけじゃなくて、今日は自分の意思で。ちゃんと分かっているのに。

「まぁ、怖くて当たり前やんな」

 視界が暗くなったと思うと、覆いかぶさってきた琥太郎さんがわたしと唇を重ねた。
 優しいキス、そして舌が入って来て。わたしは彼のくちづけに応じたの。
 まるで口の中を愛撫されているようで、それだけでうっとりとして、緊張していた体の力が解けていく。

 大きな手がわたしの膝に掛けられたのに気づいた。でももう抵抗は出来なくて、彼の指に触れられるのが気づいたの。

「っ……んんっ」

 それまでじれったいほどに熱を持っていた場所が、琥太郎さんに触れられて、まるで悦んでいるように震えるのが分かった。
 もっと……、もっと触れて欲しい。
 そう願う自分に脅えたけれど、それも一瞬のこと。

「あ……ぁ、はぁ……ぁ、ぁ」
「ちゃんと呼吸するんやで」
「は……ぃ、んっ……ぁ、そこ、気持ち……い、い」

 快感に滲む視界で、琥太郎さんが微笑んだのが見えた。
 
「もっと好くなるようにしよか」

 ぐいっと上体を持ち上げられたと思うと、わたしはベッドの上に座らされた。ちょうど背後に琥太郎さんが膝を曲げて座っていて、彼の長い足の間に挟まれる格好。
 
「琥太郎さん、服、汚れます」
「ん? 脱いだ方がええ?」

 そういう意味ではなかったのだけど。わたしは否定もできなかった。

「脱いだら我慢できんようになるから。まぁ、後でな。それより文子さん、顔を上げてみ」

 何故? と思いつつも顔を上げて、言葉を失った。だってバルコニーに通ずる大きな窓に、裸体のわたしが映っていたから。しかも膝を立てて足を開かされて、恥ずかしい部分が自分でも見えてしまっている。

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