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そんな彼は、村の外にある森で木こりをしているダグラスが家にいないのを良いことに、鍵のかかっていない扉から無邪気に不法侵入を果たした。
この村は非常に弱っちいモンスターしかいない上、はじまりの村として有名なおかげで悪党が寄り付かないため、村人たちの防犯意識は非常に低い。
つまり、平和な田舎あるあるの、玄関扉に鍵をかける習慣がないのだった。
なんなら、家によっては常に玄関がフルオープンで、辛うじて目隠しの暖簾が下がっているだけということもある。
そんなわけで、オリヴァーは目を輝かせて不法侵入を果たしたわけである。
他人の家に勝手に上がり込んだオリヴァーは、何をするのか。
そんなものは決まっていると言わんばかりに、彼は真っ先にこの家の広くはない土間へ向かい、片隅に置かれていた壺を持ち上げ、落とし、粉砕させ、中身を拾った。
入れておいたことを忘れていたような干からびた薬草や、ポケットから出す際にうっかり失くしてしまったようなコイン。
勇者オリヴァーはそれをニッコニコの笑顔で拾い集め、腰につけたカバンに丁寧にしまい込んだ。
これだけで止しておけば良いのに、オリヴァーは粉砕した壺もそのままに、小さな家に似合いの質素なクローゼットの扉を、遠慮なく開いた。もはや、勇者というより盗賊である。
「あ、あった!」
テレレレッテレー……。
なんだか得したぞって感じの効果音がつきそうな勢いで、オリヴァーは細長い何かを持って拳を振り上げる。
その手には、なぜか竹刀が握られていた。
というか、どうしてしがない村人Dでしかないダグラスの家のクローゼットに、竹刀があるのか。甚だ、謎である。
とはいえ、これは立派な窃盗である。
壺については、もしかしたらついうっかりもあるかもしれない。だが、クローゼットはそうもいかないだろう。
だというのに、オリヴァーは純真な眼を少年のようにキラキラさせて、達成感に満ち溢れていた。
まるで、「念願叶ったぞ」と言わんばかりである。
そんな彼の後ろで、アリスは「はわわわわ」と目を白黒させていた。
「ほら見て、アリス! ボクが初めて手に入れたアイテムだよ!」
そう言ってウキウキとカバンの中身を見せてくるオリヴァーに、アリスは「あーあ」と天を仰ぎたい気分だった。
(やっちゃったよ……)
いくらなんでも、ないと思っていた。
他人の家に勝手に入って、不法侵入。
許可もないのに勝手に物を壊して、器物破損。
クローゼットを物色して、窃盗。
この短時間で三つもの罪を重ねた勇者サマに、アリスは頭を抱えてしゃがみ込んでしまいたくなった。
この村は非常に弱っちいモンスターしかいない上、はじまりの村として有名なおかげで悪党が寄り付かないため、村人たちの防犯意識は非常に低い。
つまり、平和な田舎あるあるの、玄関扉に鍵をかける習慣がないのだった。
なんなら、家によっては常に玄関がフルオープンで、辛うじて目隠しの暖簾が下がっているだけということもある。
そんなわけで、オリヴァーは目を輝かせて不法侵入を果たしたわけである。
他人の家に勝手に上がり込んだオリヴァーは、何をするのか。
そんなものは決まっていると言わんばかりに、彼は真っ先にこの家の広くはない土間へ向かい、片隅に置かれていた壺を持ち上げ、落とし、粉砕させ、中身を拾った。
入れておいたことを忘れていたような干からびた薬草や、ポケットから出す際にうっかり失くしてしまったようなコイン。
勇者オリヴァーはそれをニッコニコの笑顔で拾い集め、腰につけたカバンに丁寧にしまい込んだ。
これだけで止しておけば良いのに、オリヴァーは粉砕した壺もそのままに、小さな家に似合いの質素なクローゼットの扉を、遠慮なく開いた。もはや、勇者というより盗賊である。
「あ、あった!」
テレレレッテレー……。
なんだか得したぞって感じの効果音がつきそうな勢いで、オリヴァーは細長い何かを持って拳を振り上げる。
その手には、なぜか竹刀が握られていた。
というか、どうしてしがない村人Dでしかないダグラスの家のクローゼットに、竹刀があるのか。甚だ、謎である。
とはいえ、これは立派な窃盗である。
壺については、もしかしたらついうっかりもあるかもしれない。だが、クローゼットはそうもいかないだろう。
だというのに、オリヴァーは純真な眼を少年のようにキラキラさせて、達成感に満ち溢れていた。
まるで、「念願叶ったぞ」と言わんばかりである。
そんな彼の後ろで、アリスは「はわわわわ」と目を白黒させていた。
「ほら見て、アリス! ボクが初めて手に入れたアイテムだよ!」
そう言ってウキウキとカバンの中身を見せてくるオリヴァーに、アリスは「あーあ」と天を仰ぎたい気分だった。
(やっちゃったよ……)
いくらなんでも、ないと思っていた。
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