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第一章 男女比世界へようこそ
第25話 転校生 テイク2 (保護者同伴)
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連休があけて数日、若葉も茂り、初夏の香りを運んでくるそよ風に、季節の移り変わりを感じる今日この頃。今朝も爽やかな五月晴れ、だから二度寝なんてしていません。してないって言ったらしていません。
マイマザー、子供部屋でフライパンをぶんぶん振るのは止めよう。
テニスのラケットじゃないんだよ?
大体ボールもないんだからさ。
え、ボールの代りはある?
え~っと、さっきから僕の顔をじーっと見詰めて来るんだけど、目やにでも付いてるのかな?
うん、きっとそうだよね。さ~て、顔を洗ってとっとと学校に行きますか~♪
しかし朝から疲れた、ウチのマミーって冗談きついんだよね。
冗談だよね?多分、おそらく、メイビー。
大体まだ遅刻する様な時間じゃないってのに…。
お、あれに見えるはいつもの登校班の男子諸君。おはよ~っす。
二年生の子がいないけどどうした?
ん?風邪ひいたって?しょうがないな、放課後見舞いに行くか?
症状軽いから大丈夫だって?今日も様子見で休ませると。
まぁ、それならいいけど。お前らも油断して体壊すなよ。
「「は~い!」」
本当、返事だけはいいんだから。
この登校班もウチの学校じゃすっかり定着したよな。
小学一年生の頃、駄菓子屋でこうた君とだべってた時に、”ウチの学校には見守りボランティアっていないのか?”って話をしたのが切っ掛けだったんだよな。
あの頃はまだ前世とかはっきり思い出してなくって、斑に変な単語とか言葉が出てくる事があったんだよね。この話も、こうた君が朝の登校がなんか怖いって言うんで”大人の人に見守って貰えればいいのにね”って言ったら、”それって何?”って食いついてきて色々話したっけ。
その流れでグループで集まって登校する”集団登校”や、大人のボランティアによる”朝の見守り隊”。地域住民による”防犯パトロール”なんかの話もしたっけか。
こうた君は純粋に”そう言うのがあれば、僕たちも安心だね”っていい笑顔で言ってたけど、その後ろにいた駄菓子屋のおばちゃん、笑顔なのに目が笑ってなかったから怖かったんだよな。
昼休みの鬼ごっこグループで上級のお兄さんたちに話したら、地区ごとで纏まって登校することになって、こうた君がえらく喜んでたんだけど、気が付いたら頭に”防犯”って書いたキャップを被ったお姉さま方が、登校見守りを始めてたんだよね。
当時は気付かなかったけど、あれって絶対駄菓子屋のおばちゃんが暗躍してるって。
流石伝説の女傑、超辣腕。
そういえば連休中みんなどこか行った?
ほうほう、お姉さんが受験勉強でぴりぴりしていてそれ所ではなかったと。連休中に学校で某進学塾の全国模試があったと。
あ~、それでか、休みあけ珍しく女子が騒いでいると思ったら。
え、今日模試の結果が返される?マジかよ、阿鼻叫喚必至じゃん。
学校行きたくね~!!
「皆さん、おはようございます。朝のHRを始めます。
まず、お知らせです。しばらく入院していた木村君ですが、退院され今日よりクラスに加わることになりました。皆さん、仲良くしてあげてください。
クラス男子のみんなは、後ほど校長先生から木村君の事についてお話があるそうです。HRが終わり次第、校長室へ移動してください。
なお一時間目は自習になります。その間、先日行われた全国模試の結果と答案をお配りしますので、模試を受けた生徒は受け取りに来てください。
これでHRを終わります。」
なんか美穂先生が出来る教師みたいになってるんだけど。
ここの所色々あり過ぎて、一皮剥けちゃったとかか?いやいいんだけどさ、なんやかんやで付き合い長いし。入学当初からはや六年目。そりゃ、しっかりもするか、もうアラサーだしね。
”ガシッ”
なんすか先生、顔が怖いですよ。あ、さっさと校長室に行けと、分かりましたからさっきから頭を掴む手をお放しください。なんかどんどん力が強くなってません?
痛い痛い痛い、割れる、割れる!はい、余計なことを言いました、すみませんでした、ごめんなさい。本当シャレにならないから、ギシギシ言ってるから、痛いってギャー!
うぉ~、痛かった~。
なんかこの世界の女性って、武道の達人でもないのに簡単に肉体の限界超えて来るんだもん、マジ怖いわ。
”コン、コン、コン”
「失礼しま~す。」
校長先生おはようございます。何か木村君の事でお話があると聞いたんですが?
クラスの男子全員って何かあったんですか?
「まぁ、彼の今後の生活に係わる事なのですが、詳しいことは本人から聞いた方が早いでしょう。入ってきてください。」
隣の職員室に控えていたのだろう、木村君たちが入ってきた。木村君たちである。
え~っと、どちら様?
マイマザー、子供部屋でフライパンをぶんぶん振るのは止めよう。
テニスのラケットじゃないんだよ?
大体ボールもないんだからさ。
え、ボールの代りはある?
え~っと、さっきから僕の顔をじーっと見詰めて来るんだけど、目やにでも付いてるのかな?
うん、きっとそうだよね。さ~て、顔を洗ってとっとと学校に行きますか~♪
しかし朝から疲れた、ウチのマミーって冗談きついんだよね。
冗談だよね?多分、おそらく、メイビー。
大体まだ遅刻する様な時間じゃないってのに…。
お、あれに見えるはいつもの登校班の男子諸君。おはよ~っす。
二年生の子がいないけどどうした?
ん?風邪ひいたって?しょうがないな、放課後見舞いに行くか?
症状軽いから大丈夫だって?今日も様子見で休ませると。
まぁ、それならいいけど。お前らも油断して体壊すなよ。
「「は~い!」」
本当、返事だけはいいんだから。
この登校班もウチの学校じゃすっかり定着したよな。
小学一年生の頃、駄菓子屋でこうた君とだべってた時に、”ウチの学校には見守りボランティアっていないのか?”って話をしたのが切っ掛けだったんだよな。
あの頃はまだ前世とかはっきり思い出してなくって、斑に変な単語とか言葉が出てくる事があったんだよね。この話も、こうた君が朝の登校がなんか怖いって言うんで”大人の人に見守って貰えればいいのにね”って言ったら、”それって何?”って食いついてきて色々話したっけ。
その流れでグループで集まって登校する”集団登校”や、大人のボランティアによる”朝の見守り隊”。地域住民による”防犯パトロール”なんかの話もしたっけか。
こうた君は純粋に”そう言うのがあれば、僕たちも安心だね”っていい笑顔で言ってたけど、その後ろにいた駄菓子屋のおばちゃん、笑顔なのに目が笑ってなかったから怖かったんだよな。
昼休みの鬼ごっこグループで上級のお兄さんたちに話したら、地区ごとで纏まって登校することになって、こうた君がえらく喜んでたんだけど、気が付いたら頭に”防犯”って書いたキャップを被ったお姉さま方が、登校見守りを始めてたんだよね。
当時は気付かなかったけど、あれって絶対駄菓子屋のおばちゃんが暗躍してるって。
流石伝説の女傑、超辣腕。
そういえば連休中みんなどこか行った?
ほうほう、お姉さんが受験勉強でぴりぴりしていてそれ所ではなかったと。連休中に学校で某進学塾の全国模試があったと。
あ~、それでか、休みあけ珍しく女子が騒いでいると思ったら。
え、今日模試の結果が返される?マジかよ、阿鼻叫喚必至じゃん。
学校行きたくね~!!
「皆さん、おはようございます。朝のHRを始めます。
まず、お知らせです。しばらく入院していた木村君ですが、退院され今日よりクラスに加わることになりました。皆さん、仲良くしてあげてください。
クラス男子のみんなは、後ほど校長先生から木村君の事についてお話があるそうです。HRが終わり次第、校長室へ移動してください。
なお一時間目は自習になります。その間、先日行われた全国模試の結果と答案をお配りしますので、模試を受けた生徒は受け取りに来てください。
これでHRを終わります。」
なんか美穂先生が出来る教師みたいになってるんだけど。
ここの所色々あり過ぎて、一皮剥けちゃったとかか?いやいいんだけどさ、なんやかんやで付き合い長いし。入学当初からはや六年目。そりゃ、しっかりもするか、もうアラサーだしね。
”ガシッ”
なんすか先生、顔が怖いですよ。あ、さっさと校長室に行けと、分かりましたからさっきから頭を掴む手をお放しください。なんかどんどん力が強くなってません?
痛い痛い痛い、割れる、割れる!はい、余計なことを言いました、すみませんでした、ごめんなさい。本当シャレにならないから、ギシギシ言ってるから、痛いってギャー!
うぉ~、痛かった~。
なんかこの世界の女性って、武道の達人でもないのに簡単に肉体の限界超えて来るんだもん、マジ怖いわ。
”コン、コン、コン”
「失礼しま~す。」
校長先生おはようございます。何か木村君の事でお話があると聞いたんですが?
クラスの男子全員って何かあったんですか?
「まぁ、彼の今後の生活に係わる事なのですが、詳しいことは本人から聞いた方が早いでしょう。入ってきてください。」
隣の職員室に控えていたのだろう、木村君たちが入ってきた。木村君たちである。
え~っと、どちら様?
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