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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第77話 のっぺりのお宅訪問 (2)

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「と、ここまでが現在のヨウツーベ閲覧数の推移になります。
続きまして、懸案でありました不登校生徒の状況です。
鬼ごっこ同好会の動画を投稿し、不登校生徒の保護者に対する反応を…」

佐藤先生、大分こなれて来て、顧問としての貫禄が出てきたよな。
只今"不登校生徒対策"の中間報告会議中。一応関係者の一人と言う事で、放課後の会議に参加(強制)しております。(T T)
当初はヨウツーベのバズり具合に、大混乱に陥った教師陣ですが、"彼等"の本来の目的である不登校生徒対策に立ち返り、現在鋭意行動中です。
具体的には加藤校長を中心としたプロジェクトチームを発足、桜町小学校からもたらされた資料と木村校長との電話会談から、「"桜町小学校の軌跡"は"ひろし君"と"鬼ごっこ"の二本立て」と結論。
"鬼ごっこ"の配信動画情報、中学校内の"ひろし君応援活動(推し活)"情報を学校サイトやプリント等で発信し始めた。
冗談のような対応に保護者会からの反発も予想されたが、流石の加藤校長、PTA幹部への根回し(「幸福の王子様」DVD配布 by 俺)により概ね好意的に受け入れられた模様。

「続きまして、現在保健室登校及び一般教室登校を始めた生徒への対応ですが…」
そうなんですよ、不登校生徒、減り始めてるんですよ。そんなに都合良く行く訳無いだろう!って思うでしょ?
その通り、無論我ら"鬼ごっこ同好会"が暗躍しております。

うちのクラスの不登校男子、西山琢磨君。有り難いことに登校再開してくれました♪
しかも"鬼ごっこ同好会"に参加と嬉しい限り。
他のクラスの同志たちも、順調に引き摺り出している様子、善きかな善きかな。
一年のDクラスEクラスに至っては、不登校ゼロにする始末。
お前ら凄過ぎない!?
え、Eクラスの不登校って女子もいたよね?どうやれば復帰するの?
石川生徒会長、己の力不足に黄昏てたよ!?
他の生徒会役員に慰められてたから。(笑)

にしても、ここまで結果を示せば、余程馬鹿遣らない限り鬼ごっこ同好会は安泰でしょう。
佐藤先生の報告を聞いて、校長を始めとした教師陣、さっきから口あんぐりだから。
"私たちの今までってきた事は一体…"って、そんなに自分を責めないで!


"ピンポ~ン"
「は~い。あら、佐々木君いらっしゃい。上がって、上がって♪」
「あ、野口さんのお母さん、こんにちは。お言葉に甘えてお邪魔させていただきます。(ニッコリ)」

野口さんのお母さん、何度見てもスタイル抜群超美人。これで一児の母って言うんだから、この世界侮れない。

「絵実~、佐々木君来てくれたわよ~。」
「・・・・・・・ガタッ」
「佐々木君ごめんね~。あの子意地っ張りだから、なかなか素直になれなくて。」

野口絵実さん、Cクラスの不登校生徒。
はっきり言ってお手上げ、何したら良いのかさっぱり分からない。
前世含めて、内に籠った女性をどうこう出来た為しないからな~。
木村校長先生の時も、解決したの駄菓子屋のおばちゃんだし。
いつもの口先三寸?
部屋から出て来ないのに、どうしろと?
顔見たのも初日の一度きりよ?
前世の嫁さんはどうしたのか?
そんなもんひたすら下手に出るか土下座でしょう。(大威張り)

「いえ、こういった事はデリケートな問題ですから。僕の事は気にし無いで下さい。あ、これ今日の分のプリントです。絵実さんに渡して置いて下さい。」
「いつもありがとう。佐々木君、良かったらゆっくりしていってね。」
"ガタンッ"

「・・・・いえ、お邪魔に為りますし、そろそろ失礼させていただきます。また明日お伺いします。」
「本当?
じゃあまた明日ね♪」
「はい、お邪魔しました。」

なんかまだ警戒されているみたい。年頃の女の子って難しいわ。
かれこれ二週間近く通っているけど変化無しか。

ま、大変かと聞かれれば…、うん、凄い役得。
美人母との楽しいお茶会、おじさんマインド大喜び、超楽しい♪
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