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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第112話 康太君の無茶振り (6)

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「「「乾杯~!」」」
今日は先日行われた"Sin"新作発表会の慰労会。みんな頑張ってたもんね~、本当に大変だったし。
あの、お願いですから私も混ぜて頂けないでしょうか?
えっ、駄目?お前はまだ反省が足りない?そうですか、はい、文句何て滅相もありません。はい、分かりました。
わたくし、首から"反省中"のプラカードを下げて正座中です。
何で私だけ…。
俺は一人、今までの事を振り返るのでした。

事の起こりは、康太君がファッションショーの話しを鬼ごっこ同好会に持って来た事だった。
心労から精神的に追い詰められ、感情を乱し涙する康太君。
桜町っ子俺たちの仲間が傷付けられた。
俺たちは私立桜泉学園に一泡吹かせる為、ファッションショーに参加する事にした。
やり方はシンプル、桜泉学園男子生徒のショーを圧倒的に上回ればいい。
出来ない事は出来る様にすればいい。
俺たちは走り始めた。

第一の仕掛けは俺たちが"モデル"足り得る様になる事。
駄菓子屋のおばちゃんと大崎先生には感謝しかありません。
大崎先生には、"何とか其なりにはなった、後は自信を持って逝ってこい!"と言うありがたいお言葉を頂きました。
"いってこい"のニュアンスがなんか引っ掛かりますが、些細な問題です。

第二の仕掛けは私立桜泉学園に"舐めて"貰う事。
リハーサルも本番前もバッチリ"地味メイク"。最早誰も俺たちとは気付きません。ジミー木村もいつもより更に地味。
桜泉学園の反応は期待通り、笑いを堪えるのが大変でした。
リハーサルではマイマザーによる照明チェック。何でも以前魔改造メイクの腕を買われ、ショーのバイトをしてたとか。
あんた本当に何でもありだな。

いざ本番前、マザーによる魔改造を施された俺たちは最早別人。ならば別人に成ればいい。
「諸君、我々はついにこの時を迎えた。
思い出せ、俺たちは何故ここにいるのかを。
思い出せ、俺たちは誰の助けを受けて来たのかを。
この場は俺たちの舞台。
情けは無用だ!
いざ、蹂躙せよ!!」

「「「応!」」」

幕は上がった。ランウェイを席巻する"桜町っ子たち同志たち"。
「やぁ、息子。珍しく緊張してるのかい?」
「う、お母様。お恥ずかしながら少々…。」
「そんな時はこれまでの修行を思い出してみな。観客何か屁でも無くなるよ。」
これまでの修行…、何てモノを思い出させやがる。
唯一の癒しは山のワンワン♪
あぁ~、心が満たされる~♪

「いい顔になったじゃないか、いっちょっちまいな!」
「応よ!」

踏み出す一歩一歩に魂が籠る。
とても静かだ。
心が凪いでいる。

舞台が、観客が、その空気、その息遣い、会場の隅々迄手に取る様に分かる。
これが滝行のおっちゃんが言っていた感覚か。今なら丸太が落ちて来ても避けれる自信あるぞ、俺。

何か皆さん静かなんですけど?
俺きちんと歩けてますよね?
あ、大崎先生、来てくれたんだ。
あの顔はO.K.って事かな?よし、大丈夫みたい。
そんじゃ、ここでポーズ。
"我にひれ伏せ"ってね。

えっ?
何かみんな跪ひざまづいてるんですけど。
ノリ良過ぎじゃない?
うん、良く解らん。俺、知~らね。
くるっとターンでフェードアウト、さっさとジミーに化けて撤収撤収。

私立桜泉学園の男子生徒たちお馬鹿さんにバレると面倒だからね。

私立桜泉学園の大人達欲深き者共よ後始末はまかせたその報いを受けよ
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