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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第221話 いい旅、湯め気分♨️ (5)
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"ジョロジョロジョロ~カコン"
「あ゛~、堪らん。露天風呂最高。」
「うむ、これは良い。ここの露天風呂、侮れん。」
俺たち行き当たりばったりブラザーズは、ようやく見つけた露天風呂に安堵しつつ、その泉質を堪能している所であります。
どうも、最近本名で認識されなくなってるのではと日々不安を抱える男、のっぺり佐々木です。
湯の華温泉郷の露天風呂事情、下調べしとけば良かった。
何で何処もかしこも「申し訳ありません、現在男性用露天風呂は閉鎖されておりまして。」って言われないといけないんだよ~!
いいんだよ、綺麗な内風呂も素晴らしいとは思うよ、でも違うんだよ!
俺たちが求めてるのは露天風呂なんだよ!
折角の温泉郷だよ、露天風呂温泉に入りたいじゃないか。
聞き込みする事一時間、なんとか辿り着いたのがこの旅館の露天風呂。
本当に良かった、露天風呂離れの話しは聞いていたけど、まさかこれ程とは想像もしていなかった。
「木村君、男性の露天風呂離れがここまで深刻だとは思わなかったよ。」
「そうだな、いつも行く温泉宿は予め露天風呂がある条件で検索していたから、他の温泉宿がどうなっているかなどそこまで考えた事もなかった。」
「誰が悪いって話しじゃないんだけどさ、こうやって一つの文化が失われて行くのを見るのって、なんか寂しいよね。」
目隠し用の簾の上に広がる空をしみじみと眺め、なんとも言えない気分に浸る二人なのであった。
"ザバーッ"
勢い良く掛け湯をし、温泉成分を洗い流す。モデルはお肌が大事、温泉の入りっぱなしは禁物です。
ん?そんな映像色々と大丈夫なのかって?
駄目に決まってんじゃん、そんなのテレビで流せるわけないじゃん。それこそダンカン案件よ、男性保護観察局の介入よ?中央都テレビ、封鎖されちゃうよ?
男性保護法嘗めんな!?
じゃあ男性が出る温泉番組はどうするのって思うじゃん?
基本誰も入ってない温泉の環境映像に音声を合成しております。
何なのこれ?でもウケは良いらしい。野獣の想像力は豊かだな~。(遠い目)
「いや~、でもいいお風呂だったね~木村君。風呂上がりの牛乳飲む?」
「いや、俺は折角温まった身体を冷やしたくない。渋めの緑茶をもらおう。」
「お姉さん~、注文お願いしま~す。」
旅館の喫茶ラウンジで浴衣を羽織りくつろぐ若者二人、絵面的には悪くない。イケメンとのっぺりの対比もそれなりに面白い、はず。
若干の不安を抱えつつ注文を待つこと暫し、そろそろ来る「あの、もしかしたら"Saki"様ですか?」っへ?
声のした方を振り返ると何処かで見たような?女性が・・・
あ゛ー!!
「「本条まなみ選手!」」
何故かそこには第二回逃走王決定戦本選で戦った好敵手、世界陸上四百メートル銀メダリスト本条まなみ選手が温泉まんじゅうのお土産を抱えながら立ち尽くしていた。
「あ゛~、堪らん。露天風呂最高。」
「うむ、これは良い。ここの露天風呂、侮れん。」
俺たち行き当たりばったりブラザーズは、ようやく見つけた露天風呂に安堵しつつ、その泉質を堪能している所であります。
どうも、最近本名で認識されなくなってるのではと日々不安を抱える男、のっぺり佐々木です。
湯の華温泉郷の露天風呂事情、下調べしとけば良かった。
何で何処もかしこも「申し訳ありません、現在男性用露天風呂は閉鎖されておりまして。」って言われないといけないんだよ~!
いいんだよ、綺麗な内風呂も素晴らしいとは思うよ、でも違うんだよ!
俺たちが求めてるのは露天風呂なんだよ!
折角の温泉郷だよ、露天風呂温泉に入りたいじゃないか。
聞き込みする事一時間、なんとか辿り着いたのがこの旅館の露天風呂。
本当に良かった、露天風呂離れの話しは聞いていたけど、まさかこれ程とは想像もしていなかった。
「木村君、男性の露天風呂離れがここまで深刻だとは思わなかったよ。」
「そうだな、いつも行く温泉宿は予め露天風呂がある条件で検索していたから、他の温泉宿がどうなっているかなどそこまで考えた事もなかった。」
「誰が悪いって話しじゃないんだけどさ、こうやって一つの文化が失われて行くのを見るのって、なんか寂しいよね。」
目隠し用の簾の上に広がる空をしみじみと眺め、なんとも言えない気分に浸る二人なのであった。
"ザバーッ"
勢い良く掛け湯をし、温泉成分を洗い流す。モデルはお肌が大事、温泉の入りっぱなしは禁物です。
ん?そんな映像色々と大丈夫なのかって?
駄目に決まってんじゃん、そんなのテレビで流せるわけないじゃん。それこそダンカン案件よ、男性保護観察局の介入よ?中央都テレビ、封鎖されちゃうよ?
男性保護法嘗めんな!?
じゃあ男性が出る温泉番組はどうするのって思うじゃん?
基本誰も入ってない温泉の環境映像に音声を合成しております。
何なのこれ?でもウケは良いらしい。野獣の想像力は豊かだな~。(遠い目)
「いや~、でもいいお風呂だったね~木村君。風呂上がりの牛乳飲む?」
「いや、俺は折角温まった身体を冷やしたくない。渋めの緑茶をもらおう。」
「お姉さん~、注文お願いしま~す。」
旅館の喫茶ラウンジで浴衣を羽織りくつろぐ若者二人、絵面的には悪くない。イケメンとのっぺりの対比もそれなりに面白い、はず。
若干の不安を抱えつつ注文を待つこと暫し、そろそろ来る「あの、もしかしたら"Saki"様ですか?」っへ?
声のした方を振り返ると何処かで見たような?女性が・・・
あ゛ー!!
「「本条まなみ選手!」」
何故かそこには第二回逃走王決定戦本選で戦った好敵手、世界陸上四百メートル銀メダリスト本条まなみ選手が温泉まんじゅうのお土産を抱えながら立ち尽くしていた。
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