男女比世界は大変らしい。（ただしイケメンに限る）

第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第272話 駄菓子屋で駄弁る （１８）

やぁ、康太君お久。如月さんもご機嫌麗しゅう。
はいこれ、修学旅行のお土産。色々悩んだんだけどやっぱりこれが基本かなと思ってね、生八つ橋アンコ入りにしてみました。
良かったよ、古都の旅。行って来ました男娼喫茶、最高でした。本気さ加減が半端ないの、あれはれっきとした一ジャンルだね、完成された芸能だったわ。
康太君は以前本物の男娼さんに会った事があるんだよね、ぜひ一度男娼喫茶にも行ってみてよ、後悔はさせないから。

そうそう、お寺に行った際は鐘衝き堂には気を付けてね、あれヤバいから。康太君なら多分周りの女性が泣き出すんじゃないかな？ひろし君が衝いたら・・・。うん、その話はまた今度。
次の日には元に戻ると思うから何が起きても気にしないでね。

おばちゃん、エビ豚ミックス三つでお願い～。
康太君の方は何かあった？

｢あぁ、こっちは至って平和かな？
この所ひろし君が忙しいせいで休みがちだからサロンの連中がざわついているけど、これは想定通りだしね。ファンクラブ優先購入グッズやCD・DVDで誤魔化してる感じ。
親友のお陰で"遠くのhiroshi君より近くの彼氏"の流れが出て来たのが良かったのかな。男子生徒も順調に教育調教されて来ているよ。
これなら高等部に上がっても混乱は少ないんじゃない？｣

そうそう、桜泉学園高等部と言えばうちにマネジメント部の吉川さんが来たよ。のっぺり佐々木君、スカウトされちゃいました。

｢ブフォ、はぁ？マジで？｣

うん、マジマジ。あそこ外部進学の男子生徒がバンバン辞めちゃってるんだと。そこで、肉体イケメンののっぺり佐々木君にお声が掛かりました。（どや顔）
何でも理事会のお姉様方に"いい旅、湯め気分♨️"のファンの方がいらっしゃったんだと。
俺ものっぺり佐々木でいいんならって前向きに検討中。
それでこないだまなみちゃんに頼まれて番組の撮影で高等部に行ったんだけど、あそこ広過ぎない？どこのアミューズメントパークって位の敷地面積あるじゃん。中等部と同じ位かと思ってたからびっくりしちゃった。

｢はぁ～、高等部そんな事になってたのかよ。まぁ、僕もこれ以上面倒見る気はないけど。
でも高等部に現れた超絶イケメンってのが親友の事だったとは。陸上部に撮影で現れたモデルとしか伝わってないけど、凄い噂になってるよ。
確かファンクラブが作られたとか何とか？凄いね親友。｣

げ、佐久間中でもそうなんだけどさ、Sakiのファンって絶対イコールのっぺりを認めないのね。俺って完全に中の人扱い。笑えね～。

｢そう言えば親友にさっきから聞きたかったんだけど、あそこでお菓子を貪ってる美女って親友の知り合い？何か親友の付けって言って豚玉もんじゃ焼き頼んでるんだけど。｣

あぁ、うん。古都の旅館で知り合った葛の葉さん。修学旅行から帰って来たらリビングでごはん食べてた。マイマザーからはまた変なモノ拾って来てって言われるし、ちゃんと面倒を見ろって言うから付き人の真似事をさしてるところ。
身体能力は高そうだから増山のおっちゃんの所で研修させるつもり。

｢｢はぁ～。｣｣
ため息をつく康太君と如月さん。
いや、呆れられてもですね～。その可哀想なモノを見る様な視線を止めてもらえません？