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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第446話 警護任務 (4)
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『さて、ひろし君の会見も終わったようですね。彼って言葉も堪能なんですね、努力家ですこと。では我々も参りましょうか、バード副警備主任、車の用意をお願いします。』
私は捕縛を終え戻って来たであろう副警備主任に声を掛けた。
『いえ、その、ではこの場の事はどのようにすれば。』
『落ち着いて下さい、突然の事態に混乱するのは分かりますが今はあなたが最高責任者なのですから、もっと毅然とした態度でお願いしますね。
先ず捕縛した人間を拘留、罪状は国家転覆罪でもなんでもいいです。余罪は多いでしょうから、きちんと取り調べてください。タスマニア公国政府、大和政府には事の詳細を伝えること。国家要人の誘拐未遂事件ですよ、事は事務次官級の内容です。国を揺るがす事態だと言う事をよく理解してください。
では我々は高宮ひろしの警護に当たります。彼の警護に当たる担当者がいたはずです、移動順路は知っているのですよね?』
『はい、この後の警備に付くはずであった人間がいますのでその者を運転手に付けます。』
副警備主任は無線で部下を呼び出した。彼女たちが警備担当の者なのだろう。
”ビシッ”
『ジョナサン・シーン、ジェシー・カーティスの両名、御呼びにより参りました。』
うん、綺麗な敬礼。警備の人間はこうでないと。
『うむ、こちらは大和国から参られた警護担当者の佐々木ハニ子さんとブリジット・ベルッチさんだ。君たちにはこれより彼女たちと共に高宮ひろし氏の警備に当たって貰う。移動中の警戒、よろしく頼む。』
『はじめまして、佐々木ハニ子です。今回はよろしくお願いします。そろそろ高宮ひろし君も移動を開始するでしょう。すぐに警護に入りましょう。』
『よろしくお願いします。』
こうして我々は、共にひろし君の警護に付くこととなったのである。
『すみません、シーンさん。少しお聞きしたいのですが、高宮ひろし君はこの後ホテルに向かい休憩をとる予定と窺っているのですが。』
『そうですね、私どももそのように伺っています。』
私たちは前方を走る三台の護衛対象の車を見ながら訝しむ。
『これって絶対ホテルに向かっていませんよね、どちらかと言えば郊外に向かっている気がするんですが。』
『はい、これは間違いなく郊外ですね。ただ、今あの三台の前方に割って入り行く手を遮ると、高宮氏に怪我を負わせる可能性があります。変にスピードを上げている様子もありませんし、様子見するのが無難かと。』
『そうですよね、この事の報告は?』
『はい、すでに統括本部に問い合わせの連絡を。』
”ピリリリッ”
『”はい、はい、分りました。では引き続き警備にあたります。”』
『シーンさん、何か分かりましたか?』
『はい、第三公女殿下がわがままを申されたようで、現在校外にある公爵別邸に向かっているとの事です。』
『はぁ~、貴国は高宮ひろし君を愛玩動物か何かとお考えか?我が国はそれほど下に見られていると言う事なのかな?』
『い、いえ、決してそのような事は。第三公女殿下はその、自由奔放な所がございまして、好奇心が抑えられずこのような行動に出られたのかと。』
それを抑えるのが周りの大人だろうに、一緒になって拉致してどうするのよ。
目の前の二人に怒りをぶつけてもどうしようもないと分かりつつ、それでもため息を止められない私なのでした。
『到着いたしました。こちらが公爵別邸になります。』
大きく立派な洋館、門番が警備に当たるその館に三台の車は吸いこまれる様に入って行った。
『私たちは中に入る事は出来ない。その認識でいいのですね。』
『はい、周辺での待機となります。』
「そうですか、ではブリジット、周辺警護をお願いします。私は中を担当しましょう。」
「了解しましたご主人、お気を付けて。」
私は気配を消し扉を開ける。その開閉音すら誰も何も反応しない。
そのままスタスタと正門まで向かい、通用口を開け、堂々と公爵別邸に侵入するのであった。
私は捕縛を終え戻って来たであろう副警備主任に声を掛けた。
『いえ、その、ではこの場の事はどのようにすれば。』
『落ち着いて下さい、突然の事態に混乱するのは分かりますが今はあなたが最高責任者なのですから、もっと毅然とした態度でお願いしますね。
先ず捕縛した人間を拘留、罪状は国家転覆罪でもなんでもいいです。余罪は多いでしょうから、きちんと取り調べてください。タスマニア公国政府、大和政府には事の詳細を伝えること。国家要人の誘拐未遂事件ですよ、事は事務次官級の内容です。国を揺るがす事態だと言う事をよく理解してください。
では我々は高宮ひろしの警護に当たります。彼の警護に当たる担当者がいたはずです、移動順路は知っているのですよね?』
『はい、この後の警備に付くはずであった人間がいますのでその者を運転手に付けます。』
副警備主任は無線で部下を呼び出した。彼女たちが警備担当の者なのだろう。
”ビシッ”
『ジョナサン・シーン、ジェシー・カーティスの両名、御呼びにより参りました。』
うん、綺麗な敬礼。警備の人間はこうでないと。
『うむ、こちらは大和国から参られた警護担当者の佐々木ハニ子さんとブリジット・ベルッチさんだ。君たちにはこれより彼女たちと共に高宮ひろし氏の警備に当たって貰う。移動中の警戒、よろしく頼む。』
『はじめまして、佐々木ハニ子です。今回はよろしくお願いします。そろそろ高宮ひろし君も移動を開始するでしょう。すぐに警護に入りましょう。』
『よろしくお願いします。』
こうして我々は、共にひろし君の警護に付くこととなったのである。
『すみません、シーンさん。少しお聞きしたいのですが、高宮ひろし君はこの後ホテルに向かい休憩をとる予定と窺っているのですが。』
『そうですね、私どももそのように伺っています。』
私たちは前方を走る三台の護衛対象の車を見ながら訝しむ。
『これって絶対ホテルに向かっていませんよね、どちらかと言えば郊外に向かっている気がするんですが。』
『はい、これは間違いなく郊外ですね。ただ、今あの三台の前方に割って入り行く手を遮ると、高宮氏に怪我を負わせる可能性があります。変にスピードを上げている様子もありませんし、様子見するのが無難かと。』
『そうですよね、この事の報告は?』
『はい、すでに統括本部に問い合わせの連絡を。』
”ピリリリッ”
『”はい、はい、分りました。では引き続き警備にあたります。”』
『シーンさん、何か分かりましたか?』
『はい、第三公女殿下がわがままを申されたようで、現在校外にある公爵別邸に向かっているとの事です。』
『はぁ~、貴国は高宮ひろし君を愛玩動物か何かとお考えか?我が国はそれほど下に見られていると言う事なのかな?』
『い、いえ、決してそのような事は。第三公女殿下はその、自由奔放な所がございまして、好奇心が抑えられずこのような行動に出られたのかと。』
それを抑えるのが周りの大人だろうに、一緒になって拉致してどうするのよ。
目の前の二人に怒りをぶつけてもどうしようもないと分かりつつ、それでもため息を止められない私なのでした。
『到着いたしました。こちらが公爵別邸になります。』
大きく立派な洋館、門番が警備に当たるその館に三台の車は吸いこまれる様に入って行った。
『私たちは中に入る事は出来ない。その認識でいいのですね。』
『はい、周辺での待機となります。』
「そうですか、ではブリジット、周辺警護をお願いします。私は中を担当しましょう。」
「了解しましたご主人、お気を付けて。」
私は気配を消し扉を開ける。その開閉音すら誰も何も反応しない。
そのままスタスタと正門まで向かい、通用口を開け、堂々と公爵別邸に侵入するのであった。
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