BL 短編集 R-18

三森まり

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■ トライアングル(前編)

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茹だるような熱さの中 汗を拭く水戸が頬がほんのりの赤くて アレしてる時もたぶんこんな風なんだろうなと思った
部屋のクーラーを入れると気持ち良さげに目を細めるその仕草も俺の妄想を掻き立てる

「どうしちゃたんです?佐久間くん??」

不思議そうに見つめてくる水戸に 俺は我慢できなくなって覆い被さった 水戸の細い腰を抱き寄せながらラグに押し倒す

「あ、あの………」

突然の出来事に驚いた表情を見せる水戸 そんな姿にも欲情してしまう自分に呆れながらも 長い付き合いで知ってるから彼の多分性感帯なのだろう項に舌を這わせ耳たぶを甘噛した

「ひゃっ!……ちょ、ちょっと待って下さい」

身体をよじらせて逃げようとする水戸を逃さないように更に抱き締めると 泣きそうになりながら身をよじる

「井崎はたぶん今頃彼女と宜しくやってるぜ」

耳元で囁いてやると水戸がビクッとして動きを止めた


学校でクラブで 俺は水戸を見つめる 水戸は井崎を見守る そして 井崎は親しげに穏やかな視線を水戸に向けていたけれど…時々飢えた獣みたに水戸を盗み見ていたのを俺は知っている

一方通行なトライアングル

「あいつはお前に振り向く事は無い」

ズボンの前を緩めた俺の目に 涙をいっぱい溜めた水戸の綺麗な黒い瞳が写った

「俺にしとけよ 大切にするから」

水戸の返事を聞く前に唇を塞ぐ 最初は抵抗していた水戸だったが 何度も角度を変えキスを繰り返すうちに観念したのか腕の中で大人しくなった 俺は水戸のTシャツの中に手を入れ 滑らかな肌を楽しむように撫で回しながら 再び首筋へと舌を這わせる

「ん…やぁ…だ… さく…ま…くん…」

甘い吐息を漏らす水戸 嫌だと口では言っていても身体は正直だった 俺はそのままTシャツを脱がすと 胸の小さな突起を口に含む  音を立てながら吸い上げると 水戸の声がどんどん甘くなって行く

「あっ……だめぇ…だめ…だから」

腕の中で拙く抵抗する水戸が可愛い
掌を滑らせゆるく立ち上がったそこを撫でると水戸の腰がビクンと揺れた

「井崎にされるの想像しながら やってるの?」

意地悪く聞いてみると恥ずかしいのか真っ赤になりながら首を横に振る

「嘘つくんじゃねぇよ ほら、もうこんなになってるじゃんか」

下着ごとズボンを引き下ろすと ぷるっと可愛らしいモノが飛び出してきた それを優しく握ってやる

「あん……ちがう ん ん」

「何が違うんだよ」

先端から溢れる蜜を指先に絡めて 亀頭をグリグリ刺激すると すぐにトロトロとした先走り液が流れ出す

「ふぅ……ん やぁ……ダメ……です」

「気持ち良いんだろ?素直になれよ」

先走りを指に絡め水戸の奥を探る

「あ……そこは……」

キュッと締まったソコに人差し指を差し入れると 水戸が苦しそうな声を上げる たぶん初めてだろう男を受け入れる場所はとても狭くてキツかったけど ゆっくりと抜き挿しを繰り返しているうちに少しずつ解れて柔らかくなってきた

「水戸ココ気持ちいい?」

前立腺をさぐり擦ると

「やっ!……やぁ……ん……」

水戸の口から甘い喘ぎ声が漏れた

「もっと良くしてやるからな」

俺は後から水戸の腰を持ち上げ膝立ちさせると 自分の硬く張り詰めたものを一気に突き立てた

「ああ!痛いっ!」

痛みに耐えられず暴れる水戸を押さえつけて奥まで挿入する 水戸の体温を感じながら激しく動くと 俺も限界が近付いてきた

「やべぇ……出そう」

「ん やっ…痛い」

俺の下で身体を固くする水戸の股間に手を伸ばした

「ごめんな水戸 もう少しだけ我慢してくれ」

萎えてしまったそこを握って 上下に扱き始める

「あ あ やだっ! 触らないで下さいぃ」

前への刺激に後ろが少し緩んでくる その隙を狙って最奥を突いた

「やっ!あっ!ひぃ!!」

水戸の叫びと同時に熱いものが溢れ出した その瞬間ギュッと締め付けられ 俺も同時に果てた 
自分のもので汚れた水戸がエロい 上がる息に濡れる薔薇色の唇や白いラグに散らばる柔らかな栗毛固く瞑った睫毛の長さまで全部が食べてしまいほど可愛い スマホでその姿を撮った俺は 井崎に送ってやる事にする
添える文は

 逃した魚は大きい

だ 釣りスキなやつなら 多分喜んでくれるだろうと思いつつ 俺は送信ボタンを押したのだった

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