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第1話 煙の向こう側
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喫煙室の扉を開けると、紫煙が顔を撫でた。
換気扇が低く唸っている。壁際のパイプ椅子に腰掛けた男が、煙を吐き出しながらこちらを見上げた。
「よう」
桐生凌は片手を上げた。いつもの仕草だ。隼人は無言で隣の椅子を引き、腰を下ろす。ポケットから煙草の箱を取り出し、一本咥える。
ライターの火が、二人の顔を一瞬だけ照らした。
「今日は何時まで?」
「さあな」
隼人は煙を吐き出す。桐生の問いに答えるでもなく、視線は正面の壁に向けたままだ。
二人の間に会話はない。ただ、煙だけが渦を巻く。
「お前、最近顔色悪いぞ」
「別に」
「寝てないだろ」
「……関係ない」
桐生はふっと笑った。笑い声ではない。鼻から漏れる息だけが、何かを諦めたような響きを持っていた。
「相変わらず素直じゃねえな」
「うるさい」
隼人は煙草を灰皿に押し付ける。まだ半分以上残っているのに、火を消した。椅子から立ち上がろうとする。
桐生の手が、隼人の手首を掴んだ。
「待て」
「……何だよ」
「座れ」
低い声だった。命令ではない。だが、拒否できない響きがある。隼人は舌打ちをしながら、再び腰を下ろす。
桐生は煙草を咥えたまま、ゆっくりと立ち上がった。隼人の正面に回り込む。見下ろす視線が、ひどく静かだ。
「お前、俺のこと避けてるだろ」
「避けてない」
「嘘つけ」
桐生の手が、隼人の顎を掴む。親指が唇をなぞった。
「飲み会、三回連続で欠席してる。俺が誘ったカラオケも、全部断った」
「用事があっただけだ」
「嘘だな」
桐生の顔が近づく。煙草の匂いと、男の体臭が鼻腔を刺激する。隼人は顔を背けようとしたが、顎を掴む手に力が込められた。
「理由を聞かせろ」
「……っ」
隼人の喉が、小さく動く。言葉が出てこない。
桐生は煙草を灰皿に捨てた。両手で隼人の顔を挟む。
「お前が避けるから、俺も困ってんだよ」
「知るか」
「知れよ」
桐生の額が、隼人の額に触れた。呼吸が混じる。
「お前、他の奴と喋ってたろ。飲み会で」
隼人の声が、わずかに震えた。
「あれ見て、機嫌悪くなったのか?」
「……違う」
「じゃあ何だ」
「関係ない」
「あるだろ」
桐生の手が、隼人の首筋を撫でる。ゆっくりと、喉仏をなぞっていく。
「お前、嫉妬してたんだろ」
隼人の身体が硬直した。
「してない」
「嘘つき」
桐生の唇が、隼人の耳たぶに触れる。
「可愛いな」
囁くような声だった。隼人の背筋を、冷たい何かが走り抜けた。
「……やめろ」
「やめない」
桐生の手が、隼人のベルトに伸びる。金具を外す音が、狭い空間に響いた。
「おい、ここは……」
「誰も来ない」
「来るかもしれない」
「来たら、その時考える」
桐生はそう言って、隼人のジーンズのボタンを外した。ファスナーを下ろす。下着越しに、膨らみかけた部分を掌で押さえる。
「……っ」
隼人の身体が跳ねた。
「声出すなよ。聞こえるぞ」
桐生の声は、どこまでも冷静だった。だが、その手つきは容赦がない。下着の上から、じっくりと形をなぞっていく。
「先週から、ずっと我慢してたんだろ?」
「……知らない」
「知ってるよ」
桐生の指が、下着の中に滑り込んだ。熱を持った肉を、直接握りしめる。
「んっ……!」
隼人が声を殺しきれず、短い呻きを漏らした。桐生は笑う。
「やっぱりな。お前、もう硬くなってる」
「うるさい……」
「素直になれよ」
桐生の手が、ゆっくりと上下に動き始めた。
ズリュ、ズリュ、と湿った音が聞こえる。隼人の先端から、透明な液体が溢れ出していた。桐生はそれを指先で掬い取り、全体に塗り広げる。
「……っ、あ……」
隼人の腰が浮く。桐生の手の動きが速くなった。
「気持ちいいか?」
「……黙れ」
「素直じゃないな」
桐生の親指が、先端の窪みをぐりぐりと押し込む。隼人の身体が震えた。
「っ……! やめ……」
「やめないって言っただろ」
桐生はもう一方の手で、隼人の後頭部を掴んだ。自分の方に引き寄せる。
「俺を見ろ」
「……っ」
隼人は目を逸らそうとした。だが、桐生の手が髪を掴んで、顔を固定する。
「逃げるな」
桐生の目が、隼人を捉えて離さない。
手の動きは止まらない。シュコシュコと音を立てながら、肉棒を扱き続ける。先走りの量が増えて、桐生の手のひらを濡らしていく。
「……あ、っ……」
隼人の呼吸が荒くなる。腰が小刻みに震え始めた。
「イキそうか?」
「……っ、違……」
「嘘つくな」
桐生の手が一瞬止まる。隼人の顔が歪んだ。
「っ……何で……」
「俺の許可なく、イクなよ」
桐生は冷たく笑った。そして、再び手を動かし始める。今度はさらに速く、強く。
ズリュズリュズリュズリュ――
「っ、あ……! 待っ……」
「ダメだ」
桐生の声が、隼人の耳を貫く。
「俺が、イイって言うまで我慢しろ」
「無理……っ」
「無理じゃない」
桐生の手が、隼人の竿全体を包み込むように握りしめた。根元から先端まで、一気に扱き上げる。
「っ――!」
隼人の声にならない叫びが、喉の奥で詰まった。身体が硬直する。
「……っ、ダメ、出る……!」
「まだだ」
「無理っ……!」
「我慢しろ」
桐生の手が止まらない。むしろ加速していく。隼人の腰が浮き、脚が震える。
「……っ、あ、ああ……!」
「イケ」
桐生の声が、隼人の限界を打ち破った。
「――っ!!」
隼人の身体が跳ねる。白濁した液体が、勢いよく噴き出した。
ドピュッ、ドピュッ、ドピュッ――
一発目が桐生のシャツに飛び散る。二発目、三発目が床に落ちた。桐生は手を離さず、最後の一滴まで搾り取る。
「……っ、ぁ……」
隼人の身体から力が抜けた。椅子に深く沈み込む。荒い呼吸だけが、喫煙室に響いていた。
桐生は自分の手を見下ろす。精液にまみれた指を、ゆっくりと舐めた。
「……っ」
隼人が顔を背ける。桐生は笑った。
「お前の味、覚えてるぞ」
「……最低だ」
「だろうな」
桐生はティッシュを取り出し、自分の手を拭いた。シャツについた染みを見て、小さく舌打ちする。
「お前のせいで、また洗濯だ」
「知るか」
隼人はジーンズを上げながら、立ち上がった。ベルトを締め直す。
桐生が、その背中に声をかけた。
「次はいつ来る?」
隼人は振り返らない。
「来ない」
「嘘つけ」
「本当だ」
「じゃあ、俺が迎えに行く」
隼人の足が止まった。
「……勝手にしろ」
扉を開ける。外の明るさが、隼人の顔を照らした。
「またな」
桐生の声が、背中に届く。
隼人は何も答えず、扉を閉めた。
――煙だけが、部屋に残された。
桐生は新しい煙草に火をつけた。紫煙を吐き出しながら、隼人が座っていた椅子を見つめる。
彼の体温が、まだそこに残っていた。
「……嫉妬、か」
呟いた言葉は、誰にも届かない。
桐生は煙草を吸い続けた。換気扇の音だけが、静かに響いていた。
カラオケボックスの廊下を歩きながら、隼人は自分の手を見下ろした。
まだ震えている。
胸の奥で、何かが渦巻いている。怒りか、屈辱か、それとも――
「……ちくしょう」
小さく呟いて、隼人は拳を握りしめた。
なぜ、あんな奴に。
なぜ、自分は。
答えは出ない。
ただ、身体の奥に残る熱だけが、桐生の存在を否定することを許さなかった。
――三週間前。
全ては、あの日から始まっていた。
換気扇が低く唸っている。壁際のパイプ椅子に腰掛けた男が、煙を吐き出しながらこちらを見上げた。
「よう」
桐生凌は片手を上げた。いつもの仕草だ。隼人は無言で隣の椅子を引き、腰を下ろす。ポケットから煙草の箱を取り出し、一本咥える。
ライターの火が、二人の顔を一瞬だけ照らした。
「今日は何時まで?」
「さあな」
隼人は煙を吐き出す。桐生の問いに答えるでもなく、視線は正面の壁に向けたままだ。
二人の間に会話はない。ただ、煙だけが渦を巻く。
「お前、最近顔色悪いぞ」
「別に」
「寝てないだろ」
「……関係ない」
桐生はふっと笑った。笑い声ではない。鼻から漏れる息だけが、何かを諦めたような響きを持っていた。
「相変わらず素直じゃねえな」
「うるさい」
隼人は煙草を灰皿に押し付ける。まだ半分以上残っているのに、火を消した。椅子から立ち上がろうとする。
桐生の手が、隼人の手首を掴んだ。
「待て」
「……何だよ」
「座れ」
低い声だった。命令ではない。だが、拒否できない響きがある。隼人は舌打ちをしながら、再び腰を下ろす。
桐生は煙草を咥えたまま、ゆっくりと立ち上がった。隼人の正面に回り込む。見下ろす視線が、ひどく静かだ。
「お前、俺のこと避けてるだろ」
「避けてない」
「嘘つけ」
桐生の手が、隼人の顎を掴む。親指が唇をなぞった。
「飲み会、三回連続で欠席してる。俺が誘ったカラオケも、全部断った」
「用事があっただけだ」
「嘘だな」
桐生の顔が近づく。煙草の匂いと、男の体臭が鼻腔を刺激する。隼人は顔を背けようとしたが、顎を掴む手に力が込められた。
「理由を聞かせろ」
「……っ」
隼人の喉が、小さく動く。言葉が出てこない。
桐生は煙草を灰皿に捨てた。両手で隼人の顔を挟む。
「お前が避けるから、俺も困ってんだよ」
「知るか」
「知れよ」
桐生の額が、隼人の額に触れた。呼吸が混じる。
「お前、他の奴と喋ってたろ。飲み会で」
隼人の声が、わずかに震えた。
「あれ見て、機嫌悪くなったのか?」
「……違う」
「じゃあ何だ」
「関係ない」
「あるだろ」
桐生の手が、隼人の首筋を撫でる。ゆっくりと、喉仏をなぞっていく。
「お前、嫉妬してたんだろ」
隼人の身体が硬直した。
「してない」
「嘘つき」
桐生の唇が、隼人の耳たぶに触れる。
「可愛いな」
囁くような声だった。隼人の背筋を、冷たい何かが走り抜けた。
「……やめろ」
「やめない」
桐生の手が、隼人のベルトに伸びる。金具を外す音が、狭い空間に響いた。
「おい、ここは……」
「誰も来ない」
「来るかもしれない」
「来たら、その時考える」
桐生はそう言って、隼人のジーンズのボタンを外した。ファスナーを下ろす。下着越しに、膨らみかけた部分を掌で押さえる。
「……っ」
隼人の身体が跳ねた。
「声出すなよ。聞こえるぞ」
桐生の声は、どこまでも冷静だった。だが、その手つきは容赦がない。下着の上から、じっくりと形をなぞっていく。
「先週から、ずっと我慢してたんだろ?」
「……知らない」
「知ってるよ」
桐生の指が、下着の中に滑り込んだ。熱を持った肉を、直接握りしめる。
「んっ……!」
隼人が声を殺しきれず、短い呻きを漏らした。桐生は笑う。
「やっぱりな。お前、もう硬くなってる」
「うるさい……」
「素直になれよ」
桐生の手が、ゆっくりと上下に動き始めた。
ズリュ、ズリュ、と湿った音が聞こえる。隼人の先端から、透明な液体が溢れ出していた。桐生はそれを指先で掬い取り、全体に塗り広げる。
「……っ、あ……」
隼人の腰が浮く。桐生の手の動きが速くなった。
「気持ちいいか?」
「……黙れ」
「素直じゃないな」
桐生の親指が、先端の窪みをぐりぐりと押し込む。隼人の身体が震えた。
「っ……! やめ……」
「やめないって言っただろ」
桐生はもう一方の手で、隼人の後頭部を掴んだ。自分の方に引き寄せる。
「俺を見ろ」
「……っ」
隼人は目を逸らそうとした。だが、桐生の手が髪を掴んで、顔を固定する。
「逃げるな」
桐生の目が、隼人を捉えて離さない。
手の動きは止まらない。シュコシュコと音を立てながら、肉棒を扱き続ける。先走りの量が増えて、桐生の手のひらを濡らしていく。
「……あ、っ……」
隼人の呼吸が荒くなる。腰が小刻みに震え始めた。
「イキそうか?」
「……っ、違……」
「嘘つくな」
桐生の手が一瞬止まる。隼人の顔が歪んだ。
「っ……何で……」
「俺の許可なく、イクなよ」
桐生は冷たく笑った。そして、再び手を動かし始める。今度はさらに速く、強く。
ズリュズリュズリュズリュ――
「っ、あ……! 待っ……」
「ダメだ」
桐生の声が、隼人の耳を貫く。
「俺が、イイって言うまで我慢しろ」
「無理……っ」
「無理じゃない」
桐生の手が、隼人の竿全体を包み込むように握りしめた。根元から先端まで、一気に扱き上げる。
「っ――!」
隼人の声にならない叫びが、喉の奥で詰まった。身体が硬直する。
「……っ、ダメ、出る……!」
「まだだ」
「無理っ……!」
「我慢しろ」
桐生の手が止まらない。むしろ加速していく。隼人の腰が浮き、脚が震える。
「……っ、あ、ああ……!」
「イケ」
桐生の声が、隼人の限界を打ち破った。
「――っ!!」
隼人の身体が跳ねる。白濁した液体が、勢いよく噴き出した。
ドピュッ、ドピュッ、ドピュッ――
一発目が桐生のシャツに飛び散る。二発目、三発目が床に落ちた。桐生は手を離さず、最後の一滴まで搾り取る。
「……っ、ぁ……」
隼人の身体から力が抜けた。椅子に深く沈み込む。荒い呼吸だけが、喫煙室に響いていた。
桐生は自分の手を見下ろす。精液にまみれた指を、ゆっくりと舐めた。
「……っ」
隼人が顔を背ける。桐生は笑った。
「お前の味、覚えてるぞ」
「……最低だ」
「だろうな」
桐生はティッシュを取り出し、自分の手を拭いた。シャツについた染みを見て、小さく舌打ちする。
「お前のせいで、また洗濯だ」
「知るか」
隼人はジーンズを上げながら、立ち上がった。ベルトを締め直す。
桐生が、その背中に声をかけた。
「次はいつ来る?」
隼人は振り返らない。
「来ない」
「嘘つけ」
「本当だ」
「じゃあ、俺が迎えに行く」
隼人の足が止まった。
「……勝手にしろ」
扉を開ける。外の明るさが、隼人の顔を照らした。
「またな」
桐生の声が、背中に届く。
隼人は何も答えず、扉を閉めた。
――煙だけが、部屋に残された。
桐生は新しい煙草に火をつけた。紫煙を吐き出しながら、隼人が座っていた椅子を見つめる。
彼の体温が、まだそこに残っていた。
「……嫉妬、か」
呟いた言葉は、誰にも届かない。
桐生は煙草を吸い続けた。換気扇の音だけが、静かに響いていた。
カラオケボックスの廊下を歩きながら、隼人は自分の手を見下ろした。
まだ震えている。
胸の奥で、何かが渦巻いている。怒りか、屈辱か、それとも――
「……ちくしょう」
小さく呟いて、隼人は拳を握りしめた。
なぜ、あんな奴に。
なぜ、自分は。
答えは出ない。
ただ、身体の奥に残る熱だけが、桐生の存在を否定することを許さなかった。
――三週間前。
全ては、あの日から始まっていた。
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