ギャルゲーの脇役、情報通な彼に転生してしまった!~こうなったらヒロインの一人位は絶対に確保する!~

GARUD

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 4月。早いもんで俺は小学二年生になりました。

「ゆぅくんおはよー」
「佳子ちゃん。おはよー」

 相変わらず俺は佳子ちゃんと一緒に電車に乗り、学校の最寄り駅で雫ちゃんと待ち合わせ。

「ゆーやさま。おはようございます」
「やぁ雫ちゃん。おはよ!」

 クラス替えもあったと言うのに、このメンツは変わらず同じクラスだった。
 一つ変わった点は南條紫織が別のクラスになった程度だろう。
 しかしこれでやっと南條紫織も噂されなくて済むのだろう。誰とのって?誰だろう。

 俺達は新しいクラスの扉を開き中に入っていく。
 去年と同じ顔もあれば新顔もあり、なんだか新鮮な気持ちにさせられる。
 とりあえず席に座った俺とは対象的に佳子ちゃんと雫ちゃんの二人は去年から同じクラスの子達と輪になって雑談を始めた。

 しばらくして担任の先生が現れると、いよいよ二年生初の授業、自己紹介が始まる。

「佐藤裕也です!体育が大好きです!」
「はい。よくできました。次は~」

 そう立ち上がってクラスの皆に挨拶をして、先生や皆の拍手を貰って着席。
 何が体育じゃ、ホントは保健で体育なんじゃろって?まぁ知識だけなら負けないぜ?実践は前世通して一度もねーけどな。おまいら!憐れんだ目でこっち見んじゃねーよちくせぅ!
 
若林咲ワカバヤシサキです!体育が好きです!」

 ほら!おまいらと脳内会議していたせいで最後の子が自己紹介を終えちゃったじゃないか!
 途中にヒロインが混ざってたらどう責任を取ってくれる──ん──だ?……え?

 ガバッ!と幻聴が聞こえる位の速度で俺は斜め後ろに体ごと振り向くき、たった今自己紹介を終えた女の子の顔を見る。

(彼女も初等部から現れるのか……)

 ショートカットに切り揃えた青みかかった黒い色の髪の毛、一重の瞼に深い群青色の瞳、少しだけ高い鼻にピンクの唇。
 間違いない、彼女はゲーム愛友学園に出てくるヒロインの一人だ。
 彼女は運動にかなりのステータスを振ってないと現れない。毎日トレーニングしていたカイがあったのかな?

 彼女はゲームでは女バスのエースとして登場し、体育のバスケの授業で見せた主人公の身体能力に惚れ込み、ことある毎にしつこく主人公を男バスに勧誘するようになるのがきっかけで仲良くなって行くのだ。

 因みに、この時主人公が男バスに入っても入らなくても問題なくエンディングには辿り着けるが、男バスに入らないとルート固定スチルが手に入らない。
 あとR18版は男バスの合宿中に、なんと雑木林の中で彼女との初めての契を交わしたりするのだが、全年齢版ではカットされている。
 しかし初めてが外って現実なら普通に考えて難易度ベリーハードだわ。もし俺がその立場ならビビって萎びちゃうよ!何ってナニが!
 俺はまだ見ぬ欲望に忠実なスケコマシ主人公君の凄さを勝手に想像した。いや操作してたのは俺達プレイヤーの諸君なんだけどさ。

 席は結局出席番号順で、俺の右隣には去年同様に雫ちゃんがいた。

「今年も隣は雫ちゃんか。よろしくね!」
「ひゃい!よりしゅくおにゃがいしやっす!」

 横に座る雫ちゃんに、俺が笑顔で話しかけると彼女は顔をタコのように茹で上げてあわあわとしつつもペコリと頭を下げる。
 今年も高飛車十条さんはお預けのようでなによりだ。
 しかし雫ちゃんよ……しやっす!って俺は盗賊団のお頭か?おい野郎共!殺しと女には手を出すんじゃねーぞ!俺達は真っ当な盗人だからな!
 そしてどうやら俺はとんでもねー物を盗んでしまったみたいだな。
 え?幼女のパンツだろって?ちっげーよ!
 彼女の心だって言いたかったの!何を世迷い事をって名言だからな?パンツがって?いい加減にしろ!
 
 そうそう、話は代わるけど佳子ちゃんは今年は俺の一つ斜め前の席だった。去年は笠谷の間に柿崎だの柿谷だの柿西だのとずらずら柿ばっかり居たから二列も離れて居たが、今年は間に入った柿は柿畑だけだから余り席も離れなかった。
 良かったね俺の隣の柿畑君とやら。
 今年は他の柿なんちゃら君たちと違って休み時間に席を取られる事はなさそうだよ。

 しかし佳子ちゃんはちょこちょこ振り返っては笑顔を向けてくる。大変嬉しそうでなによりだが前見て前!先生が目の前に迫ってるよ!

 こうして新たにヒロインが増えたり減ったりして俺の小学二年生の生活が幕を開けた。




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