36 / 39
32
しおりを挟む
小学二年生が始まり、最初の行事は遠足だ。
今年は千葉の空港辺りにある牧場へとやって来たぜ。
「ヒャッハー!」
俺は入り口からすぐに設置された大きな斜面を近くに用意されていたソリに乗って滑り降りる。童心に帰ったみたいで楽しい楽しい。
「うわわわわ!イヤーーー!」
「あはははは!」
雫ちゃんも佳子ちゃんも、まねっこして俺の後から滑り降りてくる。
佳子ちゃんは楽しそうな笑顔を浮かべているが、雫ちゃんは涙目で目を瞑ってしまっている。大変危険なので良い子のみんなはマネしないでください。
雫ちゃんは無事滑り降りたにも関わらず未だに目を瞑ったままキャーキャー悲鳴をあげている。
流石に後続が渋滞をおこしているので俺が肩を叩いて恐慌状態の雫ちゃんを正気に戻す事にした。
そこから俺たちはクラスの皆全員で牛の乳搾りを体験し、新鮮な採れたての乳で作ったソフトクリームを食す。
「おっぱいでつくったソフトクリーム……おいしいね?」
そう言って佳子ちゃんはペロペロと、ソフトクリームをチロリと出した赤い舌で大事にゆっくりと舐め上げている。
ここに万が一大きなお兄さん方が居たら盗撮待ったなしの事案映像である。
そんな佳子ちゃんを眺めていたら、俺の手に持ったソフトクリームがいつの間にか溶け出していて、気が付いた時には手がベタベタになってしまった。
「うわっ!やっちゃった……ハンカチハンカチってベトついて取り出せない……」
「あはっ!ゆぅくんもしっぱいするんだね!て~かして?」
「ん……」
俺がソフトクリームでべたつく手に悪戦苦闘していると、それをにっこりと笑顔で見る佳子ちゃんはハンカチを取り出して俺に手を出すように指示する。
若干恥ずかしかった俺はそっぽを向きながら手を差し出した。
佳子ちゃんが俺の手を取る──ペロッチュパ
「!!!」
「やっぱりおいし~!」
「佳子ちゃん!なにやってん!」
「え?きれいになめてあげようとおもって?」
恐らく俺の顔は現在真っ赤に茹で上がっているだろう。要らない汗が噴き出してくる。
粘膜接触は難易度高けーよ!くそ!
佳子ちゃんは頭に「?」と不思議そうな顔で首を傾げているが絶対こいつは確信犯だ!きっと俺の母親とかに入れ知恵されてるんだ!
俺はつい声を荒げてしまった。
「ハンカチはどーしたハンカチは!」
「え~……ハンカチソフトクリームだらけになっちゃうよ?」
「その為のハンカチだろ!貸して!」
「あ~……ハンカチが~……」
「ほら。俺のハンカチと交換してやるから!」
俺は佳子ちゃんのハンカチを奪い取って唾液とソフトクリームでベトついた手を拭き取って、代わりに俺のハンカチを渡してやった。
「えへへ~こうかんこだね!」
少ししょんぼりしていた佳子ちゃんだが、俺のハンカチを手渡した瞬間、パアッと花が咲いたかのような笑顔を俺に向ける。信じたいこの笑顔。
「あぁ!よしこちゃんずるい!」
「うへへ……ゆぅくんのにおい……」
「わたしのハンカチとこうかんしてあげる!」
「い~や~!」
ハンカチ一枚でなんたる騒ぎか……雫ちゃんが突っ込んで来てハンカチを取り合う二人。姦しいが微笑ましい。
「あはは!なんかおもしろいね!」
「ああ、若林さんか。そうだね、あの二人と居るといつも楽しいよ。若林さんも今度一緒に遊ぼうよ」
「いいの?!わーい!やくそくだよ!ゆびきり!」
「ははっ。指切りだ」
いつの間にか横に居た若林さん。彼女はゲーム同様に抜群のコミュ力を発揮して初めての顔合わせだというのにニコニコと話しかけてくる。
俺もそれにつられて笑い、社交辞令のつもりで誘っただけだったが、大変嬉しそうにされて指切りまでしてしまった。
「「あーー!」」
それを見ていたのか、佳子ちゃんと雫ちゃんはハンカチの取り合いをやめ、ものすごい勢いで若林さんに突貫して行った。
「ゆびきりしてた!なんの!ねぇなんの!」
「わたしだってまだゆーやさまとゆびきりしたことないのにー!ずるいずるい!」
とんでもない圧力だ。コミュ力抜群の若林さんもタジタジで困り顔を俺に向けてくる。
「俺たちが面白そうだから今度一緒に遊ぼうって約束してたんだ」
俺がなんでもないように言うと、佳子ちゃんは「な~んだ」と興味を無くしたのかハンカチをポケットに大事そうにしまい込んだ。
さすが佳子ちゃん。雫ちゃんの意識が逸れた一瞬を逃さない。
雫ちゃんは雫ちゃんで「あの……ゆーやさま。わたしともゆびきゅ!ゆびゅりゅりゅりゅ」と顔を赤らめ、頭から湯気を立て上目遣いで俺を見てくる。
なんか可愛かったから何の約束もしないけど指切りげんまんだけしてあげた。
俺達の二年生初めてのイベントはその後の昼食のお弁当や昼からの野菜取りで度々暴走する佳子ちゃんに釣られて暴走する雫ちゃんの二人を俺が取り纏める事になり……
それを見ていたクラスメイトと先生によって、その後のクラス委員長を決める時、満場一致で俺が委員長になりましたとさ。
今年は千葉の空港辺りにある牧場へとやって来たぜ。
「ヒャッハー!」
俺は入り口からすぐに設置された大きな斜面を近くに用意されていたソリに乗って滑り降りる。童心に帰ったみたいで楽しい楽しい。
「うわわわわ!イヤーーー!」
「あはははは!」
雫ちゃんも佳子ちゃんも、まねっこして俺の後から滑り降りてくる。
佳子ちゃんは楽しそうな笑顔を浮かべているが、雫ちゃんは涙目で目を瞑ってしまっている。大変危険なので良い子のみんなはマネしないでください。
雫ちゃんは無事滑り降りたにも関わらず未だに目を瞑ったままキャーキャー悲鳴をあげている。
流石に後続が渋滞をおこしているので俺が肩を叩いて恐慌状態の雫ちゃんを正気に戻す事にした。
そこから俺たちはクラスの皆全員で牛の乳搾りを体験し、新鮮な採れたての乳で作ったソフトクリームを食す。
「おっぱいでつくったソフトクリーム……おいしいね?」
そう言って佳子ちゃんはペロペロと、ソフトクリームをチロリと出した赤い舌で大事にゆっくりと舐め上げている。
ここに万が一大きなお兄さん方が居たら盗撮待ったなしの事案映像である。
そんな佳子ちゃんを眺めていたら、俺の手に持ったソフトクリームがいつの間にか溶け出していて、気が付いた時には手がベタベタになってしまった。
「うわっ!やっちゃった……ハンカチハンカチってベトついて取り出せない……」
「あはっ!ゆぅくんもしっぱいするんだね!て~かして?」
「ん……」
俺がソフトクリームでべたつく手に悪戦苦闘していると、それをにっこりと笑顔で見る佳子ちゃんはハンカチを取り出して俺に手を出すように指示する。
若干恥ずかしかった俺はそっぽを向きながら手を差し出した。
佳子ちゃんが俺の手を取る──ペロッチュパ
「!!!」
「やっぱりおいし~!」
「佳子ちゃん!なにやってん!」
「え?きれいになめてあげようとおもって?」
恐らく俺の顔は現在真っ赤に茹で上がっているだろう。要らない汗が噴き出してくる。
粘膜接触は難易度高けーよ!くそ!
佳子ちゃんは頭に「?」と不思議そうな顔で首を傾げているが絶対こいつは確信犯だ!きっと俺の母親とかに入れ知恵されてるんだ!
俺はつい声を荒げてしまった。
「ハンカチはどーしたハンカチは!」
「え~……ハンカチソフトクリームだらけになっちゃうよ?」
「その為のハンカチだろ!貸して!」
「あ~……ハンカチが~……」
「ほら。俺のハンカチと交換してやるから!」
俺は佳子ちゃんのハンカチを奪い取って唾液とソフトクリームでベトついた手を拭き取って、代わりに俺のハンカチを渡してやった。
「えへへ~こうかんこだね!」
少ししょんぼりしていた佳子ちゃんだが、俺のハンカチを手渡した瞬間、パアッと花が咲いたかのような笑顔を俺に向ける。信じたいこの笑顔。
「あぁ!よしこちゃんずるい!」
「うへへ……ゆぅくんのにおい……」
「わたしのハンカチとこうかんしてあげる!」
「い~や~!」
ハンカチ一枚でなんたる騒ぎか……雫ちゃんが突っ込んで来てハンカチを取り合う二人。姦しいが微笑ましい。
「あはは!なんかおもしろいね!」
「ああ、若林さんか。そうだね、あの二人と居るといつも楽しいよ。若林さんも今度一緒に遊ぼうよ」
「いいの?!わーい!やくそくだよ!ゆびきり!」
「ははっ。指切りだ」
いつの間にか横に居た若林さん。彼女はゲーム同様に抜群のコミュ力を発揮して初めての顔合わせだというのにニコニコと話しかけてくる。
俺もそれにつられて笑い、社交辞令のつもりで誘っただけだったが、大変嬉しそうにされて指切りまでしてしまった。
「「あーー!」」
それを見ていたのか、佳子ちゃんと雫ちゃんはハンカチの取り合いをやめ、ものすごい勢いで若林さんに突貫して行った。
「ゆびきりしてた!なんの!ねぇなんの!」
「わたしだってまだゆーやさまとゆびきりしたことないのにー!ずるいずるい!」
とんでもない圧力だ。コミュ力抜群の若林さんもタジタジで困り顔を俺に向けてくる。
「俺たちが面白そうだから今度一緒に遊ぼうって約束してたんだ」
俺がなんでもないように言うと、佳子ちゃんは「な~んだ」と興味を無くしたのかハンカチをポケットに大事そうにしまい込んだ。
さすが佳子ちゃん。雫ちゃんの意識が逸れた一瞬を逃さない。
雫ちゃんは雫ちゃんで「あの……ゆーやさま。わたしともゆびきゅ!ゆびゅりゅりゅりゅ」と顔を赤らめ、頭から湯気を立て上目遣いで俺を見てくる。
なんか可愛かったから何の約束もしないけど指切りげんまんだけしてあげた。
俺達の二年生初めてのイベントはその後の昼食のお弁当や昼からの野菜取りで度々暴走する佳子ちゃんに釣られて暴走する雫ちゃんの二人を俺が取り纏める事になり……
それを見ていたクラスメイトと先生によって、その後のクラス委員長を決める時、満場一致で俺が委員長になりましたとさ。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
幼馴染みが描いた悪役令嬢ものの世界に「メイド」として転生したので、6年後の断罪イベントをどうにか回避したい
ゆずまめ鯉
恋愛
通勤途中、猫好きではないのに轢かれそうな黒猫をうっかり助けてしまい、死んでしまった主人公──水縞あいり(26)
鳥の囀りで目を覚ますとそこは天国……ではなく知らない天井だった。
狭い個室にはメイド服がかかっている。
とりあえず着替えて備えつけの鏡を見ると、そこには十代前半くらいの子どもの姿があった。
「この顔……どこか見覚えが……」
幼馴染みで漫画家、ミツルギサイチ(御剣才知)が描く、人気漫画「悪役令嬢が断罪されるまで」の登場人物だということに気がつく。
名前はミレア・ホルダー(本名はミレア・ウィン・ティルベリー)
没落貴族の令嬢で、現在、仕えているフランドル侯爵によって領地と洋館を奪われ、復讐のために、フランドル侯爵の長女イザベラが悪役令嬢になるのを止めず、むしろ後押しして見事断罪されてしまうキャラだった。
原作は未完だが、相談を受けていたのでどういう結末を迎えるのか知っている。
「二期アニメもまだ見てないし、どうせ転生するなら村人Aとかヒロインの母親がよかった……!!」
幼馴染みの描く世界に転生してしまった水縞あいり=ミレアが、フランドル侯爵家で断罪回避するべく、イザベラをどうにかお淑やかな女性になるように導いている途中。
病弱で原作だと生死不明になる、イザベラの腹違いの兄エミールに、協力してもらっているうちに求愛されていることに気づいてしまい──。
エミール・ディ・フランドル(20)×ミレア・ウィン・ティルベリー(18)
全30話の予定で現在、執筆中です。2月下旬に完結予定です。
タイトルや内容が変更になる場合もあります。ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる