ギャルゲーの脇役、情報通な彼に転生してしまった!~こうなったらヒロインの一人位は絶対に確保する!~

GARUD

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 小学二年生が始まり、最初の行事は遠足だ。
 今年は千葉の空港辺りにある牧場へとやって来たぜ。

「ヒャッハー!」

 俺は入り口からすぐに設置された大きな斜面を近くに用意されていたソリに乗って滑り降りる。童心に帰ったみたいで楽しい楽しい。

「うわわわわ!イヤーーー!」
「あはははは!」

 雫ちゃんも佳子ちゃんも、まねっこして俺の後から滑り降りてくる。
 佳子ちゃんは楽しそうな笑顔を浮かべているが、雫ちゃんは涙目で目を瞑ってしまっている。大変危険なので良い子のみんなはマネしないでください。
 雫ちゃんは無事滑り降りたにも関わらず未だに目を瞑ったままキャーキャー悲鳴をあげている。
 流石に後続が渋滞をおこしているので俺が肩を叩いて恐慌状態の雫ちゃんを正気に戻す事にした。

 そこから俺たちはクラスの皆全員で牛の乳搾りを体験し、新鮮な採れたての乳で作ったソフトクリームを食す。

「おっぱいでつくったソフトクリーム……おいしいね?」

 そう言って佳子ちゃんはペロペロと、ソフトクリームをチロリと出した赤い舌で大事にゆっくりと舐め上げている。
 ここに万が一大きなお兄さん方が居たら盗撮待ったなしの事案映像である。
 そんな佳子ちゃんを眺めていたら、俺の手に持ったソフトクリームがいつの間にか溶け出していて、気が付いた時には手がベタベタになってしまった。

「うわっ!やっちゃった……ハンカチハンカチってベトついて取り出せない……」
「あはっ!ゆぅくんもしっぱいするんだね!て~かして?」
「ん……」

 俺がソフトクリームでべたつく手に悪戦苦闘していると、それをにっこりと笑顔で見る佳子ちゃんはハンカチを取り出して俺に手を出すように指示する。
 若干恥ずかしかった俺はそっぽを向きながら手を差し出した。
 佳子ちゃんが俺の手を取る──ペロッチュパ

「!!!」
「やっぱりおいし~!」
「佳子ちゃん!なにやってん!」
「え?きれいになめてあげようとおもって?」

 恐らく俺の顔は現在真っ赤に茹で上がっているだろう。要らない汗が噴き出してくる。
 粘膜接触は難易度高けーよ!くそ!

 佳子ちゃんは頭に「?」と不思議そうな顔で首を傾げているが絶対こいつは確信犯だ!きっと俺の母親とかに入れ知恵されてるんだ!
 俺はつい声を荒げてしまった。

「ハンカチはどーしたハンカチは!」
「え~……ハンカチソフトクリームだらけになっちゃうよ?」
「その為のハンカチだろ!貸して!」
「あ~……ハンカチが~……」
「ほら。俺のハンカチと交換してやるから!」

 俺は佳子ちゃんのハンカチを奪い取って唾液とソフトクリームでベトついた手を拭き取って、代わりに俺のハンカチを渡してやった。

「えへへ~こうかんこだね!」

 少ししょんぼりしていた佳子ちゃんだが、俺のハンカチを手渡した瞬間、パアッと花が咲いたかのような笑顔を俺に向ける。信じたいこの笑顔。

「あぁ!よしこちゃんずるい!」
「うへへ……ゆぅくんのにおい……」
「わたしのハンカチとこうかんしてあげる!」
「い~や~!」

 ハンカチ一枚でなんたる騒ぎか……雫ちゃんが突っ込んで来てハンカチを取り合う二人。姦しいが微笑ましい。

「あはは!なんかおもしろいね!」
「ああ、若林さんか。そうだね、あの二人と居るといつも楽しいよ。若林さんも今度一緒に遊ぼうよ」
「いいの?!わーい!やくそくだよ!ゆびきり!」
「ははっ。指切りだ」

 いつの間にか横に居た若林さん。彼女はゲーム同様に抜群のコミュ力を発揮して初めての顔合わせだというのにニコニコと話しかけてくる。
 俺もそれにつられて笑い、社交辞令のつもりで誘っただけだったが、大変嬉しそうにされて指切りまでしてしまった。

「「あーー!」」

 それを見ていたのか、佳子ちゃんと雫ちゃんはハンカチの取り合いをやめ、ものすごい勢いで若林さんに突貫して行った。

「ゆびきりしてた!なんの!ねぇなんの!」
「わたしだってまだゆーやさまとゆびきりしたことないのにー!ずるいずるい!」

 とんでもない圧力だ。コミュ力抜群の若林さんもタジタジで困り顔を俺に向けてくる。

「俺たちが面白そうだから今度一緒に遊ぼうって約束してたんだ」

 俺がなんでもないように言うと、佳子ちゃんは「な~んだ」と興味を無くしたのかハンカチをポケットに大事そうにしまい込んだ。
 さすが佳子ちゃん。雫ちゃんの意識が逸れた一瞬を逃さない。
 雫ちゃんは雫ちゃんで「あの……ゆーやさま。わたしともゆびきゅ!ゆびゅりゅりゅりゅ」と顔を赤らめ、頭から湯気を立て上目遣いで俺を見てくる。
 なんか可愛かったから何の約束もしないけど指切りげんまんだけしてあげた。

 俺達の二年生初めてのイベントはその後の昼食のお弁当や昼からの野菜取りで度々暴走する佳子ちゃんに釣られて暴走する雫ちゃんの二人を俺が取り纏める事になり……
 それを見ていたクラスメイトと先生によって、その後のクラス委員長を決める時、満場一致で俺が委員長になりましたとさ。
 



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