このたび、小さな龍神様のお世話係になりました

一花みえる

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喜雨【7月長編】

【天体観測】

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  短い夜がやってきて、空にはたくさんの星々が舞っていた。ここは空気が綺麗で、空がすんでいる。おかげで星が眩しく見えた。
    そんな美しい星空の下、おみは大声で泣き叫んでいた。
「やーだぁ、りょーたといっしょがいい!」
「でも、このテント小さいから」
「やだああぁぁぁ!    みえぇぇえ」
「うーん……」
    おきつさんたちが用意してくれたテントは、おみ専用の小さいものだ。一緒に寝るどころか、大人は入るのとさえできない。
    それでもおみは一緒に寝たいと駄々をこねる。うーん、困ったな。
「あらあら、おみちゃんったら甘えんぼさんねぇ」
「おいちみたいやん、おきつ姉様帰らないでー!  っち言いよったもんね」
「何千年前の話だ、それは」
    どうにもスケールの大きな話をしている隣で、みぇみぇ泣くおみを抱き上げ、あやしつつどうすればいいか必死に考えていた。まず、このテントでは一緒に寝られない。かといってせっかく用意してもらったものを無下にすることも出来ない。
    他に何かいいアイディアはないだろうか。
「みえぇぇええ!」
「うわっ!   おみ、暴れるな、危ない!」
「みゃー!」
    ぐずりすぎて短い手足をばたつかせた挙句。思い切り俺の腕から転げ落ちそうになった。慌てて抱きとめたので落下することはなかったが、冷や汗をかいてしまう。
    こんなに愚図るのは久しぶりだ。前よりも甘えんぼになったような気がするのは俺だけだろうか。
「もう、おみ、あぶないだろ」
「ほあー……」
「おみ、聞いてるのか?」
「りょーた、みてー!」
「え?」
    空を見上げる体勢になっていたおみが、はしゃいだ声をあげる。つられて俺も上を見てみると。
「すご……」
    満天というのは、まさしくこういうことかと思わせるほどの星々が輝いていた。夏の星座が夜空を彩る。そのどれもが何億光年も先にあるのだと思うと、なんだか今の悩みがちっぽけに感じた。
    テントで寝ようが布団で寝ようが、どちらでも悪くない気もしてくる。いや、本当はちゃんと決めないといけないんだけど。
「今日は一段と空が綺麗だな」
「みんなで星を見ながら眠るのも素敵ねぇ」
「簡単なテントならあるけ、とってくる!」
    そうして、急遽俺達もテントを立ててそこで眠ることになった。蚊に刺されないよう蚊取り線香を焚き、俺はおみの隣に一人用のテントを立てる。
    これならおみも納得するだろう。
「こんぺーとーみたいだねー」
「これだけあると、食べても無くなりそうにないな」
「じゅるり……」
    そうして、みんなで星座をなぞりながらゆったりと眠りについた。
    おみのはしゃぐ声が夏の夜に響いていた。
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