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02別れ
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目を覚まし身体のあちらこちらが痛みながら周りを見渡すと時計が見えた。
時計は朝の5時だと教えてくれる。
そして、全裸で中年男性の腕の中にいる私。
昨日の絶望は薄らいでいた事に気づいて中年男性の胸元に頬ずりをした。
『ありがとう、気持ちが落ち着きました』
「それは良かった」
『っ!?』
突然頭元から低音ボイスが聞こえて驚いくとにっこりと微笑んでいる表情を目撃をした。
『えっと、起きていた…んですか?』
「うん、少し前にね。あまりにも可愛い事するからおじさん勃っちゃった」
『えぇ…』
「大丈夫、すぐに治るから気にしないで」
そう言うと起き上がりベッドから出ていく中年男性に私は戸惑った。
「お嬢さんは学生さんじゃないよね?社会人?それとも人妻?」
『社会人…です』
「なら、今日は平日だし仕事だよね?車を出してあげるから嫌だろうけど家に帰った方が良いよ」
その言葉が重くのし掛かった。
もしかしたら、浮気相手と一緒に過ごしているのかもしれない。
そんな姿見たくない。
「大丈夫、車で待っててあげるから生活出来る分の道具を持っておいで」
『えっ!?』
「おじさん、お嬢さんの事を気に入ったからうちでよければ気が済むまで住んで良いよ」
『い、良いんですか?』
「うん、可愛いお嬢さんと一緒に住めるのは最高です」
にっこり微笑んでくれる。
私はその言葉にホッとすると中年男性に着いて行った。
「じゃあ服は俺の貸すから着替えておいで。大丈夫、俺が着いているからね」
『あの、有難うございます。その昨日も…』
「うん、大丈夫だよ。おじさんも良い思いをさせて貰いましたから」
『…はい』
「ほら、準備をしておいで。ちゃんとおじさんは待っているから」
彼氏より安心感を与えてくれる中年男性に私は安心感が溢れる。
◯◯◯◯
中年男性のダボダボの洋服を着ている私は、今にも肩が見えそうになっている。
だけど気にせず中年男性の車から降りてマンションに向かう。
鍵を出して震える手でドアを開けるとそこには、女性物の靴は無かった。
安心して中に入り、私は大きなバックを探して家を出る準備をした。
『これだけあれば平気』
ボソリと呟いて外に出ようとした時ドアの入り口に彼氏の良平(りょうへい)が立って居た。
「遅い帰りだったなクリス」
『…退いて』
「は?何処いくんだよそんな大荷物を持って」
『何処でも良いでしょ?もう私に構わないでっ!!』
苛立ちで大声を出す私に良平は不機嫌気味に話す。
「勝手に朝帰りしておいてその言い草はどうかと思う。俺の誕生日だったんだけど?」
『……その誕生日に浮気をするのも問題だと思う』
「…は?」
『玄関でえっちをしてたでしょ?私この目でしっかり見たんだから』
「あー、それは魔がさしたと言うか誘われて…すまん」
『…良い。私も浮気したし。だからお互い様だし、これで別れれる』
私がポツリと言うとギョッとした顔で良平はこちらを見る。
「は?浮気…てクリスが??ってか別れるってなんだよ!!結婚しようって言ってただろ!それなのに俺を捨てるのか!?」
『どうして被害者みたいな顔をしているの??先に裏切ったのはそっち。もう、良平に抱かれたく無いって思うし触られたくも無い。だから退いて』
「……う、浮気なら許してやるから戻って来いって。俺、クリス以外考えられない」
『無理です。もう終わったの、良平が浮気した瞬間に私達の関係は…』
「は!?勝手に決めんなっ!!絶対に外になんて行かせるかっ!!」
『勝手な男。私には貴方しか居ないとでも勘違いしたんでしょ?でも、もう良平じゃなくても良い』
ボソリと呟いて荷物を持ち部屋から出ようとすると良平が邪魔をする。
だけど、このまま流されるなんて嫌っ。
私は必死な思いで足掻いていると家のドアが開いた。
「お嬢さん、荷物重いかなって思って貰いに来たよ」
『あ…』
「おい、おっさん!なに勝手に人ん家に入ってるんだよ!?」
良平が苛立ちながら言うと中年男性はにっこり微笑む。
「ん?あぁ、君がクソ野郎か。お嬢さんを泣かせたくせに偉そうにまだ彼氏の座で居たがるなんて、図々しいな」
「…っ!!ふざけんなぁ!!」
良平は中年男性の元に行き殴りかかる。
けれど、中年男性はひょいっと横に避けた。
「ははっ、殴るの下手だね?そんなブレブレのパンチで俺は殴れないよ」
「このっ!!」
まるで三下の様に絡む良平だったけど、中年男性はあっさり避けて軽くお腹を殴った。
触るだけにしか見えなかったが、良平はフラつき座り込む。
「喧嘩慣れてないなら自分から仕掛けない方が良いよ」
「…っ!」
「さぁ、お嬢さん行こうか?」
唖然として居たが中年男性に呼ばれた私は慌てて荷物を持って玄関に向かう。
「まってくれクリス…」
『待たない、もう私達関係ないから。大事な物は持っていってる。だからそれ以外は好きにして』
「クリスっ!!ごめん、ごめんっ!俺が悪かった、だから行かないでくれっ」
泣きながら言う良平を見てもなんとも感じなかった。
昨日のあの時で私の気持ちは終わっていたのだ。
だから、もう…。
『良平、さようなら。今まで有難う』
「クリスっ!!」
『じゃあね』
私は中年男性の元に向かうと靴を履いて玄関ドアを閉めた。
時計は朝の5時だと教えてくれる。
そして、全裸で中年男性の腕の中にいる私。
昨日の絶望は薄らいでいた事に気づいて中年男性の胸元に頬ずりをした。
『ありがとう、気持ちが落ち着きました』
「それは良かった」
『っ!?』
突然頭元から低音ボイスが聞こえて驚いくとにっこりと微笑んでいる表情を目撃をした。
『えっと、起きていた…んですか?』
「うん、少し前にね。あまりにも可愛い事するからおじさん勃っちゃった」
『えぇ…』
「大丈夫、すぐに治るから気にしないで」
そう言うと起き上がりベッドから出ていく中年男性に私は戸惑った。
「お嬢さんは学生さんじゃないよね?社会人?それとも人妻?」
『社会人…です』
「なら、今日は平日だし仕事だよね?車を出してあげるから嫌だろうけど家に帰った方が良いよ」
その言葉が重くのし掛かった。
もしかしたら、浮気相手と一緒に過ごしているのかもしれない。
そんな姿見たくない。
「大丈夫、車で待っててあげるから生活出来る分の道具を持っておいで」
『えっ!?』
「おじさん、お嬢さんの事を気に入ったからうちでよければ気が済むまで住んで良いよ」
『い、良いんですか?』
「うん、可愛いお嬢さんと一緒に住めるのは最高です」
にっこり微笑んでくれる。
私はその言葉にホッとすると中年男性に着いて行った。
「じゃあ服は俺の貸すから着替えておいで。大丈夫、俺が着いているからね」
『あの、有難うございます。その昨日も…』
「うん、大丈夫だよ。おじさんも良い思いをさせて貰いましたから」
『…はい』
「ほら、準備をしておいで。ちゃんとおじさんは待っているから」
彼氏より安心感を与えてくれる中年男性に私は安心感が溢れる。
◯◯◯◯
中年男性のダボダボの洋服を着ている私は、今にも肩が見えそうになっている。
だけど気にせず中年男性の車から降りてマンションに向かう。
鍵を出して震える手でドアを開けるとそこには、女性物の靴は無かった。
安心して中に入り、私は大きなバックを探して家を出る準備をした。
『これだけあれば平気』
ボソリと呟いて外に出ようとした時ドアの入り口に彼氏の良平(りょうへい)が立って居た。
「遅い帰りだったなクリス」
『…退いて』
「は?何処いくんだよそんな大荷物を持って」
『何処でも良いでしょ?もう私に構わないでっ!!』
苛立ちで大声を出す私に良平は不機嫌気味に話す。
「勝手に朝帰りしておいてその言い草はどうかと思う。俺の誕生日だったんだけど?」
『……その誕生日に浮気をするのも問題だと思う』
「…は?」
『玄関でえっちをしてたでしょ?私この目でしっかり見たんだから』
「あー、それは魔がさしたと言うか誘われて…すまん」
『…良い。私も浮気したし。だからお互い様だし、これで別れれる』
私がポツリと言うとギョッとした顔で良平はこちらを見る。
「は?浮気…てクリスが??ってか別れるってなんだよ!!結婚しようって言ってただろ!それなのに俺を捨てるのか!?」
『どうして被害者みたいな顔をしているの??先に裏切ったのはそっち。もう、良平に抱かれたく無いって思うし触られたくも無い。だから退いて』
「……う、浮気なら許してやるから戻って来いって。俺、クリス以外考えられない」
『無理です。もう終わったの、良平が浮気した瞬間に私達の関係は…』
「は!?勝手に決めんなっ!!絶対に外になんて行かせるかっ!!」
『勝手な男。私には貴方しか居ないとでも勘違いしたんでしょ?でも、もう良平じゃなくても良い』
ボソリと呟いて荷物を持ち部屋から出ようとすると良平が邪魔をする。
だけど、このまま流されるなんて嫌っ。
私は必死な思いで足掻いていると家のドアが開いた。
「お嬢さん、荷物重いかなって思って貰いに来たよ」
『あ…』
「おい、おっさん!なに勝手に人ん家に入ってるんだよ!?」
良平が苛立ちながら言うと中年男性はにっこり微笑む。
「ん?あぁ、君がクソ野郎か。お嬢さんを泣かせたくせに偉そうにまだ彼氏の座で居たがるなんて、図々しいな」
「…っ!!ふざけんなぁ!!」
良平は中年男性の元に行き殴りかかる。
けれど、中年男性はひょいっと横に避けた。
「ははっ、殴るの下手だね?そんなブレブレのパンチで俺は殴れないよ」
「このっ!!」
まるで三下の様に絡む良平だったけど、中年男性はあっさり避けて軽くお腹を殴った。
触るだけにしか見えなかったが、良平はフラつき座り込む。
「喧嘩慣れてないなら自分から仕掛けない方が良いよ」
「…っ!」
「さぁ、お嬢さん行こうか?」
唖然として居たが中年男性に呼ばれた私は慌てて荷物を持って玄関に向かう。
「まってくれクリス…」
『待たない、もう私達関係ないから。大事な物は持っていってる。だからそれ以外は好きにして』
「クリスっ!!ごめん、ごめんっ!俺が悪かった、だから行かないでくれっ」
泣きながら言う良平を見てもなんとも感じなかった。
昨日のあの時で私の気持ちは終わっていたのだ。
だから、もう…。
『良平、さようなら。今まで有難う』
「クリスっ!!」
『じゃあね』
私は中年男性の元に向かうと靴を履いて玄関ドアを閉めた。
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