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1話
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「いいかげん、諦めたらどうだい?」
「ッ!」
豚公爵の手が臀部にふれる。
いやらしい手つきに、臭い息。
思わず呼吸をとめた。
彼は豚の様に私の頬を舐めてきた。
ネトネトとした臭い唾液。
ざらざらと生暖かい下の感触が頬をつたう。
「うう!」
思わず悲鳴を上げる。
「ああ、嫌がる顔も、美しい」
豚は喜びの笑みを浮かべた。
そのまま私の唇を奪おうとしてくる。
(いやあああああ)
抵抗した両手が豚公爵に掴まれる。
乾燥しガサガサとした豚の唇が、重なる。
後退するが、後ろは壁だ。
逃げられない。
目をつむる。
口を堅く閉じる。
けれど豚の舌の先っぽが、堅く閉じた唇の間に入り込んできて。
無理矢理口をこじ開けられる。
あっという間に口の中に入れられてしまった。
「むぐう!うう!」
私の口の中を、他人の舌が這いずり回っていく。
(くさい!くさい!くさい!くさい!)
豚の口臭が伝わってきた。
排水が流れるドブのような匂いだった
私の初めてのファーストキス。
大切な人に渡したかった大切なもの。
「おいしい!おいしいよお!」
こんな奪われ方をするなんて。
目から涙がこぼれ落ちた。
(お父様、いつ迎えに来てくれるのですか)
豚の興奮した鼻息。
生暖かい息を感じながら、今だ来ぬ父を思った。
「ッ!」
豚公爵の手が臀部にふれる。
いやらしい手つきに、臭い息。
思わず呼吸をとめた。
彼は豚の様に私の頬を舐めてきた。
ネトネトとした臭い唾液。
ざらざらと生暖かい下の感触が頬をつたう。
「うう!」
思わず悲鳴を上げる。
「ああ、嫌がる顔も、美しい」
豚は喜びの笑みを浮かべた。
そのまま私の唇を奪おうとしてくる。
(いやあああああ)
抵抗した両手が豚公爵に掴まれる。
乾燥しガサガサとした豚の唇が、重なる。
後退するが、後ろは壁だ。
逃げられない。
目をつむる。
口を堅く閉じる。
けれど豚の舌の先っぽが、堅く閉じた唇の間に入り込んできて。
無理矢理口をこじ開けられる。
あっという間に口の中に入れられてしまった。
「むぐう!うう!」
私の口の中を、他人の舌が這いずり回っていく。
(くさい!くさい!くさい!くさい!)
豚の口臭が伝わってきた。
排水が流れるドブのような匂いだった
私の初めてのファーストキス。
大切な人に渡したかった大切なもの。
「おいしい!おいしいよお!」
こんな奪われ方をするなんて。
目から涙がこぼれ落ちた。
(お父様、いつ迎えに来てくれるのですか)
豚の興奮した鼻息。
生暖かい息を感じながら、今だ来ぬ父を思った。
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