【完結】もう二度と、あなた達のことは愛しませんから。

不死じゃない不死鳥(ただのニワトリ)

文字の大きさ
13 / 16

13話

使用人視点。


「また売上が下がってるじゃないか!なんでだ!こんなに頑張っているのに!」


「領主様、落ち着きください」


「黙れ!」


領主様の拳が頬に当たります。
思わず私は倒れました。


ここ一年で工場の経営状態は急激に悪化しています。
以前までの好調がウソであったかのようです。


優秀な労働者はいな別の工場に引き抜かれてしまいました。
製品の質も落ち、シェアも他の工場に奪われ続けています。


赤字ばかりです。


ですが旦那様はそれを皆に隠しています。
まったく平気だという顔をして、贅沢もやめません。


奥様やアイリス様、領民の皆様にいい顔ばかりしてるのです。


借金はどんどんと膨らんでいます。
このままではこの工場すら売却する羽目になるでしょう。


ですが、私は悲しいとは思っておりません。
それどころか嬉しいのです。


(フレデリカ様。よくぞお元気で)


なぜなら私達の商売敵がフレデリカ様であったからです。
彼女はどうやったかはわかりませんがポルコ様を味方に付けました。


そして圧倒的な資金力で私達を圧倒しているのです。


ただ資金力だけが強さの秘訣ではありません。
フレデリカ様は、きちんと学びながら事業を進めておられます。


最初はお金しか取り柄がありませんでしたが、今では知識は領主様以上でしょう。
とても立派になられていて、感服いたしました。


「来月までに売上を倍にしろ!そうしなければお前は首だ!」


「ば、倍!?ですか!?そんなことは不可能です!?」


「知らねえよ!やることをやれ!」


領主様はそうは吐き捨てると、不機嫌そうに部屋から出て行きました。
来月までに売上を2倍にするなど不可能な命令です。


どうやら私もこれまでのようです。


工場の資料を集めるだけ集めます。
そして鞄につめて立ち上がります。


こんな所は、もうおさらばです。


私は、アリシア様の元に行きます。
工場の情報を手土産として。


長く勤めた家でありましたが、もういいでしょう。


部屋を出ると領主様と奥様と、アイリス様。
そして新しいご家族であるアルト様がいらっしゃいました。


みなさんでご機嫌に食事をとっておられます。
資金難であるというのに、とても豪勢なお食事です。


「お父様!新しいバッグがほしいの!」


「私も、アルトに新しい玩具を買ってあげたいわ」


「構わんよ。欲しいものは何でも言ってくれたまえ」


断れぬ領主様は、皆様の要求を快く了承してしまいます。
今が工場が存続できるかどうかの瀬戸際にあるというのに。


失敗は必然、成功は偶然であります。
彼らは必ず負けてしまいますでしょう。


(今まで、お世話になりました)


長く使えた領主様に頭をさげます。
そしてアリシア様の元に歩み始めるのでありました。

感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】私の事は気にせずに、そのままイチャイチャお続け下さいませ ~私も婚約解消を目指して頑張りますから~

山葵
恋愛
ガルス侯爵家の令嬢である わたくしミモルザには、婚約者がいる。 この国の宰相である父を持つ、リブルート侯爵家嫡男レイライン様。 父同様、優秀…と期待されたが、顔は良いが頭はイマイチだった。 顔が良いから、女性にモテる。 わたくしはと言えば、頭は、まぁ優秀な方になるけれど、顔は中の上位!? 自分に釣り合わないと思っているレイラインは、ミモルザの見ているのを知っていて今日も美しい顔の令嬢とイチャイチャする。 *沢山の方に読んで頂き、ありがとうございます。m(_ _)m

最後に一つだけ。あなたの未来を壊す方法を教えてあげる

椿谷あずる
恋愛
婚約者カインの口から、一方的に別れを告げられたルーミア。 その隣では、彼が庇う女、アメリが怯える素振りを見せながら、こっそりと勝者の微笑みを浮かべていた。 ──ああ、なるほど。私は、最初から負ける役だったのね。 全てを悟ったルーミアは、静かに微笑み、淡々と婚約破棄を受け入れる。 だが、その背中を向ける間際、彼女はふと立ち止まり、振り返った。 「……ねえ、最後に一つだけ。教えてあげるわ」 その一言が、すべての運命を覆すとも知らずに。 裏切られた彼女は、微笑みながらすべてを奪い返す──これは、華麗なる逆転劇の始まり。

とある伯爵の憂鬱

如月圭
恋愛
マリアはスチュワート伯爵家の一人娘で、今年、十八才の王立高等学校三年生である。マリアの婚約者は、近衛騎士団の副団長のジル=コーナー伯爵で金髪碧眼の美丈夫で二十五才の大人だった。そんなジルは、国王の第二王女のアイリーン王女殿下に気に入られて、王女の護衛騎士の任務をしてた。そのせいで、婚約者のマリアにそのしわ寄せが来て……。

報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜

矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』 彼はいつだって誠実な婚約者だった。 嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。 『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』 『……分かりました、ロイド様』 私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。 結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。 なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。

【完結】お飾り妃〜寵愛は聖女様のモノ〜

恋愛
今日、私はお飾りの妃となります。 ※実際の慣習等とは異なる場合があり、あくまでこの世界観での要素もございますので御了承ください。

悪役令嬢の涙

拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。

死ぬまでに叶えたい十の願い

木風
恋愛
「あなたを妻として、愛することはない。おそらく、生涯抱くこともないだろう」 三年間の白い結婚——捨て置かれた王太子妃エリアーナに、側妃が『死の呪い』をかけ余命一年を宣告する。 離縁を願うも拒否され、代わりに「死ぬまでに十の願いを叶えて」と契約する—— 二人きりの外出、星空、海…ささやかな願いが王太子の心をほどいていく。

【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後

綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、 「真実の愛に目覚めた」 と衝撃の告白をされる。 王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。 婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。 一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。 文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。 そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。 周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?