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小規模ギルドのある町
第4話 ダンジョン内にて
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暗がりの中頼りになるのは手元の松明と制限された五感のみ。
その上、深層に行くにつれ増す寒さと強さを増す生態系。
北の洞窟探索は容易ではなかった。
松明の届かない暗がりから蝙蝠や狼が冒険者を襲う。剥ぎ取り用に持ち歩いているナイフで始末していく。
ある者はナイフだけでは対応しきれず、狭い洞窟内で低い姿勢で器用に雑魚を突き殺している。
「広場だ!」先頭を走る冒険者が言うと共に全員が狭い通路から広場に出る。
広場に着くと地図を広げた男が首をかしげながら、「地形が変わっている?」などと呟いている。
「全員武器を構えろ!誘い込まれた」魔法使いが辺りを照らし始めると先程地図を持っていた男が叫ぶ。
男は周囲を探ると走りだし、武器を振りかざす。
するとそこに暗がりから四足獣が飛び出して来、男と鈍い衝撃音を出す。
男は体制を崩し転がりながらも指示を出す。
明かりが洞窟内を照らし、四足獣の姿が露になってくる。
ソレは赤黒く、どころどころに鉱石のようなものを身に纏っている。
頭部は特に大きな鉱石が装備してあり、大きく裂けた口廻り以外を覆っている。そしてその口には長細い歯があった。
魔法使いが火球をモンスターに放つが、軽くかわす。魔法使いが火球を放ち続けるのをかいくぐりながら、先程四足獣に飛ばされた男がモンスターに切りかかる。
四足獣は軽快に飛び、それらの攻撃をかわす。だが剣士がモンスターの着地した瞬間に大剣を振りかざす。
ガチンという鈍い音が洞窟内に響く。
「鉱石のついていない箇所を狙え」
「あいにくそういうキャラではなくてね」
「何かで足止めさせろ。ベラ、範囲攻撃はできるか?」
「時間はかかるわよ?」
「ダンと一緒に時間を稼ぐ。ダン!しばらく援護射撃はないが耐えられるか?」
「チマチマ打たれてない方が、動きやすくていい」
指示を出す男は徐々にモンスターの動きに慣れてき、幾度も切りかかるがダメージを与えられてはいない。
「今だ」その指示が出ると共に、剣士が飛び上がり高らかに上げた大剣を振りかざす。
先程より大きな鈍い音がなるが、敵は仕留められない。
「普通にやってもダメージは与えられそうにないぞ!」
「・・・」指示を出す男はしばらく考え込む。
「準備できたわ!」
「範囲魔法で動きを止めた後に術を使い、その上で鉱石の少ない関節を攻撃しろ!」
動きに慣れた来た男二人が切りかかり、飛び回っていたモンスターの動きを抑制する。
「ベラやれ!」男二人がモンスターから離れると、モンスターを中心に魔方陣が広がる。モンスターは魔方陣から出ようとするも、その前に魔法が発動する。すさまじい炎の渦がモンスターを襲う。
「やるか?」
「まて、様子がおかしい」
「効いていない?まさか火に対する耐性持ち?聞いてた話と違うんですけど?」
雪山のモンスターであれば相対的に火に弱く、耐性を持っていることは滅多にない。また、普通は迷宮変動を起こしても新たな生態系が発生することはない。あくまでも迷宮変動では地形やアイテムの入れ替わり、以前の生態系の延長線上にあるモンスターの強化が起きるのみである。
「火属性攻撃に頼るのは、このモンスターに限っては辞める。無属性攻撃と他の属性攻撃をためしこのダンジョンを脱出する」
北の洞窟から脱出した冒険者一行は現在険悪な雰囲気でギルドに向かっている。
長年一緒に旅しているパーティーと違って即席では、一度揉め事が起こると非常に脆い。
一緒にダンジョンにもぐるということは、収益だけでなく生命も共有することになる。そのため事前情報が間違っていたり、成功に至るための材料が不足しているということは論外である。
全員に文句を言われている男は何も言えずに、メモに考えをまとめている。
「おい何か言ったらどうなんだ?あれはなんなんだ敵は大人狼じゃなかったのか?」
「そのはずだが、他にも中ボスが存在するようだ。あそこの雑魚モンスター辺りの突然変異か、どこからか渡ってきたか・・・」
さんざん文句を言い終わり少し冷静になった彼らは先程のモンスターについて考える。
「もう、ギルドに着く。報告は私の方でやっていくので、報酬は後日ギルドから引き取ってくれ。今回は私のミスで皆に迷惑をかけた。申し訳ない」
そう言って男は一行と別れた。
その上、深層に行くにつれ増す寒さと強さを増す生態系。
北の洞窟探索は容易ではなかった。
松明の届かない暗がりから蝙蝠や狼が冒険者を襲う。剥ぎ取り用に持ち歩いているナイフで始末していく。
ある者はナイフだけでは対応しきれず、狭い洞窟内で低い姿勢で器用に雑魚を突き殺している。
「広場だ!」先頭を走る冒険者が言うと共に全員が狭い通路から広場に出る。
広場に着くと地図を広げた男が首をかしげながら、「地形が変わっている?」などと呟いている。
「全員武器を構えろ!誘い込まれた」魔法使いが辺りを照らし始めると先程地図を持っていた男が叫ぶ。
男は周囲を探ると走りだし、武器を振りかざす。
するとそこに暗がりから四足獣が飛び出して来、男と鈍い衝撃音を出す。
男は体制を崩し転がりながらも指示を出す。
明かりが洞窟内を照らし、四足獣の姿が露になってくる。
ソレは赤黒く、どころどころに鉱石のようなものを身に纏っている。
頭部は特に大きな鉱石が装備してあり、大きく裂けた口廻り以外を覆っている。そしてその口には長細い歯があった。
魔法使いが火球をモンスターに放つが、軽くかわす。魔法使いが火球を放ち続けるのをかいくぐりながら、先程四足獣に飛ばされた男がモンスターに切りかかる。
四足獣は軽快に飛び、それらの攻撃をかわす。だが剣士がモンスターの着地した瞬間に大剣を振りかざす。
ガチンという鈍い音が洞窟内に響く。
「鉱石のついていない箇所を狙え」
「あいにくそういうキャラではなくてね」
「何かで足止めさせろ。ベラ、範囲攻撃はできるか?」
「時間はかかるわよ?」
「ダンと一緒に時間を稼ぐ。ダン!しばらく援護射撃はないが耐えられるか?」
「チマチマ打たれてない方が、動きやすくていい」
指示を出す男は徐々にモンスターの動きに慣れてき、幾度も切りかかるがダメージを与えられてはいない。
「今だ」その指示が出ると共に、剣士が飛び上がり高らかに上げた大剣を振りかざす。
先程より大きな鈍い音がなるが、敵は仕留められない。
「普通にやってもダメージは与えられそうにないぞ!」
「・・・」指示を出す男はしばらく考え込む。
「準備できたわ!」
「範囲魔法で動きを止めた後に術を使い、その上で鉱石の少ない関節を攻撃しろ!」
動きに慣れた来た男二人が切りかかり、飛び回っていたモンスターの動きを抑制する。
「ベラやれ!」男二人がモンスターから離れると、モンスターを中心に魔方陣が広がる。モンスターは魔方陣から出ようとするも、その前に魔法が発動する。すさまじい炎の渦がモンスターを襲う。
「やるか?」
「まて、様子がおかしい」
「効いていない?まさか火に対する耐性持ち?聞いてた話と違うんですけど?」
雪山のモンスターであれば相対的に火に弱く、耐性を持っていることは滅多にない。また、普通は迷宮変動を起こしても新たな生態系が発生することはない。あくまでも迷宮変動では地形やアイテムの入れ替わり、以前の生態系の延長線上にあるモンスターの強化が起きるのみである。
「火属性攻撃に頼るのは、このモンスターに限っては辞める。無属性攻撃と他の属性攻撃をためしこのダンジョンを脱出する」
北の洞窟から脱出した冒険者一行は現在険悪な雰囲気でギルドに向かっている。
長年一緒に旅しているパーティーと違って即席では、一度揉め事が起こると非常に脆い。
一緒にダンジョンにもぐるということは、収益だけでなく生命も共有することになる。そのため事前情報が間違っていたり、成功に至るための材料が不足しているということは論外である。
全員に文句を言われている男は何も言えずに、メモに考えをまとめている。
「おい何か言ったらどうなんだ?あれはなんなんだ敵は大人狼じゃなかったのか?」
「そのはずだが、他にも中ボスが存在するようだ。あそこの雑魚モンスター辺りの突然変異か、どこからか渡ってきたか・・・」
さんざん文句を言い終わり少し冷静になった彼らは先程のモンスターについて考える。
「もう、ギルドに着く。報告は私の方でやっていくので、報酬は後日ギルドから引き取ってくれ。今回は私のミスで皆に迷惑をかけた。申し訳ない」
そう言って男は一行と別れた。
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