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小規模ギルドのある町
第5話 少年の猛進
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まだ日も上りきっていない暗がりの中、狩人としての感覚で猛禽の姿を感じとる。音もなく射程圏内に目標をとらえ静かに、ずばやかに射る。
直撃する直前に目標は攻撃をかわす。だが、技をかけた矢の効果で空中でバランスを崩す。
そこへ木の枝を飛び越えて近づきながら速射する。
何射かくらい高い悲鳴をあげる猛禽。
すると、猛禽を中心に魔方陣が展開し、崩壊する。
猛禽は膨れ上がり異形なモンスターの姿を晒す。木の幹を蹴り飛ばしモンスターの腹を裂こうとする。
対し敵はそれを猛禽類特有の高音を発しながら、爪で迎え撃つ。だがその爪は空を切る。
狩人の技の幻影の効果の一種である。
戸惑っているモンスターの上空からナイフで頸部を断つ。
奇声をあげる怪鳥から距離を取りながら力強く弓を引く。狩人として最大限の移動速度で敵を引き離し、地面に飛び降りモンスターを正面にとらえ、覚えたての術を発動させる。
矢は弓から放たれ、目標に到達するにしたがって周囲の魔素を吸収していき、威力を増していく。
矢がモンスターを吹き飛ばす。自らの三倍はあるかと思う巨体が軽く吹き飛ぶ姿は壮観であった。
だが、まだ止めが刺せていない。急いで敵の元に行き、体勢を戻せられていない状態のモンスターに追い討ちをかける。
夜行性の敵に対して絶好の時間に勝負を挑んだとはいえ、独りで始末できた。勿論いつものメンバーであれば更に楽勝であったが・・・。
とにかく、ジャンのいた頃の俺ではない。
新技を成功させた満足感を感じながら、モンスターを部位ごとに捌いていく。
仲間と仕事をするときは、援護することに集中しなければならない。そのため、新技を試すことがなかなかできない。
だからと言うわけでもないが、たまにはこうして独りでミッションに挑む。
最近こういったことが多くなってきた。他のメンバーに知られたら嫌な顔をされるだろうが、気持ちを切り替えるにはいい。
他のメンバーも新技を取得し、チームとしての連携もとれてきた。
とはいえ周りは現状に満足しすぎている。向上心が少ない。
もっと簡単に達成できる目標をチームとして立てるべきなのだろうか?
町に戻ると入り口にティシャが待っていた。やはりばれていたのか。
だが、特にやましいことをしているわけではない。
朝の挨拶だけして去ろうとする。
「どういうつもりなの?これから独りでやっていくつもり?」
後ろでヒステリック気味に怒鳴られる。
「必要とあれば」そのまま歩きながらティシャに嫌みったらしく言うと、ふざけないでよとかいい加減にしなさいだとか言われているが、気にせずギルドに向かう。
ギルドではいつも通り北の洞窟の話でもちきりであった。
そこでの話を聞く限り一部の階層では、出入りの許可が出ているらしい。
ギルドのボードを確認するとなるほど、確かに北の洞窟が解禁されている。
そこの開示情報を見ると、他のダンジョンよりも見取り図の情報やモンスターの生息図が詳細に書かれてある。
噂通り調査チームがよく働いているようだ。
最近ではあの男は中級パーティを誘ってギルドの深部の調査を進めているようだ。
以前は上級パーティのリーダー格・・・つまり、5や6等級達とつるんでいたはずだが・・・調査も佳境にかかっているのだろうか。
そう考えながらギルドで手続きを済ませる。受付嬢からは独りで成功させたことについて何か言われるかと思ったが、怪訝そうな表情をされただけですんだ。
直撃する直前に目標は攻撃をかわす。だが、技をかけた矢の効果で空中でバランスを崩す。
そこへ木の枝を飛び越えて近づきながら速射する。
何射かくらい高い悲鳴をあげる猛禽。
すると、猛禽を中心に魔方陣が展開し、崩壊する。
猛禽は膨れ上がり異形なモンスターの姿を晒す。木の幹を蹴り飛ばしモンスターの腹を裂こうとする。
対し敵はそれを猛禽類特有の高音を発しながら、爪で迎え撃つ。だがその爪は空を切る。
狩人の技の幻影の効果の一種である。
戸惑っているモンスターの上空からナイフで頸部を断つ。
奇声をあげる怪鳥から距離を取りながら力強く弓を引く。狩人として最大限の移動速度で敵を引き離し、地面に飛び降りモンスターを正面にとらえ、覚えたての術を発動させる。
矢は弓から放たれ、目標に到達するにしたがって周囲の魔素を吸収していき、威力を増していく。
矢がモンスターを吹き飛ばす。自らの三倍はあるかと思う巨体が軽く吹き飛ぶ姿は壮観であった。
だが、まだ止めが刺せていない。急いで敵の元に行き、体勢を戻せられていない状態のモンスターに追い討ちをかける。
夜行性の敵に対して絶好の時間に勝負を挑んだとはいえ、独りで始末できた。勿論いつものメンバーであれば更に楽勝であったが・・・。
とにかく、ジャンのいた頃の俺ではない。
新技を成功させた満足感を感じながら、モンスターを部位ごとに捌いていく。
仲間と仕事をするときは、援護することに集中しなければならない。そのため、新技を試すことがなかなかできない。
だからと言うわけでもないが、たまにはこうして独りでミッションに挑む。
最近こういったことが多くなってきた。他のメンバーに知られたら嫌な顔をされるだろうが、気持ちを切り替えるにはいい。
他のメンバーも新技を取得し、チームとしての連携もとれてきた。
とはいえ周りは現状に満足しすぎている。向上心が少ない。
もっと簡単に達成できる目標をチームとして立てるべきなのだろうか?
町に戻ると入り口にティシャが待っていた。やはりばれていたのか。
だが、特にやましいことをしているわけではない。
朝の挨拶だけして去ろうとする。
「どういうつもりなの?これから独りでやっていくつもり?」
後ろでヒステリック気味に怒鳴られる。
「必要とあれば」そのまま歩きながらティシャに嫌みったらしく言うと、ふざけないでよとかいい加減にしなさいだとか言われているが、気にせずギルドに向かう。
ギルドではいつも通り北の洞窟の話でもちきりであった。
そこでの話を聞く限り一部の階層では、出入りの許可が出ているらしい。
ギルドのボードを確認するとなるほど、確かに北の洞窟が解禁されている。
そこの開示情報を見ると、他のダンジョンよりも見取り図の情報やモンスターの生息図が詳細に書かれてある。
噂通り調査チームがよく働いているようだ。
最近ではあの男は中級パーティを誘ってギルドの深部の調査を進めているようだ。
以前は上級パーティのリーダー格・・・つまり、5や6等級達とつるんでいたはずだが・・・調査も佳境にかかっているのだろうか。
そう考えながらギルドで手続きを済ませる。受付嬢からは独りで成功させたことについて何か言われるかと思ったが、怪訝そうな表情をされただけですんだ。
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