9 / 76
第9話 ホームレス、砦を再建する
しおりを挟む
さて、ここに転生してから毎回絶体絶命なわけだが、今回は特にやばい。
いきなりゲーム序盤の難所を迎えた。
おそらく、今回の試練がうまくいかなければ、歴史イベントが発生し一気にバッドエンドに突入だ。
もしかしたら、守備隊長のゴーリキさんが死んでもダメかもしれない。
さらに、リセマラは不可能で失敗したら即終了。
大陸最強国家と正面から戦争をすれば、ヴォルフスブルクは1週間ももたないだろうし。
今回は、慎重にならなくてはいけない。
補給の関係で、敵の攻撃はだいたい1週間間隔らしい。だが、今の状態の砦なら簡単に崩壊するし、1発でも直撃弾をくらえば即終了だ。
前回の挑発が3日前らしいから、残された日数はあと4日か。
となると、はっきり言ってなおす余裕はない。
なにかしらの裏道を見つけなくてはいけないな。
これって完全に「墨俣一夜城」だよな。豊臣秀吉が出世の糸口になった極めて短期間での城を作ってしまった伝説。たしか、木を先に加工しておいて、船で運んで時間を短縮したんだっけ?
でも、この付近にそれができる川なんかないし……そもそも、これはどちらかと言えば西洋建築だもんな。木材使わないよね。床くらいかな?
俺、文系だし図面とかよくわからない……完全に専門外の注文だ。
そもそも、ホームレスになろうと思って、ダンボールを用意して寒さをしのげずに転生したくらいだもんな。
いや、待てよ。
ダンボール!!!!
そうか、これがある。
「(ターニャ、教えてくれ。ダンボールはお前の能力でいくらでも作り出せるんだよな?)」
『まぁ、そうですけど?』
「(それで、昨日の決闘みたいにダンボールの強度を上げる魔力は、どれくらい持つんだ?)」
『さすがに、24時間くらいですよ。半永久効果にするには、強度が足りないですからね』
「十分だ!! これならいけるぞ」
俺は勝利を宣言した。
俺の一夜城建設が始まった。
※
―ザルツ公国軍国境警備隊―
「隊長!! ヴォルフスブルク王国のアール砦に動きがありました」
「なに!? 先週の挑発で大きなダメージを与えたからな。もしかすると、ついにこちらに反撃する気になったのか? ならば、武器などが運び込まれているのか? こちらも守備陣形を整えなくてはな。グレア帝国が援軍に来るまで耐えきれば、こちらの勝ちだ」
「いえ、それが……」
「なんだ、はっきり言え」
「それが茶色い紙のようなものを壁に巻きつけはじめまして……」
「はぁ??」
「スパイが言うには、紙よりも少し厚い茶色い物体と……どうみても大砲に対処できるものではないと……もしかすると、何かの儀式でも始める可能性が」
「失笑ものだな。ついに神頼みか? ならば、チャンスだ。明日にはすべての準備が整う。一気に砦を崩壊させるぞ」
※
「大丈夫なのですか、クニカズ殿……こんな防備で……」
ゴーリキ隊長は心配そうだ。だからこそ、俺はあの名言を彼に贈る。
「大丈夫ですよ、問題ない!!」
砦の中には、あのダンボール特有の匂いが広がっている。
「ゴーリキ隊長。ご安心ください。この茶色い物体は、クニカズ様の作り出すマジックアイテムなのですよ。これには幾重にも強化魔力がかけられていて想像以上に丈夫です。我が剣技でも突破ができなかったくらいですから」
「なんと……アルフレッドの剣が通用しなかったんですか!?」
「はい。ダメージを与えることもできずに敗北しました。あそこまでの完敗は生まれて初めてでしたから……」
アルフレッドの話を聞いて、砦内の不穏な雰囲気は落ち着いていく。
やっぱりすごいな、こいつ。
そんな話をしている巨大な爆音が砦に響いた。ついに攻撃が始まったんだ!!
ターニャに聞いて、今回は魔力防御力を強化した。この世界の大砲は火薬ではなく魔力を応用しているので魔力無効化のコーティングを施している。
爆音だけは響くが、砦の内部に攻撃は一切影響を与えなかった。ダンボールが完全に攻撃をシャットアウトしていた。
「まさか!! あんな薄い壁ですべての攻撃を弾くのか!」
「いったいどれだけの魔力を込めているんだァ」
「なんという魔力ポテンシャル」
「怪物だ。すごすぎる!!」
「なんでこんなすごいマジックアイテムをあんなに量産できるんだ。どういう論理になっているのかさっぱりわからん」
※
―ザルツ公国軍国境警備隊―
「隊長ダメです。あの砦の紙のようなものを突破できません!!」
「なんだと!? なぜ、あんな吹けば飛ぶようなものを壊せないんだ!?」
「わかりません。マジックコーティングがほどこされている可能性も」
「そのような高価なものを貧乏なヴォルフスブルクが量産できるわけがないだろ!! バカなことをいうな」
「では、あれはいったい?」
「ええい、こうなったら大砲ではらちが明かない。突撃だ、私に続け!!」
いきなりゲーム序盤の難所を迎えた。
おそらく、今回の試練がうまくいかなければ、歴史イベントが発生し一気にバッドエンドに突入だ。
もしかしたら、守備隊長のゴーリキさんが死んでもダメかもしれない。
さらに、リセマラは不可能で失敗したら即終了。
大陸最強国家と正面から戦争をすれば、ヴォルフスブルクは1週間ももたないだろうし。
今回は、慎重にならなくてはいけない。
補給の関係で、敵の攻撃はだいたい1週間間隔らしい。だが、今の状態の砦なら簡単に崩壊するし、1発でも直撃弾をくらえば即終了だ。
前回の挑発が3日前らしいから、残された日数はあと4日か。
となると、はっきり言ってなおす余裕はない。
なにかしらの裏道を見つけなくてはいけないな。
これって完全に「墨俣一夜城」だよな。豊臣秀吉が出世の糸口になった極めて短期間での城を作ってしまった伝説。たしか、木を先に加工しておいて、船で運んで時間を短縮したんだっけ?
でも、この付近にそれができる川なんかないし……そもそも、これはどちらかと言えば西洋建築だもんな。木材使わないよね。床くらいかな?
俺、文系だし図面とかよくわからない……完全に専門外の注文だ。
そもそも、ホームレスになろうと思って、ダンボールを用意して寒さをしのげずに転生したくらいだもんな。
いや、待てよ。
ダンボール!!!!
そうか、これがある。
「(ターニャ、教えてくれ。ダンボールはお前の能力でいくらでも作り出せるんだよな?)」
『まぁ、そうですけど?』
「(それで、昨日の決闘みたいにダンボールの強度を上げる魔力は、どれくらい持つんだ?)」
『さすがに、24時間くらいですよ。半永久効果にするには、強度が足りないですからね』
「十分だ!! これならいけるぞ」
俺は勝利を宣言した。
俺の一夜城建設が始まった。
※
―ザルツ公国軍国境警備隊―
「隊長!! ヴォルフスブルク王国のアール砦に動きがありました」
「なに!? 先週の挑発で大きなダメージを与えたからな。もしかすると、ついにこちらに反撃する気になったのか? ならば、武器などが運び込まれているのか? こちらも守備陣形を整えなくてはな。グレア帝国が援軍に来るまで耐えきれば、こちらの勝ちだ」
「いえ、それが……」
「なんだ、はっきり言え」
「それが茶色い紙のようなものを壁に巻きつけはじめまして……」
「はぁ??」
「スパイが言うには、紙よりも少し厚い茶色い物体と……どうみても大砲に対処できるものではないと……もしかすると、何かの儀式でも始める可能性が」
「失笑ものだな。ついに神頼みか? ならば、チャンスだ。明日にはすべての準備が整う。一気に砦を崩壊させるぞ」
※
「大丈夫なのですか、クニカズ殿……こんな防備で……」
ゴーリキ隊長は心配そうだ。だからこそ、俺はあの名言を彼に贈る。
「大丈夫ですよ、問題ない!!」
砦の中には、あのダンボール特有の匂いが広がっている。
「ゴーリキ隊長。ご安心ください。この茶色い物体は、クニカズ様の作り出すマジックアイテムなのですよ。これには幾重にも強化魔力がかけられていて想像以上に丈夫です。我が剣技でも突破ができなかったくらいですから」
「なんと……アルフレッドの剣が通用しなかったんですか!?」
「はい。ダメージを与えることもできずに敗北しました。あそこまでの完敗は生まれて初めてでしたから……」
アルフレッドの話を聞いて、砦内の不穏な雰囲気は落ち着いていく。
やっぱりすごいな、こいつ。
そんな話をしている巨大な爆音が砦に響いた。ついに攻撃が始まったんだ!!
ターニャに聞いて、今回は魔力防御力を強化した。この世界の大砲は火薬ではなく魔力を応用しているので魔力無効化のコーティングを施している。
爆音だけは響くが、砦の内部に攻撃は一切影響を与えなかった。ダンボールが完全に攻撃をシャットアウトしていた。
「まさか!! あんな薄い壁ですべての攻撃を弾くのか!」
「いったいどれだけの魔力を込めているんだァ」
「なんという魔力ポテンシャル」
「怪物だ。すごすぎる!!」
「なんでこんなすごいマジックアイテムをあんなに量産できるんだ。どういう論理になっているのかさっぱりわからん」
※
―ザルツ公国軍国境警備隊―
「隊長ダメです。あの砦の紙のようなものを突破できません!!」
「なんだと!? なぜ、あんな吹けば飛ぶようなものを壊せないんだ!?」
「わかりません。マジックコーティングがほどこされている可能性も」
「そのような高価なものを貧乏なヴォルフスブルクが量産できるわけがないだろ!! バカなことをいうな」
「では、あれはいったい?」
「ええい、こうなったら大砲ではらちが明かない。突撃だ、私に続け!!」
1
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。
三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。
……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」
その言葉は、もう何度聞いたか分からない。
霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。
周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。
同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。
――俺だけが、何もできない。
反論したい気持ちはある。
でも、できない事実は変わらない。
そんな俺が、
世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて――
この時は、まだ知る由もなかった。
これは――
妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる