10 / 76
第10話 ホームレス、無双するってよ
しおりを挟む
「大変です。ザルツ公国軍守備隊が国境を越えました!! こちらに向かって進行中です」
見張りを担当していた兵士が慌てて伝令に来た。
「なんだと!? 数はどのくらいだ?」
ゴーリキさんが確認する。
「約300です」
「こちらの兵力は120……まずいぞ、圧倒的不利だ」
「やっぱりあいつら戦争の準備をしていたんだな」
「くそ、こうなったら砦を枕に玉砕してやる!!」
全体的に悲壮感が漂っている。
「いや、待ってくれ。みんな、これはおかしいよ」
俺はみんなを落ち着かせるために叫んだ。
「どういうことですか、クニカズ様?」
アルフレッドはやはり冷静だ。
「だってさ、普通、戦争を始めるなら一気に大軍で来るよな。下手に戦力を逐次投入するのは愚行だろ? 普通は宣戦布告と同時にグレア帝国軍とともに一気に侵攻してくるはずだ。それなのに、敵は国境警備隊の一部だけ。おかしいだろう」
「たしかにそうですが……」
「だから、これはたぶん現場の暴走だ。きっと、大砲の攻撃が効果がなく血気盛んな前線指揮官が暴走しただけですよ。それならこっちにも大義名分があります」
「どういうことですか?」
「我々は不法に国境を越えた犯罪者を捕まえるだけです。国境警備隊をほとんど捕虜にしてしまえばいいんですよ。逮捕という名目でね。だってそうでしょう? あいつらは暴走して正式な命令もなく国境を越えてしまった。俺たちは攻撃を仕掛けられた側で、戦闘はヴォルフスブルク内で行われた。捕虜もこちらに収容されている。どう考えてもザルツ公国側の不法行為です。証拠もそろっていて、捕虜たちにも証言をさせれば国際的な批難を浴びるのは公国側です。いくら同盟関係があっても、グレア帝国ですら、こんなに証拠があれば擁護できないはずですよ」
「それはそうだが……数では向こうが有利だ。どうやって捕虜にするんだ? 砦を破壊されては意味がないぞ」
「大丈夫ですよ、隊長! 俺が何とかしますから……援護してくれるよな、アルフレッド!!」
ここで下手に守備隊に犠牲者が出れば、歴史イベントに突入しかねない。
ここは俺とアルフレッドが解決するのが最適解だ。
※
「そこのザルツ公国人たち……止まりなさい。あんたたちは、何の許可もなく国境を侵犯した。これは不法行為だ。武装解除して大人しく降伏しなさい」
俺は、ダンボールをマイク代わりにそう通告した。
『あらあら、センパイ。今日はずいぶんと勇ましいですね』
「ターニャか。ああ、この前のアルフレッドとの決闘で戦い方はよくわかったからな。あれだろ、このダンボールを空中に飛ばして遠距離で攻撃したり盾にすればいいんだろ。簡単だ!」
『カッコイイ! もう手馴れですね。じゃあ、お手並み拝見と行きますか!』
「それにザルツ公国は、ヴォルフスブルクの次に弱い国だ。公王くらいしか戦闘向きの人材いないしな。こんな辺境に公王がいるわけないだろ! 楽勝だぜ」
『うわ~さっきまでのかっこよさはどこにいったのくらいダサいセリフ~ 雑魚専じゃないですか』
「俺は勝てる戦しかしないんだよ」
敵がダンボールの攻撃範囲にやってきた。よし、そろそろ攻撃を始める!
「アルフレッド! 俺の撃ち漏らした敵を頼むぜ!」
「了解」
「慌てるな。たかが敵は二人だ!」
「あんなヒョロヒョロの男に何ができる!」
「殺せ!!」
俺のダンボールが火を噴く。まぁ本当に火を噴いているんだが……
ダンボールを高速で動かすことで、摩擦熱から火を噴き出して燃えるブーメランみたいになっていた。ブーメランは全体攻撃。そう相場が決まっているんだ。
俺の燃えるダンボールブーメランが雑兵を蹴散らしていく。
「ぐへ……」
「なんだ、これ逃げても追いかけてくる……うわぁぁぁぁぁぁぁ」
「あんな茶色い紙なんて剣で叩き切ってやる! なんだ、剣が折れて、来るなぁ。ぎゃあ」
「誰か魔力で止めろ!」
「ダメだ、氷の壁を作っても貫通して、ごふっ」
「これを操っている男を狙え、きっと凄腕の魔術師だ。魔術師なら一撃で倒せるだろ!」
ブーメラン攻撃をかいくぐって、なんとかひとりの兵士が俺に槍を向けた、だが、それを見逃すような男じゃないよな? アルフレッド!!
「クニカズ様には指一本触れさせんぞ!」
まさに、一刀両断。敵の兵士は一瞬で崩れ落ちた。
俺とアルフレッドのコンビはこうやって次々と敵を無力化していく。まるで、バディ物の映画みたいだ。アルフレッドは優秀で、俺の撃ち漏らした敵をことごとく潰していった。
これはきっと、のちに「王国の双璧」とか言われるパターンだぜ。そんなことを考えながら、俺たちは敵兵を制圧していく。
ダンボールは誘導式ミサイルのように追尾して、逃げる敵を蹂躙した。
数で言うなら150倍の差があるはずの敵兵は瞬く間に倒れていき、俺たちは勝利をつかんだ。
ここから俺の伝説が始まる。
見張りを担当していた兵士が慌てて伝令に来た。
「なんだと!? 数はどのくらいだ?」
ゴーリキさんが確認する。
「約300です」
「こちらの兵力は120……まずいぞ、圧倒的不利だ」
「やっぱりあいつら戦争の準備をしていたんだな」
「くそ、こうなったら砦を枕に玉砕してやる!!」
全体的に悲壮感が漂っている。
「いや、待ってくれ。みんな、これはおかしいよ」
俺はみんなを落ち着かせるために叫んだ。
「どういうことですか、クニカズ様?」
アルフレッドはやはり冷静だ。
「だってさ、普通、戦争を始めるなら一気に大軍で来るよな。下手に戦力を逐次投入するのは愚行だろ? 普通は宣戦布告と同時にグレア帝国軍とともに一気に侵攻してくるはずだ。それなのに、敵は国境警備隊の一部だけ。おかしいだろう」
「たしかにそうですが……」
「だから、これはたぶん現場の暴走だ。きっと、大砲の攻撃が効果がなく血気盛んな前線指揮官が暴走しただけですよ。それならこっちにも大義名分があります」
「どういうことですか?」
「我々は不法に国境を越えた犯罪者を捕まえるだけです。国境警備隊をほとんど捕虜にしてしまえばいいんですよ。逮捕という名目でね。だってそうでしょう? あいつらは暴走して正式な命令もなく国境を越えてしまった。俺たちは攻撃を仕掛けられた側で、戦闘はヴォルフスブルク内で行われた。捕虜もこちらに収容されている。どう考えてもザルツ公国側の不法行為です。証拠もそろっていて、捕虜たちにも証言をさせれば国際的な批難を浴びるのは公国側です。いくら同盟関係があっても、グレア帝国ですら、こんなに証拠があれば擁護できないはずですよ」
「それはそうだが……数では向こうが有利だ。どうやって捕虜にするんだ? 砦を破壊されては意味がないぞ」
「大丈夫ですよ、隊長! 俺が何とかしますから……援護してくれるよな、アルフレッド!!」
ここで下手に守備隊に犠牲者が出れば、歴史イベントに突入しかねない。
ここは俺とアルフレッドが解決するのが最適解だ。
※
「そこのザルツ公国人たち……止まりなさい。あんたたちは、何の許可もなく国境を侵犯した。これは不法行為だ。武装解除して大人しく降伏しなさい」
俺は、ダンボールをマイク代わりにそう通告した。
『あらあら、センパイ。今日はずいぶんと勇ましいですね』
「ターニャか。ああ、この前のアルフレッドとの決闘で戦い方はよくわかったからな。あれだろ、このダンボールを空中に飛ばして遠距離で攻撃したり盾にすればいいんだろ。簡単だ!」
『カッコイイ! もう手馴れですね。じゃあ、お手並み拝見と行きますか!』
「それにザルツ公国は、ヴォルフスブルクの次に弱い国だ。公王くらいしか戦闘向きの人材いないしな。こんな辺境に公王がいるわけないだろ! 楽勝だぜ」
『うわ~さっきまでのかっこよさはどこにいったのくらいダサいセリフ~ 雑魚専じゃないですか』
「俺は勝てる戦しかしないんだよ」
敵がダンボールの攻撃範囲にやってきた。よし、そろそろ攻撃を始める!
「アルフレッド! 俺の撃ち漏らした敵を頼むぜ!」
「了解」
「慌てるな。たかが敵は二人だ!」
「あんなヒョロヒョロの男に何ができる!」
「殺せ!!」
俺のダンボールが火を噴く。まぁ本当に火を噴いているんだが……
ダンボールを高速で動かすことで、摩擦熱から火を噴き出して燃えるブーメランみたいになっていた。ブーメランは全体攻撃。そう相場が決まっているんだ。
俺の燃えるダンボールブーメランが雑兵を蹴散らしていく。
「ぐへ……」
「なんだ、これ逃げても追いかけてくる……うわぁぁぁぁぁぁぁ」
「あんな茶色い紙なんて剣で叩き切ってやる! なんだ、剣が折れて、来るなぁ。ぎゃあ」
「誰か魔力で止めろ!」
「ダメだ、氷の壁を作っても貫通して、ごふっ」
「これを操っている男を狙え、きっと凄腕の魔術師だ。魔術師なら一撃で倒せるだろ!」
ブーメラン攻撃をかいくぐって、なんとかひとりの兵士が俺に槍を向けた、だが、それを見逃すような男じゃないよな? アルフレッド!!
「クニカズ様には指一本触れさせんぞ!」
まさに、一刀両断。敵の兵士は一瞬で崩れ落ちた。
俺とアルフレッドのコンビはこうやって次々と敵を無力化していく。まるで、バディ物の映画みたいだ。アルフレッドは優秀で、俺の撃ち漏らした敵をことごとく潰していった。
これはきっと、のちに「王国の双璧」とか言われるパターンだぜ。そんなことを考えながら、俺たちは敵兵を制圧していく。
ダンボールは誘導式ミサイルのように追尾して、逃げる敵を蹂躙した。
数で言うなら150倍の差があるはずの敵兵は瞬く間に倒れていき、俺たちは勝利をつかんだ。
ここから俺の伝説が始まる。
1
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。
三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。
……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」
その言葉は、もう何度聞いたか分からない。
霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。
周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。
同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。
――俺だけが、何もできない。
反論したい気持ちはある。
でも、できない事実は変わらない。
そんな俺が、
世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて――
この時は、まだ知る由もなかった。
これは――
妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる