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第27話 ホームレス、優等生に勘違いされてイチャイチャする
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その色っぽい感じに俺はドキッとする。
落ちつけ。超まじめな同級生が真剣に悩んでいるんだから、俺も真面目に答えないといけないんだ。
そうだ、そうだ。これは決してやましい気持ちとかはない。
「うん、いいよ。何を悩んでいるんだい?」
「ありがとうございます。もう、私クニカズ大尉しか頼れる人がいないんです」
そう言って、彼女は俺の手をゆっくり握る。とても温かい手だった。彼女の手のぬくもりが俺にゆっくりと伝わっていく。
「そ、それで、悩みとは?」
「私、どうしても周囲の人となじめないんです。どうしても、全員が敵に見えてしまって……どうしても壁を作ってしまうんですよ。それを変えたいんです」
たしかに、彼女はずっと周囲と壁を作っていたな。俺と最初に会った時もまるで、子熊を守る親熊のようにイライラしていた。
「誰かを頼りにするのがずっと怖かったんですよ。だって、私が所属している貴族の社交界は、常に裏切りの連続でしたから……だからこそ、私はやっと信頼できて尊敬できる仲間を見つけることができたんだと思います。クニカズ大尉は、異世界から来た男の人だから貴族社会に何のしがらみもない。純粋な善意で、我が祖国ヴォルフスブルクのために力を貸してくれている。そうですよね?」
「う、うん。まあ、そんなところ……」
本当は完全にホームレスになりかけて、大主教様に偶然拾われただけなんて言えるような雰囲気じゃなかった。
やばい、リーニャ大尉の中で俺はドンドン聖人かつ異世界から来た天才になっていく。
あまりにも俺の実情とはかけ離れている。なんとかして否定しないと!!
「やっぱり本当にすごい! 私みたいに狭いプライドに凝り固まった人間じゃないんですね、クニカズ大尉は……尊敬します!」
「いや、俺そんなに尊敬されるような男じゃ……」
「また、そうやって謙遜する。先ほどの机上演習でもそうでしたが、周囲の人間を立てるあなたの姿勢こそ、まさに将の器というのでしょうね」
あっ、これダメだ。どうやっても、好感度があがる。
「じゃあさ、今度からリーニャ大尉も、俺とクリスタ大尉のチームに加わらないか?」
「えっ!?」
「今回はいきなりだったから2人ペアだったけどさ。本来なら、机上演習は4人まで同じチームになれるだろう。クリスタ大尉は優秀な後方要員だし、前線の作戦指揮を補佐してくれる人材が欲しいなって。情報とか集めてくれると助かるんだが?」
さすがにひとりで前線のすべてを担当するのは大変だった。そういう時は人に頼るのが一番だし、彼女もチームワークを学ぶのに最善だと思う。
「はい、喜んで。これから、よろしくお願いします」
彼女は顔を赤らめてそう言った。
※
―リーニャ大尉視点―
その後、しばらくお話をして私は自分の部屋に戻る。
後ろの部屋ではクニカズ大尉の悲鳴のようなものと、女の人の怒った声が聞こえたような気がしたが、きっと気のせいよね。さっきまで私がいた部屋に女の人がいるわけがない。
彼のことを思い出しただけで、胸が熱くなる。
これがきっと……
私の初恋なのね。
落ちつけ。超まじめな同級生が真剣に悩んでいるんだから、俺も真面目に答えないといけないんだ。
そうだ、そうだ。これは決してやましい気持ちとかはない。
「うん、いいよ。何を悩んでいるんだい?」
「ありがとうございます。もう、私クニカズ大尉しか頼れる人がいないんです」
そう言って、彼女は俺の手をゆっくり握る。とても温かい手だった。彼女の手のぬくもりが俺にゆっくりと伝わっていく。
「そ、それで、悩みとは?」
「私、どうしても周囲の人となじめないんです。どうしても、全員が敵に見えてしまって……どうしても壁を作ってしまうんですよ。それを変えたいんです」
たしかに、彼女はずっと周囲と壁を作っていたな。俺と最初に会った時もまるで、子熊を守る親熊のようにイライラしていた。
「誰かを頼りにするのがずっと怖かったんですよ。だって、私が所属している貴族の社交界は、常に裏切りの連続でしたから……だからこそ、私はやっと信頼できて尊敬できる仲間を見つけることができたんだと思います。クニカズ大尉は、異世界から来た男の人だから貴族社会に何のしがらみもない。純粋な善意で、我が祖国ヴォルフスブルクのために力を貸してくれている。そうですよね?」
「う、うん。まあ、そんなところ……」
本当は完全にホームレスになりかけて、大主教様に偶然拾われただけなんて言えるような雰囲気じゃなかった。
やばい、リーニャ大尉の中で俺はドンドン聖人かつ異世界から来た天才になっていく。
あまりにも俺の実情とはかけ離れている。なんとかして否定しないと!!
「やっぱり本当にすごい! 私みたいに狭いプライドに凝り固まった人間じゃないんですね、クニカズ大尉は……尊敬します!」
「いや、俺そんなに尊敬されるような男じゃ……」
「また、そうやって謙遜する。先ほどの机上演習でもそうでしたが、周囲の人間を立てるあなたの姿勢こそ、まさに将の器というのでしょうね」
あっ、これダメだ。どうやっても、好感度があがる。
「じゃあさ、今度からリーニャ大尉も、俺とクリスタ大尉のチームに加わらないか?」
「えっ!?」
「今回はいきなりだったから2人ペアだったけどさ。本来なら、机上演習は4人まで同じチームになれるだろう。クリスタ大尉は優秀な後方要員だし、前線の作戦指揮を補佐してくれる人材が欲しいなって。情報とか集めてくれると助かるんだが?」
さすがにひとりで前線のすべてを担当するのは大変だった。そういう時は人に頼るのが一番だし、彼女もチームワークを学ぶのに最善だと思う。
「はい、喜んで。これから、よろしくお願いします」
彼女は顔を赤らめてそう言った。
※
―リーニャ大尉視点―
その後、しばらくお話をして私は自分の部屋に戻る。
後ろの部屋ではクニカズ大尉の悲鳴のようなものと、女の人の怒った声が聞こえたような気がしたが、きっと気のせいよね。さっきまで私がいた部屋に女の人がいるわけがない。
彼のことを思い出しただけで、胸が熱くなる。
これがきっと……
私の初恋なのね。
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