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番外編
聖女が世界を救う〜現代④〜
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屋敷の人々が寝静まった頃、私はこっそりと寝室から抜け出し、書斎へと向かう。
奥の棚に隠しておいた書籍をドサッと机の上に置き、パラパラとページをめくった。
机の引き出しの奥に隠しておいたノートを取り出して、再度復習をするかのようにぶつぶつと魔法の言葉を紡いでいく。
本に書かれている円陣を丁寧にノートに書き写していく。自分の手で描いたものにしか、この効果は発揮しない。これも独学で学んだのだ。
目を閉じて、心の奥に円陣を浮かべ、そこから温かな光が満ちているようにイメージした。そして、ふうっと息を吐き出して、コントロールする。
ここだわっ!
シュバっ!!
鋭い音がしたかと思うと、近くに置いてあった紙の束がザックリと裂けていた。
事前に練習用に準備していたものだ。
よしっ。随分上達したわ。
以前よりも、魔法の力が強まったような気がする。
魔法に興味を持ったのは、些細な事だった。側近の騎士で魔法が使える者がおり、家族で買い物に出かけた際に怪物が現れ、彼があっさりと倒したのをみたからだ。
その怪物は既に弱っていた状態で、倒すのは容易であったが、幼いマルスティアにはその光景がとても格好良く見えた。
私も、あんなふうに魔法を使いたい!
すぐに両親に魔法を学びたいと申し出たが、そんな危険なことはさせられないと、両親はもとよりマルスティアを溺愛する兄に大反対された。
どうしても魔法を学びたかったマルスティアは、自分の身を守るため簡単な魔法に留めるという条件付きで、魔法を学ぶことを許された。
ただし、あくまでも本を与えるだけ。
講師などはつけることはなく、あくまでも独学だった。
両親は、一時の憧れであって、どうせすぐに飽きてしまうだろうと思っていた。
次第に、私は移動魔法を習得し、こっそりと外へと出ることにも成功した。
まさか、これが上級魔法であることは、講師のいない私には知る由もない。
力の弱い怪物なら簡単に倒せるようになった。
そして、私の行動はエスカレートしていくことになる。
新聞もスラスラと読めるようになった頃、隣町では怪物が出現して深刻な被害が出ていることを知った。
もっと、力をつけたい。そして、怪物で被害を受けている人たちを助けたい。
その夜、私は移動魔法をもっと遠くまで使用することにした。
***
「ハァッ…ハァッ…」
いつもとは比べ物にならないほど、怪物の数が多かった。
皇帝の騎士団が交代で警備していると聞いていたけれど、信じられない。
本当に警備をしているの?
いくら魔法を習得して強くなったとはいえ、たかが知れていた。
ようやく目の前の怪物たちを倒した頃には、幼い体の私は体力の限界を迎えていた。
少し休もう。
移動魔法を使うにしても、体力が必要だ。
だけど、また怪物が来たらどうしよう。
ガサッ
近くで物音がして、思わず身構える。
ガサガサッ
その物音はどんどん近づいていき、私は思わずぎゅっと目を閉じた。
「…ア….マルスティア?」
「え…?」
ハッとして意識が戻り、目の前には心配そうな表情をしたルカ様がいた。
テーブルには美味しそうなショートケーキが置かれている。いつ届いたんだろう、全然気が付かなかった。
過去の記憶が蘇ってきて、その世界に思わず浸ってしまっていたようだ。
「ごめんなさい、ぼーっとしてしまって。昨日は残業で遅かったから…」
「今はどこで働いているんだ?」
「今は製薬会社に勤めています。新しい薬の研究で忙しくて」
「そうか。相変わらず、勉強熱心なんだな」
懐かしそうに笑う彼の顔は、あの頃と変わらず穏やかだ。
物陰から出てきた相手は、怪物ではなくルカ様だった。あの日のことを思い出すと、今でも震え上がってしまう。
怪物だったら、私はあのまま家に帰れてはいないだろう。
そして今この瞬間、こうして3人で集まることもなかったかも知れない。
クリスティアは、2人の様子を見ながらにっこりと微笑んでいる。
その空気感、懐かしいわ。
まるであの頃に戻ったみたい。
「クリスティア、ずっと聞きたかったことがあるんだ」
ルカはクリスティアの方へと視線を移す。その瞳はどこか不満げだった。
「漫画の物語だが…何故私と君が最終的に結ばれることになっているんだ?」
奥の棚に隠しておいた書籍をドサッと机の上に置き、パラパラとページをめくった。
机の引き出しの奥に隠しておいたノートを取り出して、再度復習をするかのようにぶつぶつと魔法の言葉を紡いでいく。
本に書かれている円陣を丁寧にノートに書き写していく。自分の手で描いたものにしか、この効果は発揮しない。これも独学で学んだのだ。
目を閉じて、心の奥に円陣を浮かべ、そこから温かな光が満ちているようにイメージした。そして、ふうっと息を吐き出して、コントロールする。
ここだわっ!
シュバっ!!
鋭い音がしたかと思うと、近くに置いてあった紙の束がザックリと裂けていた。
事前に練習用に準備していたものだ。
よしっ。随分上達したわ。
以前よりも、魔法の力が強まったような気がする。
魔法に興味を持ったのは、些細な事だった。側近の騎士で魔法が使える者がおり、家族で買い物に出かけた際に怪物が現れ、彼があっさりと倒したのをみたからだ。
その怪物は既に弱っていた状態で、倒すのは容易であったが、幼いマルスティアにはその光景がとても格好良く見えた。
私も、あんなふうに魔法を使いたい!
すぐに両親に魔法を学びたいと申し出たが、そんな危険なことはさせられないと、両親はもとよりマルスティアを溺愛する兄に大反対された。
どうしても魔法を学びたかったマルスティアは、自分の身を守るため簡単な魔法に留めるという条件付きで、魔法を学ぶことを許された。
ただし、あくまでも本を与えるだけ。
講師などはつけることはなく、あくまでも独学だった。
両親は、一時の憧れであって、どうせすぐに飽きてしまうだろうと思っていた。
次第に、私は移動魔法を習得し、こっそりと外へと出ることにも成功した。
まさか、これが上級魔法であることは、講師のいない私には知る由もない。
力の弱い怪物なら簡単に倒せるようになった。
そして、私の行動はエスカレートしていくことになる。
新聞もスラスラと読めるようになった頃、隣町では怪物が出現して深刻な被害が出ていることを知った。
もっと、力をつけたい。そして、怪物で被害を受けている人たちを助けたい。
その夜、私は移動魔法をもっと遠くまで使用することにした。
***
「ハァッ…ハァッ…」
いつもとは比べ物にならないほど、怪物の数が多かった。
皇帝の騎士団が交代で警備していると聞いていたけれど、信じられない。
本当に警備をしているの?
いくら魔法を習得して強くなったとはいえ、たかが知れていた。
ようやく目の前の怪物たちを倒した頃には、幼い体の私は体力の限界を迎えていた。
少し休もう。
移動魔法を使うにしても、体力が必要だ。
だけど、また怪物が来たらどうしよう。
ガサッ
近くで物音がして、思わず身構える。
ガサガサッ
その物音はどんどん近づいていき、私は思わずぎゅっと目を閉じた。
「…ア….マルスティア?」
「え…?」
ハッとして意識が戻り、目の前には心配そうな表情をしたルカ様がいた。
テーブルには美味しそうなショートケーキが置かれている。いつ届いたんだろう、全然気が付かなかった。
過去の記憶が蘇ってきて、その世界に思わず浸ってしまっていたようだ。
「ごめんなさい、ぼーっとしてしまって。昨日は残業で遅かったから…」
「今はどこで働いているんだ?」
「今は製薬会社に勤めています。新しい薬の研究で忙しくて」
「そうか。相変わらず、勉強熱心なんだな」
懐かしそうに笑う彼の顔は、あの頃と変わらず穏やかだ。
物陰から出てきた相手は、怪物ではなくルカ様だった。あの日のことを思い出すと、今でも震え上がってしまう。
怪物だったら、私はあのまま家に帰れてはいないだろう。
そして今この瞬間、こうして3人で集まることもなかったかも知れない。
クリスティアは、2人の様子を見ながらにっこりと微笑んでいる。
その空気感、懐かしいわ。
まるであの頃に戻ったみたい。
「クリスティア、ずっと聞きたかったことがあるんだ」
ルカはクリスティアの方へと視線を移す。その瞳はどこか不満げだった。
「漫画の物語だが…何故私と君が最終的に結ばれることになっているんだ?」
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