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第12章 ねむり続ける主人公
069 姉妹関係の儀式 ふたたび
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スリーカー - Threeker 《治療呪文》を習得できるときが近づいている。
冬香の決心は固く、目は希望で輝いていた。
◇
絵美
「冬香さんは、
サブシス真々美のサブシスだから、
私が直接教えることはできないわ。」
真々美
「どうすれば良い?」
絵美
「真々美、冬香さんが倒れたとき、大泣きしていたわよね。」
真々美は思い出して涙を流した。
真々美
「ああ、泣いた。
冬香を取り戻せるならなんでもすると思ったくらいだ。」
絵美
「その覚悟があるなら、なんとかなるかな?
冬香さん、真々美とわたしの愛の営みを見学することに耐えられますか?」
冬香
「たえるとは?」
絵美
「あなたが慕うハイシスの真々美が
わたしの演奏指揮でソプラノの歌声を鳴らすピアノに変わるのよ。」
冬香
「ぜひ、見たい。
いいえ、聞きたいです。」
真々美
「絵美、それはいくらなんでも、恥ずかしい。」
絵美
「あれえ?
なんでもするって、言ったよね?
それとも、真々美の冬香さんへの想いは、その程度だったの?
悲しいわあ。」
真々美
「そ、その、冬香?
とっても恥ずかしいから、その、免除してくれないか?」
冬香
「真々美が絵美様に演奏される様子を是非間近で見たいわあ。」
絵美
「真々美、か・く・ごを決めて!」
真々美
「うう。
覚悟を決めました。」
絵美
「よろしい。
楽しみだわ。
オルアさんも見たい?」
オルア
「も、もちろん見たいです。
でも、アリムのそばを離れたくないので。」
絵美
「じゃあ、この部屋に布団を敷きましょうね。
真々美?
どこ行くの?」
真々美
「い、いや、準備として、お花畑でお花を摘みたいなと思ってね。」
絵美
「あら?
もう用意できたの?
流石ね、真々美。
じゃあ、第3段階から始めましょうか?」
真々美
「い、いや、それは無理。
嫌だ。」
絵美
「ふ、ふーん。
駄目よ。
真々美の噴水を見たくて、たまらないわ。
さあ、行きましょう!
約10年ぶりねえ。
たのしみ!」
冬香
「あ、あの私達は第3段階は遠慮します。
流石に真々美が、かわいそうです。」
絵美
「じゃあ、全部、遠慮してくれるかな?
真々美にだけ伝えるから、後で真々美から聞いてね。」
オルア
「あ、あの、絵美様。
第3段階って、気絶するほど恥ずかしいですよね。
ということは第4段階は、もっと恥ずかしいですよね。
もし、真々美が覚えてなかったら、どうなりますか?
やり直しできますか?」
絵美
「無理ね。
やり直しできないわ。
申し訳ないけれど、第6段階以降はロストノウハウになってしまったわ。
私が超えられなかったから。
ということは、真々美が第4段階を超えられなかったら、冬香さん以降のサブシスは、第3段階で終わることになるわ。」
冬香
「例えば、真々美が絵美様を飛び越えて、女王様から習うことはできないのですか?」
絵美
「どうだろう?
もし、女王様が許してくれたとしても、直接教えることは無いから、私の身体に教えることになって、クリアできるまで、お布団から出してもらえないと思う。」
オルア
「それって、できるまで解放されないということですか?」
絵美
「そうなるわね。
わたしはクリアできないと思う。
そして、第3段階までしかクリアしていない真々美、冬香さん、オルアさんがクリアできる可能性はゼロね。」
冬香
「ねえ、真々美!」
真々美
「あ、ああ。」
冬香
「耐えてちょうだい。
☆☆☆ わたしは、どうしてもスリーカーを覚えたい。 ☆☆☆
今後に備えて、治療する手段は、絶対に確保しておきたい。」
オルア
「アリムが7日後に目覚めなかった場合、次の手が欲しいわ。
絵美様の性魔力が、完全回復するまで待てない。
ううん、今日で2日目だけど、7日間も、わたしの神経が持ちそうにないわ。」
絵美
「おいで、真々美。
もう我慢できないでしょう?
見せてもらうわ。
冬香さんとオルアさんも一緒に見たいよね。」
◇
真々美が恥ずかしさのあまり気絶して、意識を取り戻すまで、絵美と冬香は話をしていた。
冬香
「第5呪文を、
スリーカー - Threeker 《治療呪文》か
レバーラ - Rebaara 《友の前への移動呪文》か
を選べるならば、
わたしは、
スリーカー - Threeker
を選びたいです。」
絵美
「いい考えね。
真々美には、レバーラ - Rebaara を選んでもらいましょう。
そして、オルアさんは数日遅らせて様子を見てもらうわ。」
オルア
「その意図はなにですか?」
絵美
「第5呪文をスリーカーにした例を知らないのよ。
スリーカーとレバーラを1回ずつ使う場合の性魔力消費量を考えます。
第5呪文をスリーカーにした場合
5×5=25
+6=31
第6呪文をスリーカーにした場合
6×6=36
+5=41
つまり、10ポイントも得することになるわ。
でも、そのような選択をした話を聞かない。
なにか問題が生じる気がするわ。」
冬香
「それでも、絵美様が苦労された第5段階を超えられない壁と考えた場合、第6呪文を習得できる可能性は低いと考えなければなりません。
わたしはどうしてもスリーカーを覚えたいです。」
絵美
「それは正しい判断だと思うわ。
でも、断言できないのよ。」
オルア
「冬香?
こんなのはどうかな?」
真々美がレバーラを覚える。
わたしがスリーカーと覚える。
結果を見てから、冬香が選ぶ方法が良いわ。
絵美
「それは駄目ね。
姉妹関係の儀式を裏切ることになるわ。」
冬香
「そうね。
オルアを試金石にして実験したら、オルアを利用したことになって、
一番大事にするという誓いに反してしまう。」
オルア
「本当に融通が利かないのね。」
絵美
「なんて言ったって、”融通が利かない小娘”が女神さまの二つ名だからね。
しょうがないわ。
という訳で、冬香さん。
前例が無いから、5番目にスリーカーを選んだ時に、どうなるのか分かりません。
後悔しないように、よく考えて決めてください。」
冬香
「絵美様、もう一度確認したいことが有ります。
姉妹関係の儀式 第5段階は、
「泣いて拒否した。」
と、おっしゃいましたが、わたしも、そうなると思いますか?」
絵美
「たぶん、いいえ、ぜったいに無理だと思う。」
冬香
「拒否した場合の罰則というか、ペナルティは有りますか?」
絵美
「ハイシスとの姉妹関係が切れるだけです。
命に危険は及ばないわ。」
冬香
「でも、女王様は無理やり、というと語弊があるというか誤解をまねくかもしれませんが、強行されましたよね。
わたしの場合も、そうできませんか?」
絵美
「えー。
はずかしいことを言わせる気ね。
でも、大事なことだから聞きたくもなるか。
仕方ないわね。
わたしが自信満々で
「乗り越えられます。」
って、言っちゃったからなのよね。
基本的に、サブシスの不得意、不得手なことをハイシスは求めてはいけないのよ。
だから、もし、わたしが冬香さんのハイシスだったら、姉妹関係の儀式 第5段階を冬香さんに求めることはしません。」
冬香
「どうしてですか?」
絵美
「プライドと気位が高いあなたには無理だからよ。」
冬香
「わたしにも、自制心、自重心は有りましてよ。《怒》」
絵美
「じゃあ、交配届け前検査を受けてくれる男性がどのくらい存在すると思うの?」
冬香
「それは、
1万人にひとり、
いいえ、100人にひとり
くらいは居ると思います。」
絵美
「そんなに存在するなら、アリムさんが交配届け前検査を受けたことに驚いたりしないわ。」
真々美
「絵美、それはどういう意味だ。」
絵美
「わたしが女王様の前からレバーラで来た前日夜の時点で、受けた男性はいないわ。
廃案にするべきか? それとも、
あと数年待つか?
を議論しているところだからね。」
オルア
「えっ? そうなのですか?
アリムには言わないでくださいね。
する必要ないことをさせられた!
と気を悪くするかもしれないから。」
絵美
「わたしがアリムさんと直接話をするときは、あなたたちが一緒の時だけだから、大丈夫でしょ。
言わないわ。
さてと、冬香さん。
だから、貴女には無理と言いました。
納得してくれましたか?」
オルア
「でも、やってみないと分からないわよ。」
絵美
「勝ち目が低いギャンブルで、真々美との姉妹関係を切って欲しくないわ。
全財産を賭けて、宝くじを買う方がまだマシよ。
10本に1本は末等があるから、少しはお金も返ってくるでしょう。
でも、姉妹関係はそうじゃない。
いきなり、こころの準備無しで、選択を迫られる。
相手のことを良く知ってから・・・
とか
一度振ってから、観察して様子を見て・・・
なんて
できないのよ。」
オルア
「じゃあ、儀式の内容を前もって教えてもらえば安全ですよね。」
絵美
「儀式の内容を先に聞いたら、挑戦権を無くす上に、失格扱いだから。
安全どころか、無益どころか、有害でしかないわ。」
冬香
「オルア、ありがとう。
真剣に考えてくれて。」
真々美、あなたとの姉妹関係を切りたくない。
だから、第5段階の儀式はあきらめて、
第4段階の儀式の後で、
第5呪文として、スリーカーを手に入れるわ。」
絵美
「そう、わかったわ。
冬香さんが考えて得た結論だから、尊重するわ。
真々美。
冬香さんとオルアさんが見ている前で、第4段階の儀式を進めるわ。
冬香さん、
儀式を見た以上、実施して乗り越える以外の道は無いわ。
覚悟はいい?」
冬香
「はい、乗り越えて見せます。」
絵美
「オルアさんは、どうしますか?
儀式を見ないのなら、
真々美と冬香さんの結果を見るまで、
受けるか
受けないか
を選ぶ時間を持てます。」
オルア
「真々美、冬香、わたしは万が一のことを考えたい。
儀式の見学はパスして、ふたりの結果を待ってもいいかな?」
真々美
「それが無難だろうな。」
冬香
「第5呪文に、スリーカーを選ぶことが正解かどうか分からないわ。
だから、オルアの選択は待った方が得策ね。」
オルア
「ありがとう、真々美、冬香。
絵美様、わたしは儀式の見学を辞退します。」
絵美
「オルアさんの選択は正しいと思うわ。
真々美と冬香さんが、第4の儀式を乗り越えられるように祈っていてね。」
オルア
「はい、絵美様。
祈って待ちます。
真々美、冬香、ご武運を。
カチッ、カチッ。
《縁起担ぎの火打石の音真似》」
絵美
「それじゃあ、オルアさん、行ってくるわね。
アリムさんを引き続き、看てあげてね。
真々美、冬香さん、他の部屋を用意してくれますか?
決心が鈍らないうちに始めましょうか?」
◇
第4段階は、超えられそうですね。
たぶん。
【読者様へ】
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冬香の決心は固く、目は希望で輝いていた。
◇
絵美
「冬香さんは、
サブシス真々美のサブシスだから、
私が直接教えることはできないわ。」
真々美
「どうすれば良い?」
絵美
「真々美、冬香さんが倒れたとき、大泣きしていたわよね。」
真々美は思い出して涙を流した。
真々美
「ああ、泣いた。
冬香を取り戻せるならなんでもすると思ったくらいだ。」
絵美
「その覚悟があるなら、なんとかなるかな?
冬香さん、真々美とわたしの愛の営みを見学することに耐えられますか?」
冬香
「たえるとは?」
絵美
「あなたが慕うハイシスの真々美が
わたしの演奏指揮でソプラノの歌声を鳴らすピアノに変わるのよ。」
冬香
「ぜひ、見たい。
いいえ、聞きたいです。」
真々美
「絵美、それはいくらなんでも、恥ずかしい。」
絵美
「あれえ?
なんでもするって、言ったよね?
それとも、真々美の冬香さんへの想いは、その程度だったの?
悲しいわあ。」
真々美
「そ、その、冬香?
とっても恥ずかしいから、その、免除してくれないか?」
冬香
「真々美が絵美様に演奏される様子を是非間近で見たいわあ。」
絵美
「真々美、か・く・ごを決めて!」
真々美
「うう。
覚悟を決めました。」
絵美
「よろしい。
楽しみだわ。
オルアさんも見たい?」
オルア
「も、もちろん見たいです。
でも、アリムのそばを離れたくないので。」
絵美
「じゃあ、この部屋に布団を敷きましょうね。
真々美?
どこ行くの?」
真々美
「い、いや、準備として、お花畑でお花を摘みたいなと思ってね。」
絵美
「あら?
もう用意できたの?
流石ね、真々美。
じゃあ、第3段階から始めましょうか?」
真々美
「い、いや、それは無理。
嫌だ。」
絵美
「ふ、ふーん。
駄目よ。
真々美の噴水を見たくて、たまらないわ。
さあ、行きましょう!
約10年ぶりねえ。
たのしみ!」
冬香
「あ、あの私達は第3段階は遠慮します。
流石に真々美が、かわいそうです。」
絵美
「じゃあ、全部、遠慮してくれるかな?
真々美にだけ伝えるから、後で真々美から聞いてね。」
オルア
「あ、あの、絵美様。
第3段階って、気絶するほど恥ずかしいですよね。
ということは第4段階は、もっと恥ずかしいですよね。
もし、真々美が覚えてなかったら、どうなりますか?
やり直しできますか?」
絵美
「無理ね。
やり直しできないわ。
申し訳ないけれど、第6段階以降はロストノウハウになってしまったわ。
私が超えられなかったから。
ということは、真々美が第4段階を超えられなかったら、冬香さん以降のサブシスは、第3段階で終わることになるわ。」
冬香
「例えば、真々美が絵美様を飛び越えて、女王様から習うことはできないのですか?」
絵美
「どうだろう?
もし、女王様が許してくれたとしても、直接教えることは無いから、私の身体に教えることになって、クリアできるまで、お布団から出してもらえないと思う。」
オルア
「それって、できるまで解放されないということですか?」
絵美
「そうなるわね。
わたしはクリアできないと思う。
そして、第3段階までしかクリアしていない真々美、冬香さん、オルアさんがクリアできる可能性はゼロね。」
冬香
「ねえ、真々美!」
真々美
「あ、ああ。」
冬香
「耐えてちょうだい。
☆☆☆ わたしは、どうしてもスリーカーを覚えたい。 ☆☆☆
今後に備えて、治療する手段は、絶対に確保しておきたい。」
オルア
「アリムが7日後に目覚めなかった場合、次の手が欲しいわ。
絵美様の性魔力が、完全回復するまで待てない。
ううん、今日で2日目だけど、7日間も、わたしの神経が持ちそうにないわ。」
絵美
「おいで、真々美。
もう我慢できないでしょう?
見せてもらうわ。
冬香さんとオルアさんも一緒に見たいよね。」
◇
真々美が恥ずかしさのあまり気絶して、意識を取り戻すまで、絵美と冬香は話をしていた。
冬香
「第5呪文を、
スリーカー - Threeker 《治療呪文》か
レバーラ - Rebaara 《友の前への移動呪文》か
を選べるならば、
わたしは、
スリーカー - Threeker
を選びたいです。」
絵美
「いい考えね。
真々美には、レバーラ - Rebaara を選んでもらいましょう。
そして、オルアさんは数日遅らせて様子を見てもらうわ。」
オルア
「その意図はなにですか?」
絵美
「第5呪文をスリーカーにした例を知らないのよ。
スリーカーとレバーラを1回ずつ使う場合の性魔力消費量を考えます。
第5呪文をスリーカーにした場合
5×5=25
+6=31
第6呪文をスリーカーにした場合
6×6=36
+5=41
つまり、10ポイントも得することになるわ。
でも、そのような選択をした話を聞かない。
なにか問題が生じる気がするわ。」
冬香
「それでも、絵美様が苦労された第5段階を超えられない壁と考えた場合、第6呪文を習得できる可能性は低いと考えなければなりません。
わたしはどうしてもスリーカーを覚えたいです。」
絵美
「それは正しい判断だと思うわ。
でも、断言できないのよ。」
オルア
「冬香?
こんなのはどうかな?」
真々美がレバーラを覚える。
わたしがスリーカーと覚える。
結果を見てから、冬香が選ぶ方法が良いわ。
絵美
「それは駄目ね。
姉妹関係の儀式を裏切ることになるわ。」
冬香
「そうね。
オルアを試金石にして実験したら、オルアを利用したことになって、
一番大事にするという誓いに反してしまう。」
オルア
「本当に融通が利かないのね。」
絵美
「なんて言ったって、”融通が利かない小娘”が女神さまの二つ名だからね。
しょうがないわ。
という訳で、冬香さん。
前例が無いから、5番目にスリーカーを選んだ時に、どうなるのか分かりません。
後悔しないように、よく考えて決めてください。」
冬香
「絵美様、もう一度確認したいことが有ります。
姉妹関係の儀式 第5段階は、
「泣いて拒否した。」
と、おっしゃいましたが、わたしも、そうなると思いますか?」
絵美
「たぶん、いいえ、ぜったいに無理だと思う。」
冬香
「拒否した場合の罰則というか、ペナルティは有りますか?」
絵美
「ハイシスとの姉妹関係が切れるだけです。
命に危険は及ばないわ。」
冬香
「でも、女王様は無理やり、というと語弊があるというか誤解をまねくかもしれませんが、強行されましたよね。
わたしの場合も、そうできませんか?」
絵美
「えー。
はずかしいことを言わせる気ね。
でも、大事なことだから聞きたくもなるか。
仕方ないわね。
わたしが自信満々で
「乗り越えられます。」
って、言っちゃったからなのよね。
基本的に、サブシスの不得意、不得手なことをハイシスは求めてはいけないのよ。
だから、もし、わたしが冬香さんのハイシスだったら、姉妹関係の儀式 第5段階を冬香さんに求めることはしません。」
冬香
「どうしてですか?」
絵美
「プライドと気位が高いあなたには無理だからよ。」
冬香
「わたしにも、自制心、自重心は有りましてよ。《怒》」
絵美
「じゃあ、交配届け前検査を受けてくれる男性がどのくらい存在すると思うの?」
冬香
「それは、
1万人にひとり、
いいえ、100人にひとり
くらいは居ると思います。」
絵美
「そんなに存在するなら、アリムさんが交配届け前検査を受けたことに驚いたりしないわ。」
真々美
「絵美、それはどういう意味だ。」
絵美
「わたしが女王様の前からレバーラで来た前日夜の時点で、受けた男性はいないわ。
廃案にするべきか? それとも、
あと数年待つか?
を議論しているところだからね。」
オルア
「えっ? そうなのですか?
アリムには言わないでくださいね。
する必要ないことをさせられた!
と気を悪くするかもしれないから。」
絵美
「わたしがアリムさんと直接話をするときは、あなたたちが一緒の時だけだから、大丈夫でしょ。
言わないわ。
さてと、冬香さん。
だから、貴女には無理と言いました。
納得してくれましたか?」
オルア
「でも、やってみないと分からないわよ。」
絵美
「勝ち目が低いギャンブルで、真々美との姉妹関係を切って欲しくないわ。
全財産を賭けて、宝くじを買う方がまだマシよ。
10本に1本は末等があるから、少しはお金も返ってくるでしょう。
でも、姉妹関係はそうじゃない。
いきなり、こころの準備無しで、選択を迫られる。
相手のことを良く知ってから・・・
とか
一度振ってから、観察して様子を見て・・・
なんて
できないのよ。」
オルア
「じゃあ、儀式の内容を前もって教えてもらえば安全ですよね。」
絵美
「儀式の内容を先に聞いたら、挑戦権を無くす上に、失格扱いだから。
安全どころか、無益どころか、有害でしかないわ。」
冬香
「オルア、ありがとう。
真剣に考えてくれて。」
真々美、あなたとの姉妹関係を切りたくない。
だから、第5段階の儀式はあきらめて、
第4段階の儀式の後で、
第5呪文として、スリーカーを手に入れるわ。」
絵美
「そう、わかったわ。
冬香さんが考えて得た結論だから、尊重するわ。
真々美。
冬香さんとオルアさんが見ている前で、第4段階の儀式を進めるわ。
冬香さん、
儀式を見た以上、実施して乗り越える以外の道は無いわ。
覚悟はいい?」
冬香
「はい、乗り越えて見せます。」
絵美
「オルアさんは、どうしますか?
儀式を見ないのなら、
真々美と冬香さんの結果を見るまで、
受けるか
受けないか
を選ぶ時間を持てます。」
オルア
「真々美、冬香、わたしは万が一のことを考えたい。
儀式の見学はパスして、ふたりの結果を待ってもいいかな?」
真々美
「それが無難だろうな。」
冬香
「第5呪文に、スリーカーを選ぶことが正解かどうか分からないわ。
だから、オルアの選択は待った方が得策ね。」
オルア
「ありがとう、真々美、冬香。
絵美様、わたしは儀式の見学を辞退します。」
絵美
「オルアさんの選択は正しいと思うわ。
真々美と冬香さんが、第4の儀式を乗り越えられるように祈っていてね。」
オルア
「はい、絵美様。
祈って待ちます。
真々美、冬香、ご武運を。
カチッ、カチッ。
《縁起担ぎの火打石の音真似》」
絵美
「それじゃあ、オルアさん、行ってくるわね。
アリムさんを引き続き、看てあげてね。
真々美、冬香さん、他の部屋を用意してくれますか?
決心が鈍らないうちに始めましょうか?」
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許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
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主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
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