帰還勇者の盲愛生活〜異世界で失った仲間たちが現代で蘇り、俺を甘やかしてくる~

キョウキョウ

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仲間たち再集結

第10話 新生活スタート

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 新しい生活が始まった。ハヤトは、高級マンションの一室で暮らすことになった。

 大手家電量販店で購入した新品の最新の家電製品や家具に囲まれて、最初は戸惑いを隠せなかったが、意外とすぐに慣れていった。異世界での粗末な暮らしと比べれば、文明の利器に囲まれた生活は驚くほど快適だった。

 実は同じマンションに住んでいる城介は、暇を見つけてはハヤトの部屋を訪れる。彼は、金融に関する様々な情報をハヤトに提供した。契約書を交わして、その内容について詳しく説明をしてから、ハヤトの貯金の一部を預かり、投資などで順調に資産を増やした。その報告も兼ねて、よく話し合っている。契約内容の確認についても、その都度しっかりと行っていた。

 異世界であれば、その辺りのルールを無視することもあった。王族や貴族という後ろ盾があったので、多少の無茶も許されていた。あの頃はジョンとして、魔王軍の動きや敵の城の守備状況から、市場の物価まであらゆる情報を集め、パーティーの資金管理もしていた。

 だけど、ここはハヤトの世界。この世界に生まれ変わったジョンは、経済や法律関係をしっかり勉強して、失敗しないように努力していた。

「いいのか?」

 城介に預けていた資金は、かなりの額になってきている。このまま任せておけば、働く必要がなくなるほど。本当に甘やかされていると感じる。ハヤトが尋ねると、城介は自信たっぷりに答えた。

「これは、俺を信じて預けてくれたから。任せてくれたから、こうやって増やせた。それは間違いなく、ハヤトの資産。手数料や報酬も受け取っている。だから気にするな。そして、引き続き任せてくれ」
「そうか」

 異世界でもパーティーの資金管理をジョンに任せていたハヤトは、こっちの世界でも変わることなく、お金については城介のことを全面的に信頼していた。

 普通の友人であれば、お金を預けることに躊躇したかもしれない。だけど、彼とは普通の関係を超えた絆があった。だからこそ、ハヤトは信じて任せれられる。城介もその信頼に応えるべく、全力でハヤトの役に立つために犯罪にならない範囲で努力を続けた。

「ああ。ただ、税金の支払いとかもあるから。その辺は、俺の知り合いの税理士を紹介するから、そっちで話し合ってくれ」
「わかった。それぐらいは自分でするよ」

 ハヤトは苦笑いしながら答えた。異世界では王国から特別な待遇を受けていて税金の概念はほとんどなかったが、ここでは国民としての義務がある。そのギャップに少し戸惑いつつ、現代生活にもしっかり適応していた城介のことを尊敬した。



 一方、ハヤトの世話をしてくれる莉々も、時折部屋を訪れる。しかし、彼女は部活に復帰したため、以前よりも時間が限られてしまった。

「やっぱり、部活を辞めるしか……」

 そんな事を言いかける莉々に、ハヤトは優しく諭した。

「ダメだよ、莉々。俺のお世話は大丈夫だから。莉々も自分の人生を大事にして、学生生活と部活動は大事にね」
「はい、わかりました」

 そう言われて、莉々は素直に頷いた。

 ハヤトは、少し話題を変える。

「もう少しで、大会があるんだって?」
「はい。全日本学生大会は、秋にあります。ですが直近だと、夏休み前に都の大会がありますね。そこに私も出場する予定です」

 莉々の言葉には自信があった。異世界での戦いの経験が、現代のバドミントンの技術に不思議と活きていた。そうとは知らない顧問から「天才的なセンス」と言われるほど。

「大会か。見に行っていいかな?」
「ぜひ!」

 莉々の目が輝いた。一瞬、異世界の魔法使いリリアが放つ魔力の輝きを思い出させるような光だった。ハヤトの応援を得て、莉々のモチベーションは一気に上がった。せっかくならカッコいい姿を見てもらいたいから。部活に参加して、練習をもっともっと頑張ろう。そんな彼女の思いを、ハヤトは微笑んで見守った。



 ある日、城介がハヤトと莉々に告げた。

「そういえば、星華がそろそろ日本に戻って来る予定だ。三人で迎えに行かないか?」
「セレスティアが日本に戻ってくるんですね!?」

 星華こと森下星華は、異世界ではエルフの神官セレスティアとして活躍した仲間の一人だ。現代では大手製薬会社の研究員として医療の最前線で働いていると城介から聞いていた。医師免許まで持つ才女で、重要な国際プロジェクトのため海外に出張していたのだ。彼女が戻ってくるという話を聞いて、莉々が喜ぶ。

「いきましょう! ようやく、星華と会えるのですね。楽しみです」

 莉々の声には、女子高生らしい弾むような調子が混じっていた。

「そうだな。迎えに行こうか。帰国の予定日は?」

 ハヤトも賛同した。城介から、星華の帰国予定日を聞いて、空港へ彼女を出迎えに行こうと約束した。久しぶりの再会に、三人の心は躍っていた。
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