帰還勇者の盲愛生活〜異世界で失った仲間たちが現代で蘇り、俺を甘やかしてくる~

キョウキョウ

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仲間たちとの旅行

第41話 静かな船上の一日

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 ハヤトは眩しい朝日に目を覚ました。時計を見ると、すでに10時を回っていた。もう一つのベッドは空だった。城介はすでに起きていたようだ。バルコニーから差し込む光が部屋全体を明るく照らし、穏やかな波の音が聞こえる。

 ベッドから立ち上がろうとした時、部屋の電話が鳴った。

「もしもし」
「おはよう、やっと起きたかハヤト」

 電話に出てみると、聞こえてきたのは城介の声だった。

「皆で朝食を食べようと思っていたんだが、鉄村一家と莉々はすでに食べ終わったそうだ」
「そうか、寝過ごしたな」

 ハヤトは少し申し訳なさそうに言った。普段は早起きする彼だが、船の揺れが心地よく、ぐっすり眠り込んでしまったようだ。

「休みなんだ。ちょっとぐらい寝過ごすほうが良いのさ」

 城介のフォロー。彼の声には、のんびりとした調子が混じっていた。彼もリラックスしているのだろう。ハヤトは、そう思った。

「皆は、もう散策に出てるのか?」
「ああ。鉄村一家は船内の水族館に行ったらしい。星華はまだ寝てるそうだ。かなり疲れていたみたいで、莉々が声をかけたけど全く起きる気配がなかったそうだ」
「そっか。俺も朝食行くかな」
「俺も朝食はまだ食べてないから、付き合うぞ」

 城介と合流したハヤトは、朝食レストランへと向かった。朝食にはちょっと遅い時間。同じように少し寝過ごしたらしい乗船客がいるところで、ハヤトはバイキング形式の豪華な朝食を楽しむことにした。

 海の見える人気そうな席を確保して、ハヤトは惜しみなく皿に料理を盛っていった。新鮮なサラダ、香ばしく焼かれた肉、季節のフルーツ。オムレツステーションでは、シェフが目の前で卵料理を作ってくれる。チーズとマッシュルームを入れてもらったオムレツは、ふわふわの食感が絶品だった。城介もしっかりとした量を取り、朝から健啖ぶりを発揮する。

「やっぱり、海の上だと思えないぐらい食事のクオリティーは高いな」

 城介がパンにバターを塗りながら言った。

「うん。美味い」

 ハヤトも食事の手を止めずに応じる。

「これも、よく出来てる」

 海上という特別な雰囲気もあるけれど、それ以上に美味しいと思える味の仕上がり。普段はそれほど食にこだわらない彼だが、この空間の雰囲気と料理の質の高さに心から感心していた。

「専属のバリスタが淹れてくれているらしいぞ」
「それは本格的だな」

 そんな特別なコーヒーを楽しんでいると、莉々が現れた。彼女は爽やかな白のワンピースを着て、健康的な印象を与えていた。軽く揺れる髪が、朝の光に輝いている。胸元には小さなリボンがあしらわれ、普段の制服姿とは違う雰囲気だった。

「おはようございます」

 莉々がハヤトに明るく挨拶した。

「よく眠れましたか?」
「ああ、かなりぐっすり」

 ハヤトは微笑んで答えた。程よい疲れと船の優しい揺れが、良質な睡眠をもたらしてくれたようだ。

「じゃあ俺は、ちょっと予定があるから」
「ん?」

 城介が突然立ち上がった。

「ふたりとも、また後でな」

 そう言って、城介は颯爽と去っていった。

「予定?」莉々が首を傾げた。
「さあ?」ハヤトも肩をすくめた。

 二人きりになったハヤトと莉々は、ラウンジのソファに腰掛け、窓外に広がる青い海を眺めながら会話を続けた。

「剛たちは、昨日言っていた水族館に行ってるのか?」
「はい、そうです」

 どうしているか気になったハヤトが聞くと、莉々が笑顔で応えた。

「今朝も陸くんと葵ちゃんが、凄く楽しみにしていました。とても可愛かったです」

 莉々の目が優しく輝く。子どもたちとの触れ合いを楽しんでいる様子だった。

「朝食のとき、葵ちゃんが『魚さんいっぱい見たい』って言って、陸くんは『深海の生き物も見られるかな』って興奮していましたよ」
「そうか。それはいいな」

 話を聞いてハヤトも、子どもたちの様子を想像して微笑んだ。

 そんな会話を交わしながら、ハヤトたちは船内にあるトレーニングジムに向かった。

 扉を開けると、筋肉を鍛えるための機器や道具が豊富に揃っていた。最新のランニングマシン、ウェイトマシン、フリーウェイトエリア、そしてヨガスペースまである。体格の良い男女が数名、すでに汗を流していた。

「思っていたよりも本格的ですね」

 莉々が感心した様子で見回した。広々とした空間には大きな窓があり、トレーニングしながらも海の景色を楽しめるよう設計されていた。それも凄いと思うハヤト。

「そうだな。俺も予想していた以上だ」

 着替えを済ませた二人は、黙々とトレーニングを始めた。ハヤトは警備の仕事のために、それから定期的に体を動かないとストレスが溜まっていくので、それを発散させるためにもトレーニングを欠かさない。彼は慣れた手つきでウェイトを扱い、集中して筋肉を鍛えていく。莉々もバドミントン部で鍛えた体は引き締まっていて、その動きには無駄がなかった。

 ハヤトはふと周囲の視線を感じた。彼の鍛え上げられた肉体と、莉々の引き締まった体型が注目を集めているようだった。特に莉々のトレーニングフォームの美しさに、何人かの利用客が思わず見入っている。

「あの。あなたたち、もしかしてプロのアスリートですか?」

 トレッドミルの隣の女性が話しかけてきた。40代半ばくらいの外国人女性で、彼女自身も健康的な体型をしていた。

「いいえ、私はまだ学生で、部活をやっているからですね」

 莉々は謙虚に答えた。

「そうなの。それにしちゃ、とても素晴らしいボディーをしているわ。バドミントンかしら?」
「はい!よく分かりましたね」

  莉々は少し驚いた様子で答える。

「動きを見れば分かるわ。私も若い頃は選手だったから」

 女性は笑顔で言った。

「そちらの方は?」
「私はプロの選手ではないけれど、仕事で体を使うことが多いんですよ」

 ハヤトは警備会社での仕事のことは詳しく話さずに説明した。

「なるほど。でも、パワーが見たことないくらい凄くて。とても驚いたわ」

 その後も、二人のトレーニングは周りの興味を引いて、様々な質問を受けることになった。ジムのインストラクターまでもが彼らの動きに興味を示し、特にハヤトの腹筋トレーニングのやり方について質問してきたので答えた。



 昼食の時間になり、トレーニングを終えてロビーに戻る。そこに、ようやく起床した星華が現れた。彼女はいつもの落ち着いた雰囲気とは違い、少し寝ぼけた印象だった。

「おはよぉ」

 普段と違う、星華の柔らかな声で挨拶した。

「ぐっすり寝てたね」

 そんな星華の様子を見て、莉々が微笑んだ。

「大丈夫か? まだ寝ぼけてるだろう」

 ハヤトが心配そうに尋ねる。すると。

「そうかもねぇ」

 星華は自分の髪を指で軽くすかしながら微笑んだ。その仕草には、普段は見せない無防備さがあった。

「久しぶりに仕事を忘れて、眠れたからかしらね」
「普段は研究のこととか、他にも色々考えて、完全に休めないもんね」
「そうね」

 莉々が理解を示した。休暇が彼女に良い影響を与えているようだと。

「それで、星華。昼食は?」
「まだ食べてない」
「じゃあ、一緒に行こうか」

 三人で昼食レストランに向かう。昨夜のイタリアンとは雰囲気が変わり、この日はアジア料理がテーマだった。中華、日本料理、タイ料理など、幅広い選択肢がある。

 レストランは船の側面に位置し、大きな窓からは海が一望できた。テーブルクロスは鮮やかな赤と金で、アジアンテイストを強調している。壁には東洋の芸術作品が飾られ、静かな民族音楽が流れていた。

「星華は普段、海外出張が多いんだよな?」

 ハヤトが尋ねながら、天ぷらを皿に取った。熱々の揚げたてのようで、見た目から食欲をそそる。美味しそうだと思いながら。

「ええ、多いわね」

 星華は少しずつ目が覚めてきた様子で、普段の落ち着きを取り戻しつつあった。そして中華料理を中心に、バランス良く料理を選んでいた。

「出張は忙しくて、ゆっくり休む暇もないの。こうして友人と過ごす時間は本当に貴重」
「星華は、いつも仲間のために献身的だったな」

 ハヤトが星華に対する印象を静かに言う。

「それは皆、同じよ。お互いに助けたり、助けられたりした」

 星華は優しく微笑んだ。

「あの時は、一人一人が自分の役割を全うした。だから良かったの」

 莉々も頷きながら言う。

「今も同じですね。それぞれの世界で、精一杯生きている」



 昼食後、三人で再び船内を散策することにした。その階には様々なショップが立ち並ぶエリアがあった。高級ブランドの衣服や時計、宝飾品など、価格帯の高い商品が多く並んでいる。光り輝くショーウィンドウには、ダイヤモンドのネックレスや世界的ブランドのバッグが飾られていた。

「船内でもこんな買い物ができるんだな」

 ハヤトは少し驚いた。

「本当に、これが船内とは思えない。まるで小さな町みたい」

 莉々も同意した。彼女は興味深そうに、アクセサリーショップのディスプレイを覗き込んでいた。

「船内でも楽しみが尽きないように設計されているのね。見ているだけで楽しいわ」

 星華が感心した様子で言った。



「あ、そういえば……」
「ん? どうした、星華」

 星華が時計に視線を向けて確認した。ハヤトがどうかしたのかと聞く。

「予約した時間になったから私、楓さんと合流してマッサージを受けに行ってくるね」
「うん、行ってらっしゃい」

 莉々が笑顔で見送った。

「夕ご飯も一緒にね」

 星華が振り返りながら言った。

「そうだな。夜は皆で集まろう」

 ハヤトは頷いた。



 再び二人きりになったハヤトと莉々は、外のデッキに出ることにした。風は穏やかで、青く広がる海が果てしなく続いている。太陽の光が水面に反射して、キラキラと輝いていた。空には白い雲が点在し、その影が海面を移動していく。

「キレイですね」

 デッキチェアに座り、しばらく景色を楽しむ二人。莉々は帽子を被り、日差しを避けながらも海の美しさを存分に味わっていた。

「ああ、キレイだな」

 ハヤトも同意した。どこまでも続く海と空の境界線に、心が洗われるような気がした。

 無言の時間がしばらく続いた。しかし、それは不自然なものではなく、二人にとって心地よい静寂だった。言葉を交わさなくても、お互いの存在を感じられる安心感。

「不思議ですね」

 莉々がポツリと漏らした。

「こうして平和に過ごせるなんて」
「ああ、莉々もそう思うか」

 ハヤトもしばしば、この平和な日常が夢のように思えることがあった。

「もちろんです! あの世界では、常に次の危険を考えていましたから」

 莉々の目は遠くを見ている。風が彼女の髪を揺らす。

「リリアとして死んでいった記憶も、莉々として生まれ育った記憶も、ちゃんと両方持っているから」

 彼女は海を見つめながら続けた。波の動きに合わせるように、言葉が静かに流れていく。

「時々、どちらが本当の自分なのか考えることがあります」

 その言葉に、ハヤトは少し驚いた。彼女がそんな思いを抱えていたとは。他の仲間達もそうなのかな。だとしても、そんなに深く考える必要はないだろう。ハヤトは、そう思う。

「両方が本当の君だろう」

 ハヤトは優しく言った。彼の目には、莉々の過去も現在も、全てを包み込む温かさがあった。

「異世界の莉々も、この世界の莉々も、同じ魂を持つ一人の人間。ただそれだけさ」
「ハヤトは……変わりませんね」

 莉々が微笑んだ。

「ハヤトは、いつも皆を受け入れてくれる。助けてくれる」
「そうかな?」
「はい。だから、私たちは貴方にも幸せになってもらいたいと思っている」
「俺は幸せだよ。みんなに色々と助けられて、こうやって豪華客船の旅までさせてもらえている。本当に楽しいよ」

 ハヤトの表情には、素直な喜びが浮かんでいた。

「それならよかったです!」

 莉々の笑顔が、海の光を反射して輝く。

 そして再び静寂が訪れる。二人の間に流れる、言葉にならない理解があった。遠い世界での戦いと、現代での平和な日々。全く異なる二つの時間が、不思議な形で繋がっている。

 二人は静かに微笑み合い、無言で海を見つめた。この平和な時間が、これから先も続くことを願いながら。
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