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第22話 静かなる備え ※元老賢者ジャメル視点
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冒険者ギルドの一角から、私は彼女たちの様子を静かに見守っていた。
ノエラは屈託のない笑顔で他の冒険者たちと談笑し、時折魔法の相談に丁寧に耳を傾けていた。
ナディーヌが彼女の横で凛と背筋を伸ばし頼もしく立ち、その目は常にノエラを追いながら周囲の警戒を怠らない。
エミリーは治癒魔法の実演で周囲の冒険者たちを驚かせ、その眼差しには以前では見られなかった自信が宿っていた。そんな光景を見て、私は確信する。
彼女が自ら神殿の外へ出たのは、間違いなく正解だった。あの時、引き止めたり、「もう少し準備を」などと先延ばしにしようと言わなくて良かった。
ノエラは幼い頃からずっと神殿の中で育ってきた。早くから聖女に選ばれ、並外れた天賦の才によって「歴代最強」と呼ばれるほどの存在となった。そんな特別な環境でしか生きてこなかった彼女が、神殿の外に出たらどうなるのか。
少なからず心配はあった。彼女の才能は豊かだが、全く異なる環境では対応できないのではないか、あるいは変わってしまうのではないか。
だが、その心配は完全な杞憂だった。
冒険者としての活動には驚くほど早く順応し、難しい依頼もこなし、着実に評価を積み上げていった。人付き合いにも全く問題がなく、むしろ驚くほど上手にこなしている。他の冒険者たちとの交流も豊かで、周りの人々に絶えず良い影響を与えている。
「ジャメルさん、そんなところで何をしているのですか?」
物思いに耽っていた私の肩に、軽く手が置かれた。振り返ると、アンクティワンが微笑んでいた。彼も、ノエラを支えてくれている仲間の一人。
「ふむ、少し考え事をしていたのだよ」
「彼女たちの活躍ぶりは目を見張るものがありますね」
アンクティワンは私の視線の先を見やり、笑みを浮かべながら言った。
「特にノエラ様は、早くも冒険者の中心に立って、まるで輝いているかのようです」
「ああ」
私は静かに頷いた。
「特に印象的なのは、彼女がギルド全体の雰囲気をすっかり変えてしまったことだ。殺伐としていたこの場所が、今では『助け合いの精神』を大切にする場へと変わった。困っている者がいれば手を差し伸べる。それは間違いなくノエラの影響」
「間違いありません」
アンクティワンが同意する。彼女はそうやって生きてきたし、今もそうあり続けている。その精神が、彼女の周りの者たちへ波紋のように広がり、影響を与え続けている。
「冒険者ギルド内でも、彼女を慕う者たちが自然と増えていきましたね」
聖女だった頃と同じように。アンクティワンは、感心したように言った。
「そうだな。彼女がそうだった頃の記憶は世界から消え去ったはずなのに、場所が変わっても同じように彼女を称える声が次々と上がる。これは単なる偶然ではない」
「カリスマ、というものですか」
アンクティワンは、ノエラをカリスマの持ち主であると確信した。
「彼女は強いだけではなく、人々の心を惹きつける特別な魅力を持っている。それは地位や肩書きに関係なく、彼女の本質に根差したものでしょう」
「まさにその通りだ」
私は深く頷いた。
ノエラが若い冒険者に何かを教えている。その表情は柔らかく、優しさに満ちている。最近、彼女の笑顔をよく見るようになった。神殿にいた頃の表面的な微笑みや、付き合いのための作り笑いではない。心の底から湧き上がる、太陽のような自然な笑顔だ。
ナディーヌやエミリーと一緒にいる時は声を弾ませて笑い、目に見えて生き生きとしている。重圧と束縛の中で生きていた神殿時代には、決して見ることのできなかった自由な表情。
「彼女の精神状態の改善に比例するように、魔法の実力が向上しているのを感じます」
アンクティワンが静かに言った。彼の商人としての鋭い観察眼は、その変化を見逃していない。
「それは当然かもしれない。魔法と精神は密接に関係している。多くの制約の中で生きていた時より、今の自由な環境の方が彼女の潜在能力を引き出しているのだろう。束縛から解放された彼女の魔力は、以前よりもさらに洗練され、強大になっている」
「彼女は、まだ成長しているのですね」
アンクティワンが感嘆の声を上げた。彼は常に価値あるものを見極める目を持っている。
「私が想像していた以上にな」
私は静かに言葉を続けた。
「もはや、彼女の可能性は計り知れない」
「この平穏な日々がずっと続けばいいのですがね」
アンクティワンが遠くを見るような目をした。その視線には懸念の色が浮かんでいる。
「だが、世の中はそんなに甘いものではないことは私も十分承知している」
私は、重い口調で答えた。
「このまま何事も起きなければいいのだが、そうはならないだろう。必ず何かが起こる。我々にとって都合の悪いことが近いうちに」
「同感です」
アンクティワンも真剣な表情を浮かべる。普段の軽妙な態度とは打って変わった厳しい目つきだ。
「冒険者としての評判が高まれば、当然、連中にも存在が知られることになるでしょう」
アンクティワンは、周囲を警戒するように声を落として言った。彼は商人として様々な情報網を持っている。彼が私に、神殿の現状について教えてくれる。
「あそこは今、エリーゼという『聖女』の能力不足に悩まされ、神殿自体も財政難と評判低下という問題を抱えているようです」
「そんな時に、卓越した治癒魔法と戦闘能力を持つ優秀な女性冒険者の噂が耳に入ったら」
私は続けた。頭の中で様々な、悪い展開を想像する。そうなってほしくないが。
「連中は、どう動くだろうか」
「間違いなく、神殿に取り込もうとするでしょうね」
アンクティワンは断言した。彼の言葉には迷いがない。私も頷いた。
「トラブルが山積している神殿は、有能な人材を必死で求めているはず。そこに優秀な魔法使いとして名を馳せるノエラが現れたら、連中が手を伸ばそうとするのは火を見るよりも明らかだ」
「そうなった時、我々はどう動くべきでしょうか」
アンクティワンが腕を組んだ。彼の瞳には、商人特有の計算高い光が宿っている。
「今のうちに考えておかなければなりませんね」
「神殿の取り込み工作をいかにかわすか、その方法を模索しなければ」
私は深く息を吐いた。神殿から出てきた後も、こうやって悩まされるなんて。もう関わりたくないのに。ノエラを関わらせたくないのに。胸の内には苦い感情が渦巻いていた。
「彼女たちとは、まだこの問題について話し合っていない。いつかは話そうと考えているが、今じゃない。彼女たちには、今という幸せな時間を満喫してもらいたい」
「本当に心配されているのですね」
アンクティワンが静かに言った。彼の眼差しには理解の色が浮かんでいた。
「むろんだ。彼女は私にとって、自分の娘のような存在だからな」
それが正直な気持ち。幼い頃から見守り、育て、時に厳しく、時に優しく接してきた。今でも彼女の幸せを願う気持ちは変わらない。
「我々全員にとって、最良の対処法は何なのでしょうか」
アンクティワンは真剣な表情で尋ねた。私は少し考えて、答える。
「いくつかの案は思い浮かんでいるが、どれも決定打には欠ける気がする。ただ一つ確かなことは」
私は、声に力を込めた。
「彼女たちの平穏な生活を守るために、私は何でもするつもりだということだ。長い経験と知恵を総動員して、彼女たちを守り抜く」
「ご安心を」
アンクティワンが微笑んだ。その笑顔には、確かな自信が宿っている。
「あなたはひとりではありません。私も全面的に協力します。私の人脈と商人としての影響力が、少しでも彼女たちの助けになれば」
私は感謝の意を込めて頷いた。この人物と出会い協力を得られたことは、ノエラにとっても私たちにとっても、大きな幸運だった。
ノエラの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。澄んだ鈴のような、心地よい響きだ。彼女自身も、聖女の時代より強くなっている。精神的にも、魔法の力も。もはや一人の冒険者として確かな足跡を残し始めている。最悪の事態になっても、きっと彼女は自分の道を切り開いていくことも可能だろう。私はそう信じている。
それでも、できる限りの備えはしておくべきだ。静かに、だが確実に。
ノエラは屈託のない笑顔で他の冒険者たちと談笑し、時折魔法の相談に丁寧に耳を傾けていた。
ナディーヌが彼女の横で凛と背筋を伸ばし頼もしく立ち、その目は常にノエラを追いながら周囲の警戒を怠らない。
エミリーは治癒魔法の実演で周囲の冒険者たちを驚かせ、その眼差しには以前では見られなかった自信が宿っていた。そんな光景を見て、私は確信する。
彼女が自ら神殿の外へ出たのは、間違いなく正解だった。あの時、引き止めたり、「もう少し準備を」などと先延ばしにしようと言わなくて良かった。
ノエラは幼い頃からずっと神殿の中で育ってきた。早くから聖女に選ばれ、並外れた天賦の才によって「歴代最強」と呼ばれるほどの存在となった。そんな特別な環境でしか生きてこなかった彼女が、神殿の外に出たらどうなるのか。
少なからず心配はあった。彼女の才能は豊かだが、全く異なる環境では対応できないのではないか、あるいは変わってしまうのではないか。
だが、その心配は完全な杞憂だった。
冒険者としての活動には驚くほど早く順応し、難しい依頼もこなし、着実に評価を積み上げていった。人付き合いにも全く問題がなく、むしろ驚くほど上手にこなしている。他の冒険者たちとの交流も豊かで、周りの人々に絶えず良い影響を与えている。
「ジャメルさん、そんなところで何をしているのですか?」
物思いに耽っていた私の肩に、軽く手が置かれた。振り返ると、アンクティワンが微笑んでいた。彼も、ノエラを支えてくれている仲間の一人。
「ふむ、少し考え事をしていたのだよ」
「彼女たちの活躍ぶりは目を見張るものがありますね」
アンクティワンは私の視線の先を見やり、笑みを浮かべながら言った。
「特にノエラ様は、早くも冒険者の中心に立って、まるで輝いているかのようです」
「ああ」
私は静かに頷いた。
「特に印象的なのは、彼女がギルド全体の雰囲気をすっかり変えてしまったことだ。殺伐としていたこの場所が、今では『助け合いの精神』を大切にする場へと変わった。困っている者がいれば手を差し伸べる。それは間違いなくノエラの影響」
「間違いありません」
アンクティワンが同意する。彼女はそうやって生きてきたし、今もそうあり続けている。その精神が、彼女の周りの者たちへ波紋のように広がり、影響を与え続けている。
「冒険者ギルド内でも、彼女を慕う者たちが自然と増えていきましたね」
聖女だった頃と同じように。アンクティワンは、感心したように言った。
「そうだな。彼女がそうだった頃の記憶は世界から消え去ったはずなのに、場所が変わっても同じように彼女を称える声が次々と上がる。これは単なる偶然ではない」
「カリスマ、というものですか」
アンクティワンは、ノエラをカリスマの持ち主であると確信した。
「彼女は強いだけではなく、人々の心を惹きつける特別な魅力を持っている。それは地位や肩書きに関係なく、彼女の本質に根差したものでしょう」
「まさにその通りだ」
私は深く頷いた。
ノエラが若い冒険者に何かを教えている。その表情は柔らかく、優しさに満ちている。最近、彼女の笑顔をよく見るようになった。神殿にいた頃の表面的な微笑みや、付き合いのための作り笑いではない。心の底から湧き上がる、太陽のような自然な笑顔だ。
ナディーヌやエミリーと一緒にいる時は声を弾ませて笑い、目に見えて生き生きとしている。重圧と束縛の中で生きていた神殿時代には、決して見ることのできなかった自由な表情。
「彼女の精神状態の改善に比例するように、魔法の実力が向上しているのを感じます」
アンクティワンが静かに言った。彼の商人としての鋭い観察眼は、その変化を見逃していない。
「それは当然かもしれない。魔法と精神は密接に関係している。多くの制約の中で生きていた時より、今の自由な環境の方が彼女の潜在能力を引き出しているのだろう。束縛から解放された彼女の魔力は、以前よりもさらに洗練され、強大になっている」
「彼女は、まだ成長しているのですね」
アンクティワンが感嘆の声を上げた。彼は常に価値あるものを見極める目を持っている。
「私が想像していた以上にな」
私は静かに言葉を続けた。
「もはや、彼女の可能性は計り知れない」
「この平穏な日々がずっと続けばいいのですがね」
アンクティワンが遠くを見るような目をした。その視線には懸念の色が浮かんでいる。
「だが、世の中はそんなに甘いものではないことは私も十分承知している」
私は、重い口調で答えた。
「このまま何事も起きなければいいのだが、そうはならないだろう。必ず何かが起こる。我々にとって都合の悪いことが近いうちに」
「同感です」
アンクティワンも真剣な表情を浮かべる。普段の軽妙な態度とは打って変わった厳しい目つきだ。
「冒険者としての評判が高まれば、当然、連中にも存在が知られることになるでしょう」
アンクティワンは、周囲を警戒するように声を落として言った。彼は商人として様々な情報網を持っている。彼が私に、神殿の現状について教えてくれる。
「あそこは今、エリーゼという『聖女』の能力不足に悩まされ、神殿自体も財政難と評判低下という問題を抱えているようです」
「そんな時に、卓越した治癒魔法と戦闘能力を持つ優秀な女性冒険者の噂が耳に入ったら」
私は続けた。頭の中で様々な、悪い展開を想像する。そうなってほしくないが。
「連中は、どう動くだろうか」
「間違いなく、神殿に取り込もうとするでしょうね」
アンクティワンは断言した。彼の言葉には迷いがない。私も頷いた。
「トラブルが山積している神殿は、有能な人材を必死で求めているはず。そこに優秀な魔法使いとして名を馳せるノエラが現れたら、連中が手を伸ばそうとするのは火を見るよりも明らかだ」
「そうなった時、我々はどう動くべきでしょうか」
アンクティワンが腕を組んだ。彼の瞳には、商人特有の計算高い光が宿っている。
「今のうちに考えておかなければなりませんね」
「神殿の取り込み工作をいかにかわすか、その方法を模索しなければ」
私は深く息を吐いた。神殿から出てきた後も、こうやって悩まされるなんて。もう関わりたくないのに。ノエラを関わらせたくないのに。胸の内には苦い感情が渦巻いていた。
「彼女たちとは、まだこの問題について話し合っていない。いつかは話そうと考えているが、今じゃない。彼女たちには、今という幸せな時間を満喫してもらいたい」
「本当に心配されているのですね」
アンクティワンが静かに言った。彼の眼差しには理解の色が浮かんでいた。
「むろんだ。彼女は私にとって、自分の娘のような存在だからな」
それが正直な気持ち。幼い頃から見守り、育て、時に厳しく、時に優しく接してきた。今でも彼女の幸せを願う気持ちは変わらない。
「我々全員にとって、最良の対処法は何なのでしょうか」
アンクティワンは真剣な表情で尋ねた。私は少し考えて、答える。
「いくつかの案は思い浮かんでいるが、どれも決定打には欠ける気がする。ただ一つ確かなことは」
私は、声に力を込めた。
「彼女たちの平穏な生活を守るために、私は何でもするつもりだということだ。長い経験と知恵を総動員して、彼女たちを守り抜く」
「ご安心を」
アンクティワンが微笑んだ。その笑顔には、確かな自信が宿っている。
「あなたはひとりではありません。私も全面的に協力します。私の人脈と商人としての影響力が、少しでも彼女たちの助けになれば」
私は感謝の意を込めて頷いた。この人物と出会い協力を得られたことは、ノエラにとっても私たちにとっても、大きな幸運だった。
ノエラの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。澄んだ鈴のような、心地よい響きだ。彼女自身も、聖女の時代より強くなっている。精神的にも、魔法の力も。もはや一人の冒険者として確かな足跡を残し始めている。最悪の事態になっても、きっと彼女は自分の道を切り開いていくことも可能だろう。私はそう信じている。
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