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第26話 新たな婚約相手と
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ジヨホウナント辺境伯家の御子息であるラレアム様と初対面する予定が決まった。結婚することが決まった相手について、事前に軽く情報を集めてもらった。初対面で失礼のないように備えるため。
ジヨホウナント辺境伯家の三男である彼は、武芸に秀でていて剣の腕も相当なものだそうだ。まだ若いのに戦争に参加して、武勲を上げたこともあるそうだ。辺境伯家を継ぐ可能性は低いが、家に対する大きな影響力があって将来も有望な人らしい。
婚約相手が決まっていなかったのは、なかなか機会に恵まれなくて縁談をまとめることが出来なかったから。本人が悪いわけではなく、辺境伯という身分の高さや他の貴族との関係、彼の実績などを考えると仕方ない部分もあるのだろう。
色々なタイミングが悪かっただけで、人柄には問題なさそう。
イステリッジ公爵家にとっては都合のいいことに、まだ相手が決まっていなかったラレアム様と私が婚約する話になった。
私としては、特に問題はない。むしろ好条件だと言える。色々な事情があったとはいえ、一度婚約を破棄されてしまった私が新しい相手を見つけるのは難しいだろうと思っていたから。
今度こそ婚約を破棄されないように、良好な関係を築いていきたい。
「こちらでお待ち下さい。すぐにラレアム様が、いらっしゃいます」
「はい」
ジヨホウナント辺境伯家の屋敷を訪れた私は、侍女に案内された部屋で待つことになった。
席に座って緊張しながら待っていると、扉がノックされる音が聞こえた。そして、私の返事を待ってから扉が開かれる。
「すまない、待たせてしまったかな」
「いえ、大丈夫です」
入ってきたのは、私よりも少し年上の男性。スラッと背が高くて姿勢の良い人だ。見るからに真面目そうな人で、ハキハキとした口調で話しかけられた。
「初めまして。俺は、ラレアム・ジヨホウナント」
「エルミリア・イステリッジです。よろしくお願いします、ラレアム様」
ラレアム様との簡単な自己紹介を終えると、お互いに向かい合って椅子に座った。真正面から力強い目線を向けられて、なんだか到着を待っていた時よりも緊張してしまう。ちゃんと、上手くやっていけるだろうか?
そんな事を考えていると、彼から話しかけてくれた。
「これから両家のため、帝国のためにも君と仲良くしたいと思っている。ただ俺は、女性に慣れていなくて。失礼なことを言ったり、不快にさせてしまうかもしれない。その時は、遠慮なく言ってくれ」
いきなり正直な気持ちを言われて少し驚いたけど、誠実そうな性格なのだと思う。今までに私が出会ったことのないようなタイプの人。だけど、婚約者として安心して付き合えるような気がした。
「わかりました。私も、帝国に来たばかりなので慣れないことも多いと思いますわ。何かあれば、教えてくださいね」
「あぁ、もちろん。お互いに遠慮なく、助け合っていこう」
それから2人で、将来のことについて話し合った。結婚の時期や子どもについて。お互いの家のことについて、など。
王国での婚約破棄の件についても、彼は知っているようだった。けれど、そんなに興味のない様子で、深く聞かれることはなかった。気にしていないのなら良かった。私も、これからは気にしないでいこう。過去よりも今。そして、将来のほうが大事。
ラレアム様に対する最初の印象は、とても真面目そうな人。そして、誠実な方だという感じだった。新しい婚約相手が彼で、本当に良かった。
ラレアム様が真剣に向き合ってくれるので、私も真剣に向き合う。これから一緒に過ごす時間が増えていく中で、良い関係を築けたらいいなと思った。
ジヨホウナント辺境伯家の三男である彼は、武芸に秀でていて剣の腕も相当なものだそうだ。まだ若いのに戦争に参加して、武勲を上げたこともあるそうだ。辺境伯家を継ぐ可能性は低いが、家に対する大きな影響力があって将来も有望な人らしい。
婚約相手が決まっていなかったのは、なかなか機会に恵まれなくて縁談をまとめることが出来なかったから。本人が悪いわけではなく、辺境伯という身分の高さや他の貴族との関係、彼の実績などを考えると仕方ない部分もあるのだろう。
色々なタイミングが悪かっただけで、人柄には問題なさそう。
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今度こそ婚約を破棄されないように、良好な関係を築いていきたい。
「こちらでお待ち下さい。すぐにラレアム様が、いらっしゃいます」
「はい」
ジヨホウナント辺境伯家の屋敷を訪れた私は、侍女に案内された部屋で待つことになった。
席に座って緊張しながら待っていると、扉がノックされる音が聞こえた。そして、私の返事を待ってから扉が開かれる。
「すまない、待たせてしまったかな」
「いえ、大丈夫です」
入ってきたのは、私よりも少し年上の男性。スラッと背が高くて姿勢の良い人だ。見るからに真面目そうな人で、ハキハキとした口調で話しかけられた。
「初めまして。俺は、ラレアム・ジヨホウナント」
「エルミリア・イステリッジです。よろしくお願いします、ラレアム様」
ラレアム様との簡単な自己紹介を終えると、お互いに向かい合って椅子に座った。真正面から力強い目線を向けられて、なんだか到着を待っていた時よりも緊張してしまう。ちゃんと、上手くやっていけるだろうか?
そんな事を考えていると、彼から話しかけてくれた。
「これから両家のため、帝国のためにも君と仲良くしたいと思っている。ただ俺は、女性に慣れていなくて。失礼なことを言ったり、不快にさせてしまうかもしれない。その時は、遠慮なく言ってくれ」
いきなり正直な気持ちを言われて少し驚いたけど、誠実そうな性格なのだと思う。今までに私が出会ったことのないようなタイプの人。だけど、婚約者として安心して付き合えるような気がした。
「わかりました。私も、帝国に来たばかりなので慣れないことも多いと思いますわ。何かあれば、教えてくださいね」
「あぁ、もちろん。お互いに遠慮なく、助け合っていこう」
それから2人で、将来のことについて話し合った。結婚の時期や子どもについて。お互いの家のことについて、など。
王国での婚約破棄の件についても、彼は知っているようだった。けれど、そんなに興味のない様子で、深く聞かれることはなかった。気にしていないのなら良かった。私も、これからは気にしないでいこう。過去よりも今。そして、将来のほうが大事。
ラレアム様に対する最初の印象は、とても真面目そうな人。そして、誠実な方だという感じだった。新しい婚約相手が彼で、本当に良かった。
ラレアム様が真剣に向き合ってくれるので、私も真剣に向き合う。これから一緒に過ごす時間が増えていく中で、良い関係を築けたらいいなと思った。
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