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第7話
ルシャード様に抱えられて、学園にある医務室まで連れて行かれた。そこで私は、治療を受ける。
どうやら軽く捻挫していたらしくて、2、3日は安静にするように言われた。
迎えが来るまで、医務室のベッドを借りて待つことに。ルシャード様も一緒に付き添ってくれるようだ。治療してくれた医者は、いつの間にか居なくなって二人きりになっていた。
「良かった。私のせいで、あんなことに巻き込まれて申し訳ない。報告を受けてから急いで向かったんだが、間に合わなくて……。足も怪我して……」
「いいえ。ルー様のせいじゃないですよ」
申し訳無そうに謝るルシャード様。だけど、彼が原因で起きた事じゃない。絡んできた、彼女たちが問題だったのだ。だから仕方ないのよ。気に病む必要もない。
「あの時、私が背中から倒れていたらもっと酷いことになっていたかもしれません。けれど、ルー様が駆けつけて助けてくれました。貴方は、十分に間に合っていましたと思いますわ。だから、助けてくれてありがとうございます。とても嬉しかったし、頼もしかったです」
「そうか……!」
背中に手を伸ばしてそっと抱きしめると、私の肩に顔を埋めるルシャード様。これで、落ち着いてくれたら良いけれど。彼が落ち込んでいる姿は、あまり見たくない。
しばらくの間、ルシャード様の体温を感じながら時間が過ぎていった。
「ありがとう、クリス。落ち着いたよ」
顔を上げると、自信を取り戻したルシャード様らしい顔に戻っていた。私は、彼のこの表情が大好きだ。
「それにしても、本当に苛立たしい奴らだな。私のクリスに暴言を吐いて、怪我までさせるなんて。私を敵に回したことを思い知らせてやろう」
やる気をみなぎらせて、ルシャード様が呟く。少し、暴走しそうな危ない雰囲気。
「あの……、あまり度を過ぎない程度にね。彼女たちも、一時的な気の迷いだったのでしょうし」
「あぁ、分かっている。節度をもって、奴らの処罰について考えるよ」
本当に大丈夫かしら。少し心配ではある。でもまぁ、これ以上は私が口を挟むべきじゃないかもしれない。ルシャード様に対しても、不敬を働いたんだし。それ相応の罰を受けるべきだろう。
その後、迎えの馬車が到着した。馬車の止まっている場所まで歩いていこうとしたが止められて、学園の入り口まで私はルシャード様に抱えられて運ばれた。
「あ、あのルー様。これは、やっぱり恥ずかしいのですが……!」
安静にしているように言われたので、抱えて運んでくれるのは凄く助かっている。だけど、迎えに来てくれた侍女たちに任せてくれたほうが……。
「今後は、あんなことが起きないように周りにアピールしていく。今回の件も、私が君を愛していることを皆が知っていたら回避できていただろう。だから今後は、私の恥ずかしいという気持ちは抑え込む。どんどん、私がクリスを愛しているという事実を知ってもらおう。お父様やお母様にイジられても、気にしない!」
「あの、私も恥ずかしいんですけれど……」
「もちろん、そうだろう。だけど二人で頑張って、恥ずかしさに耐えよう」
侍女や執事たちは何も言わず、私達の様子を温かく見守ってくれている。その視線が、くすぐったい。
ルシャード様も恥ずかしいようだけど、頑張って耐えているみたい。
ならば私も、覚悟を決めないといけないわよね。
数日が過ぎて、足の痛みは無くなった。無事に治ったようだ。
彼らの処遇について、ルシャード様は何も話してくれなかった。後からこっそりと関係者に聞いてみて、色々と教えてもらった。
各々に大変な処罰が与えられ、私を突き飛ばしたリカルドは調査が入って、テスタ伯爵家に色々な問題が発覚。家が取り潰しとなった。その後、彼の行方は分からなくなったそうだ。
それから、マレイラ嬢。シャイト子爵家も色々と問題が発覚して、取り潰し。横領していた分を王国へ返すために子爵家の人々は僻地に送られ、厳しい労働を強いられているらしい。
私の件というよりも、他の問題が色々と発覚して処罰されたようだ。だから彼も、詳しく話さなかったのだろう。
結果的に、あの事件が起こって良かったと思っている。皆の前で、ルシャード様を愛していると言えるようになったから。最初は、やっぱり恥ずかしかったけどね。
ルシャード様も恥ずかしさを忘れて、どんどん愛を囁いてくれるようになった。
二人きりで過ごしていたときと同じように。少し過剰な時もあるけれど、私は彼の愛を受け止める。
その後、私達の関係は周知の事実となった。王国史上最大の熱々夫婦として、広く知られるようになるのだった。
どうやら軽く捻挫していたらしくて、2、3日は安静にするように言われた。
迎えが来るまで、医務室のベッドを借りて待つことに。ルシャード様も一緒に付き添ってくれるようだ。治療してくれた医者は、いつの間にか居なくなって二人きりになっていた。
「良かった。私のせいで、あんなことに巻き込まれて申し訳ない。報告を受けてから急いで向かったんだが、間に合わなくて……。足も怪我して……」
「いいえ。ルー様のせいじゃないですよ」
申し訳無そうに謝るルシャード様。だけど、彼が原因で起きた事じゃない。絡んできた、彼女たちが問題だったのだ。だから仕方ないのよ。気に病む必要もない。
「あの時、私が背中から倒れていたらもっと酷いことになっていたかもしれません。けれど、ルー様が駆けつけて助けてくれました。貴方は、十分に間に合っていましたと思いますわ。だから、助けてくれてありがとうございます。とても嬉しかったし、頼もしかったです」
「そうか……!」
背中に手を伸ばしてそっと抱きしめると、私の肩に顔を埋めるルシャード様。これで、落ち着いてくれたら良いけれど。彼が落ち込んでいる姿は、あまり見たくない。
しばらくの間、ルシャード様の体温を感じながら時間が過ぎていった。
「ありがとう、クリス。落ち着いたよ」
顔を上げると、自信を取り戻したルシャード様らしい顔に戻っていた。私は、彼のこの表情が大好きだ。
「それにしても、本当に苛立たしい奴らだな。私のクリスに暴言を吐いて、怪我までさせるなんて。私を敵に回したことを思い知らせてやろう」
やる気をみなぎらせて、ルシャード様が呟く。少し、暴走しそうな危ない雰囲気。
「あの……、あまり度を過ぎない程度にね。彼女たちも、一時的な気の迷いだったのでしょうし」
「あぁ、分かっている。節度をもって、奴らの処罰について考えるよ」
本当に大丈夫かしら。少し心配ではある。でもまぁ、これ以上は私が口を挟むべきじゃないかもしれない。ルシャード様に対しても、不敬を働いたんだし。それ相応の罰を受けるべきだろう。
その後、迎えの馬車が到着した。馬車の止まっている場所まで歩いていこうとしたが止められて、学園の入り口まで私はルシャード様に抱えられて運ばれた。
「あ、あのルー様。これは、やっぱり恥ずかしいのですが……!」
安静にしているように言われたので、抱えて運んでくれるのは凄く助かっている。だけど、迎えに来てくれた侍女たちに任せてくれたほうが……。
「今後は、あんなことが起きないように周りにアピールしていく。今回の件も、私が君を愛していることを皆が知っていたら回避できていただろう。だから今後は、私の恥ずかしいという気持ちは抑え込む。どんどん、私がクリスを愛しているという事実を知ってもらおう。お父様やお母様にイジられても、気にしない!」
「あの、私も恥ずかしいんですけれど……」
「もちろん、そうだろう。だけど二人で頑張って、恥ずかしさに耐えよう」
侍女や執事たちは何も言わず、私達の様子を温かく見守ってくれている。その視線が、くすぐったい。
ルシャード様も恥ずかしいようだけど、頑張って耐えているみたい。
ならば私も、覚悟を決めないといけないわよね。
数日が過ぎて、足の痛みは無くなった。無事に治ったようだ。
彼らの処遇について、ルシャード様は何も話してくれなかった。後からこっそりと関係者に聞いてみて、色々と教えてもらった。
各々に大変な処罰が与えられ、私を突き飛ばしたリカルドは調査が入って、テスタ伯爵家に色々な問題が発覚。家が取り潰しとなった。その後、彼の行方は分からなくなったそうだ。
それから、マレイラ嬢。シャイト子爵家も色々と問題が発覚して、取り潰し。横領していた分を王国へ返すために子爵家の人々は僻地に送られ、厳しい労働を強いられているらしい。
私の件というよりも、他の問題が色々と発覚して処罰されたようだ。だから彼も、詳しく話さなかったのだろう。
結果的に、あの事件が起こって良かったと思っている。皆の前で、ルシャード様を愛していると言えるようになったから。最初は、やっぱり恥ずかしかったけどね。
ルシャード様も恥ずかしさを忘れて、どんどん愛を囁いてくれるようになった。
二人きりで過ごしていたときと同じように。少し過剰な時もあるけれど、私は彼の愛を受け止める。
その後、私達の関係は周知の事実となった。王国史上最大の熱々夫婦として、広く知られるようになるのだった。
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